{"title":"Distribution of Endocrine Cells in Duck Digestive Tracts","authors":"T. Okamoto, M. Sugimura, N. Kudo","doi":"10.15027/41249","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41249","url":null,"abstract":"食道から直腸末端までのアヒル消化管における内分泌細胞の存在と分布を,鉛ヘマトキシリン,塩酸トルイジンブルー,Sevier and Mungerの鍍銀法およびMassonの銀親和反応を用いて検索した。\u0000\u0000鉛ヘマトキシリンと塩酸トルイジンブルーで染まる細胞は食道を除く消化管の全部位でみられ,好銀性細胞は腺胃粘膜,腺胃腺および腸管の全部位に,銀親和性細胞は腸管にのみみられた。\u0000\u0000内分泌細胞の分布密度は,筋胃幽門部が最も多く,次が腺胃腺であり,腸は十二指腸,空腸,回腸,盲腸,結直腸の5部位とも同程度で幽門部の約1/2,腺胃粘膜および胃峡部は腺胃腺の1/10,筋胃中央部は前2部位よりも少なく最少であった。\u0000\u0000筋胃幽門部は,筋胃と十二指腸を分けるわずかな粘膜ひだから筋胃側5㎜位の部分であり,この部に非銀親和性で非好銀性の内分泌細胞が高密度に存在することは興味ある所見である。\u0000\u0000これら内分泌細胞の染色性および分布から,アヒル消化管における4種類以上の内分泌細胞の存在が推測された。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"2 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-12-25","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"115084721","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
K. Kubota, Kan-ich Suzuki, H. Hosaka, Reiko Hirota, Kiyoshi Ihara
{"title":"Studies of Drying-rate Equations based on Drying-shell Models","authors":"K. Kubota, Kan-ich Suzuki, H. Hosaka, Reiko Hirota, Kiyoshi Ihara","doi":"10.15027/41237","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41237","url":null,"abstract":"食品の乾燥は,貯蔵とか輸送を容易にすることから,食糧問題を考えていく場合に重要になる単位操作の一つである。各種の乾燥装置を設計し,制御化などを行なっていくためには,乾燥速度式を設定し,それに含まれる速度パラメータを求めていくことが必要である。\u0000\u0000一般に食品において,乾燥特性曲線を描いた場合,恒率および減率期間が明確でないが,この原因として食品に特有の表面収縮現象などが考えられる。また,食品は多種にわたる高分子成分によって構成されていて化学的,物理的な性質が単純でなかったり,細胞構造を有しているものが多いことなどからも,水分移動機構などが複雑である。これらの食品に特有な現象を一つずつ究明しながら乾燥速度式を設定していくべきであるが,再現性のよい実験データを得るのが困難であることなどにより容易でない。\u0000\u0000本研究は,当面する乾燥装置設計などに対応するために,簡単な乾燥モデルに基づいて半理論的なものでよいから乾燥速度式を設定して,実験データによるシミュレーションを行なっていくことを目的として,つぎに示す3段階で研究を行なった。\u0000(1) 乾燥速度の大きい条件下で適用できると考えられる殻状乾燥モデルを球,長い円柱および薄い平板形について考え,乾燥速度式の設定をした。\u0000(2) 乾燥の進行に伴ってガス境膜拡散律速などから乾燥殻状部拡散律速などに移行していくと考えられる。各形種の乾燥速度式において,何れか一つの律速を仮定して,近似的に乾燥速度パラメータを簡単に求めるための積分式を表面収縮も考慮して誘導した。\u0000(3) 全乾燥期聞に適用できる乾燥速度式を得るためには,二つ以上の乾燥速度パラメータを同時に計算していく必要があるが,そのための非線形最小二乗法を使用した電子計算機プログラムを作成した。この計算の乾燥速度パラメータの初期値として(2)で得られる値を使用することができる。\u0000\u0000本研究成果は,乾燥機構が複雑な食品などの乾燥速度式を実験データよりシミュレーションによって得る場合に有用である。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"18 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-07-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"125679424","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
K. Kubota, Reiko Hirota, Kan-ich Suzuki, H. Hosaka
