{"title":"医療施設で使用される資材や器材に付着した Methicillin-resistant Staphylococcus aureus の各種温度条件における生存性","authors":"督子 東野, 和人 神谷","doi":"10.4058/JSEI.26.67","DOIUrl":"https://doi.org/10.4058/JSEI.26.67","url":null,"abstract":"Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)によって療養環境表面が汚染すると,その環境における当該菌の生存期間は数週間におよぶとの報告がある.しかし,入院患者と接触する可能性のある医療器具や患者の療養環境にあるベッド柵やリネンなどに使用される材質の違いによる生存状況についての検討は少ない.我々はS. aureusを用いて,患者の療養環境にある綿布,ポリプロピレン布,シリコーンゴム片,銅片,真鍮片,アルミニウム片,ステンレス片を用いて各材質の違いによる生存状況を,5℃, 20℃, 35℃の異なる温度条件も含めて検討を行った.その結果,ポリプロピレン布,アルミニウム片,ステンレス片では,5℃, 20℃の条件でmethicillin-sensitive S. aureus〔MSSA (ATCC 29213)〕, MRSA (ATCC 43300),医療施設の療養環境から分離されたMRSA〔環境由来MRSA(L1)〕のいずれの菌株も30日後に生存が認められた.綿布においてMSSA, MRSA,環境由来MRSA(L1)の菌株は,5℃, 20℃で15日後の生存が確認されたが,35℃ではいずれも7日後から生存は見られなかった.銅片,真鍮片において,5℃, 20℃, 35℃のMSSA, MRSA,環境由来MRSA(L1)は,いずれも試験菌の付着直後は生存が認められたが,乾燥直後の生存は見られなかった.これらのことからMRSAは,付着した材質の違いによって,生存期間が異なると考えられた. S. aureusは,付着する材質によっては,長期に生存するため,療養環境における器材や資材を介する接触伝播を阻止するために適切な消毒や清掃等を定期的に行う必要があると考えた.","PeriodicalId":445273,"journal":{"name":"Japanese Journal of Environmental Infections","volume":"26 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0,"publicationDate":"2011-04-15","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":null,"resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":"131320425","PeriodicalName":null,"FirstCategoryId":null,"ListUrlMain":null,"RegionNum":0,"RegionCategory":"","ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":"","EPubDate":null,"PubModel":null,"JCR":null,"JCRName":null,"Score":null,"Total":0}
引用次数: 1