{"title":"Determinations of Rate Parameters in Drying-rate Equations of Water-absorbing Sponges","authors":"K. Kubota, Reiko Hirota, Kan-ich Suzuki, H. Hosaka","doi":"10.15027/41238","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41238","url":null,"abstract":"既報1)において,殻状乾燥モデルに基づく乾燥速度式の設定および速度パラメータの算出方法について報告した。本報では,含水スポンジを仮想食品として考えて,乾燥実験を行ない,速度パラメータの算出をした。含水スポンジは,表面収縮をしなく殻状乾燥をするので,既報の各種の乾燥速度式を検討するのに都合のよい簡単なモデル体である。球,長い円柱および無限平板状の試料について検討した結果,つぎに示すような結論が得られた。\u0000(1) ガス境膜および乾燥殻状部拡散律速をそれぞれ仮定して誘導された積分形1)から求められた速度パラメータhm (cm3-void/cm2・min)およびkm (cm3-void/cm・min)を用いた計算結果は,試料の重さω(g)対乾燥時間θ(min)の関係で得られた実験データを満足しなかった。この原因は,速度パラメータの相関性によるものであり,非線形最小二乗法を用いた同時計算が必要であることが分った。\u0000(2) 本研究で使用した含水スポンジは,細孔径が大きく,長い円柱および無限平板状の試料においては,未乾燥核が水の凝集力によりそれぞれ楕円体および円盤体となり,殻状乾燥モデルを満足する実験データが得られなかった。このような試料の場合に対しては,球状についての実験が必要であることが分った。\u0000(3) 球状の試料については,実験データをよく満足する速度パラメータhmおよびkmが得られた。従来の関係式から求められる各種の推算値と比較検討を行なった。理論的により意味のある速度パラメータを得て従来の値と比較検討をしていくためには,未乾燥核の温度変化を測定する実験などを行なっていくことが必要である。\u0000\u0000本研究で示した方法で得られる乾燥速度式は,速度パラメータの意味が究明されていかない限り半理論式的なものであるが,当面する各種の乾燥装置の設計などに対しては簡単な取り扱いをしており有用なものである。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"91 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-07-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"133385562","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"Scanning Electron Microscopical Observation on the Penetration Mechanism of Fowl Spermatozoa into the Ovum in the Process of Fertilization","authors":"S. Fujii","doi":"10.15027/41244","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41244","url":null,"abstract":"鳥類の受精に際して,精子が卵黄膜を通って卵子へ進入する機構を,走査電子顕微鏡を用いて形態的に観察した。方法は,2型の鶏卵子をin vitroにおいて受精させ,この受精卵について観察した。一型の卵子は,排卵後直ちに卵管漏斗部から取出されたものである。卵子はいわゆる内卵黄膜のみによって包まれた状態にある。他の一型は,放卵後の卵から得られた卵子である。卵子は内卵黄膜に加えて外卵黄膜をも具えた完成した卵黄膜に包まれている。\u0000\u0000結果は,漏斗部卵子では,精子は網状構造の内卵黄膜の網限内に深く進入していた。一方,放卵後卵子では,精子は卵黄膜に進入することなく,外卵黄膜表面に軽く接触するに過ぎなかった。このことは一度外卵黄膜が形成されると,精子の卵子進入は阻止されることを示唆する。\u0000\u0000以上の所見から,鳥類の受精に際しては,精子は内卵黄膜の網眼を通って卵子内へ進入するものであり,しかも卵子が卵管漏斗部通過時のみ精子の進入が可能であるものと考えられた。このことは同時に,鳥類の受精は卵管漏斗部で行われるという従来からの説を,形態的観点から支持したことになる。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"24 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-07-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"134120894","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"The Reef Fish Fauna of Kuchierabu, Offshore Island of Southern Japan","authors":"K. Gushima, Y. Murakami","doi":"10.15027/41241","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41241","url":null,"abstract":"琉球列島と九州本土の間に位置する口永良部島において,1970年10月から1973年11月の間に14回に亘る磯魚の採集を行い,217種の磯魚を同定した。これらの種は地理的な分布圏の差異により,以下に述べる4グループに分けられる。\u00001) インド・太平洋熱帯域から日本南部まで分布する種; 170種 (78.3%)\u00002) インド・太平洋熱帯域から口永良部島まで分布し,口永良部島を分布の北限とする種; 36種(16.5%)\u00003) 日本南部から琉球列島まで分布し,琉球列島を分布の南限とする種; 10種(4.6%)\u00004) 日本南部から口永良部島まで分布し,口永良部島を分布の南限とする種; 1種(0.4%)\u0000\u0000以上の結果から口永良部島の魚類相は,日本南部の亜熱帯性魚類相よりも,琉球列島の熱帯性の魚類相に近いと考えられる。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"17 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-07-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"133346319","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"Notes on the Dormancy in the Adults of Tigriopus japonicus","authors":"S. Kasahara, T. Akiyama","doi":"10.15027/41242","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41242","url":null,"abstract":"筆者らは,餌料生物としての利用におけるT. japonicusの培養,ならびに保存に関する基礎的研究を行なっているが,ここでは,後者に関連して行なった本種成体の休眠生態に関する二三の観察結果について報告する。\u0000(1) 25℃で培養したものは4~8℃で,15~20℃で培養したものは-2~2℃でそれぞれ全個体が休眠状態となり1日後に元の水温に戻すとすべてが蘇生した。また,16℃で培養し0℃で休眠した個体をそのまま0℃で保存した場合,1か月後に80%(雌雄ともに), 2か月後に55%(雌),20%(雄)の蘇生率を示した。\u0000(2) 飼育海水の濃縮による高塩分条件下では,濃縮速度(但し塩分約150‰へ20~100時間の範囲)と特に関係なく,いずれの場合も塩分130~150‰(水温23~26℃)程で全個体が休眠状態となり,それらを1~7℃に置いた場合,1か月後に60%(雌雄混在)の蘇生率が得られた。\u0000(3) 休眠生起の条件としての塩分と温度の関係については断片的な検討にとどまったが,塩分濃度が高くなるにつれ,いわゆる冷休止帯よりさらに高い水温で休眠状態になることが認められた。\u0000(4) 以上の実験を通じ,概して雌は雄より休眠状態に陥り難い一方,休眠からの蘇生率は若干良好であった。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"123 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-07-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"115383683","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"Studies on Rainbow Trout Egg (Salmo gairdnerii irideus) : VI. Changes of Lipid Composition in Yolk during Development","authors":"H. Nakagawa, Y. Tsuchiya","doi":"10.15027/41240","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41240","url":null,"abstract":"未受精卵,孵化直後,さい嚢吸収前の三段階の卵黄に含まれる脂質を油球および卵黄球リボ蛋白質にわけて,それぞれの組成をしらべた。また,in vitroの実験から卵黄球リポ蛋白質の脂質の胚への吸収経路を推定した。\u00001) 他球の脂質組成には発生過程中に著しい変化は無いが,脂肪酸組成にはわずかながら18:1,18:2酸増加と16:0,20:5,22:6酸の減少がみられた。\u00002) 卵黄球リポ蛋白質の脂質に50%近く含まれるリン脂質は発生と共に減少し,リゾレシチンと非エステル脂肪酸の割合が増加した。\u00003) リポ蛋白質のトリグリセライドとリン脂質の脂肪酸組成は互いに異なり,特に前者に不飽和脂肪酸が多い。また,非エステル脂肪酸は発生にしたがい絶対量が増加し,未受精卵に多い22:6,20:5酸が減少したのに対し,16:0,16:1,18:1酸が増加した。これによって発生の進むと共に卵黄の高度不飽和脂肪酸が選択的に胚に吸収されることを認めた。\u00004) 卵黄球の脂質は,ある酵素によりトリグリセライドが分解され,脂肪酸が遊離される。これは非エステル脂肪酸としてリポ蛋白質内に蓄積された後,胚へと移行する。一方,生じたモノまたはジグリセライドはレシチンから脂肪酸を得てトリグリセライドを再合成し,レシチンはリゾレシチンに変ずると考える。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"15 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-07-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"131114913","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"Vibrio anguillarum isolated from the European Eel (Anguilla anguilla) cultured in Japan","authors":"K. Muroga, Y. Jo, M. Nishibuchi","doi":"10.15027/41239","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41239","url":null,"abstract":"Vibrio anguillarumはヨーロッパにおいて海水中および汽水中のウナギに鰭赤病を起こすものとして古くから知られている。1969年以来,ニホンウナギ(Anguilla japonica)の種苗不足を補うためヨーロッパウナギ(A. anguilla)のシラスが大量に輸入され,日本各地で養殖されているが,我が国においてはヨーロッパウナギでのV. anguillarum感染症の発生は現在まで報告されていない。\u0000\u00001975年4月末,徳島県下のやや塩分を含む養殖池において,前年から赤点病(Pseudomonas anguilliseptica感染症)が発生していた魚群について検査したところ,P. anguillisepticaとともにV. anguillarumが分離され,ヨーロッパウナギにおける本菌感染症が我が国でも確認された。\u0000\u0000しかしながら,その感染率は比較的低く,また本病による大量斃死も認められなかった。これはヨーロッパウナギがニホンウナギと同様,V. anguillarumに対してある程度抵抗性を有しているためと考えられた。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"40 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1976-07-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"116567211","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
{"title":"On the Balance and Seasonal Variation of Dissolved and Particulate Phosphorus in an Eutrophicated Coastal Environment","authors":"O. Matsuda, Takuo Endo, H. Koyama","doi":"10.15027/41230","DOIUrl":"https://doi.org/10.15027/41230","url":null,"abstract":"瀬戸内海の備後灘北部の2定点において,1972年4月から約2年間,リンの基本的変動様式を知るために,約1カ月間隔で,海水中のリンを懸濁態リン(particulate phosphorus, PP),溶存態無機リン(dissolved inorganic phosphorus, DIP),溶存態有機リン(dissolved organic phosphorus, DOP)の3態に分別して定量した。結果を要約すると次のとおりである。\u0000\u00001. 本海域における海水中のリンの季節変動の一つの特長として,海水中のchlorophyllα濃度が高い暖季(5~10月,水温15℃以上)にPPの濃度が寒季におけるよりも,顕著に高かった。chlorophyllαとPPの間の高い相関などから,懸濁態リンの主部分は植物プランクトンに含まれていたと推定された。富栄養化の進んだ測点で,chlorophyllαが20㎎/m3以上の赤潮状態を呈した場合PPは1.0μg-at/l前後の高い値を示した。\u00002. DIPの変動にはいくつかの要因が考えられるが,全リン(total phosphorus, TP)中に占めるDIPとPPの割合が逆の変動を示したことは,DIPの減少が,PPの主体をなす植物プランクトンの生産に強く支配されていたことを示唆する。事実,植物プランクトン現存量が大きく,3態中でPPの割合が卓越している場合にはDIPの濃度はしばしば著しく低下した。\u0000また,DIPの濃度は9月から12月にかけて高かったが,これは夏季に流入陸水および底泥から補給されたリンの影響が残存する時期に,植物プランクトンの生産が低下したためと考えられた。\u00003. DOPが海水中のリンに占める割合は周年かなり高かった。DOPの濃度は比較的季節変化に乏しかったが,その増減はPP濃度の変化と同時に,あるいは多少の遅れを伴って生じた。この結果は,DOPの主体が植物プランクトンおよびその他生物の代謝・分解産物から成る,との考えと矛盾しない。\u00004. 海水中の各態リン濃度の季節変化は,各態相互間の変換によっているだけではなく,3態の和である全リン(TP)も季節変化を示した。そのさい,リンの補給経路としては,夏季底泥からの溶出,および陸水の流入が指摘された。海水の成層期には光合成層ではTPの増加分にほぼ比例してPPが増加した。\u00005. これらの結果から,本海域におけるリンのサイクルには植物プランクトンの生産とその分解過程が極めて重要な位置を占めていると考えられる。","PeriodicalId":367778,"journal":{"name":"Journal of the Faculty of Fisheries and Animal Husbandry,Hiroshima University","volume":"81 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"1975-12-25","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"131409564","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}