Basal metabolism in various diseases.

T. Inouye, E. Katsura
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Abstract

1956年より1967年の12年間に基礎代謝を測定した各種疾患患者1,293例および正常健康者75例のBMR, RQの成績は次の通りであった。 (図6)1. BMR (1) 正常対照各例の基礎代謝量 (Cal. /m2・毎時) をBoothby & Sandifordの標準値8) を基準として算出したBMRの平均は-7.3%で日本人の標準値9) (表1) を基準としたBMRの平均は-0.6%であった。 この差異は先に井上11) が指摘した通りBoothby & Sandiford標準値が日本人標準値より高いことによるもので, BMR算出の基準値としては日本人の場合, 日本人標準値を用いるのがよいと考える。BMRの正常範囲については±10%, ±15%などの意見12) があるが, 日本人標準値を用いたBMRのM±2×SDが-11.8%-+10.6%の範囲を示したことより±10%を正常範囲とするのが妥当と考える。(2) 甲状腺機能亢進例においてBMRの分布はいずれも正常区分以上にみられ平均値が高値を示し, 機能低下例ではいずれも正常範囲以下に分布し平均値が低値を示していたことは従来の知見5) とよく一致し, 甲状腺機能に対するBMRの診断的価値を確認した。ただEuthyroidismと診断された223例のBMRの大半 (70%) は正常範囲にみられたが残りの30%が高値または低値を示した事実は, 本症の発生病理・病態についてさらに検索を要すると考える。(3) 甲状腺機能亢進症以外でBMRの平均値が正常範囲をこえて高値を示した疾患は白血病と心不全であった。白血病でBMRが亢進することはDuBois5) も記しており, Dameshek13) はこれをleukemic process自身の結果であろうと推論している。 本集計において正常範囲にある14%以外の症例がすべてそれ以上の区分に認められたことは極めて特異的であった。 心疾患においてBMRの高い場合, DuBois5) は全例に呼吸困難を認めたと記している。 本報告の症例では検査中とくにつよい呼吸困難はなかったがBMRの分布は白血病のそれと趣きを異にしていた。 これらの成績と文献より白血病と心疾患におけるBMR亢進の発現機序は基本的に異なるものと思考される。(4) 甲状腺機能低下以外でBMRの平均値が正常範囲以下の低値を示したのはるい痩であった。 Plaut14) は低栄養でBMRが低下することを報じ, 桂15) は戦後の栄養失調症でBMRが低値を示すことを指摘したが, 基礎疾患のない低栄養, 神経性食思不振症などによるるい痩においても基礎代謝量は低下しBMRは低値を示すことを認知した。(5) その他の大部分の疾患ではBMRの平均値は正常範囲にありその分布も半数以上が正常区分に存しその上下の区分にほぼ同数の出現率がみられた。 ただ貧血, 腎疾患, 消化器疾患では正常区分以下に正常区分以上よりやや多くの出現率があり, BMRの平均値も正常範囲内で比較的低値を示した。(6) 悪性増殖性疾患では白血病と同傾向の成績を期待したが, BMRが高値を示したのは約30%で, 大半 (約60%) は正常区分にみられ, 約10%は正常範囲以下の低値を示した。 これは腫瘍の性状や病期がいろいろであることに由来するとも考えられるが, 悪性増殖性疾患の場合の基礎代謝は局所の増殖性過程よりも全身の栄養状態につよく影響されることを推定した。2. RQRQは各疾患別に算術平均値で差異がみられても分布のばらつきが大きく, BMRのように各疾患において一定の傾向は指摘し得なかった。 これはRQが熱源栄養素の燃焼比のprofilとして表現されるため, 本集計のように疾患別に分けても各疾患にいろいろの病期があり同一疾患でも代謝相が異なるためこのような結果を来たしたものと考えられる。
各种疾病的基础代谢。
从1956年到1967年的12年间,测量基础代谢的1,293例各种疾病患者和75例正常健康者的BMR和RQ成绩如下所示。(图6)1. BMR(1)正常对照各例的基础代谢量(Cal. /m2·每小时)Boothby和Sandiford的标准值8)为基准计算的BMR平均值为-7.3%,日本人的标准值为9)(表1)为基准计算的BMR平均值为-0.6%。这一差异如井上11)所指出的,是Boothby & Sandiford标准值比日本人标准值高所致。作为BMR计算的标准值,日本人的情况是:我认为使用日本人标准值比较好。关于BMR的正常范围,有±10%、±15%等意见12),使用日本人标准值的BMR的M±2×SD表示-11.8%-+10.6%的范围,因此认为将±10%作为正常范围比较妥当。(2)甲状腺功能亢进例中BMR分布均在正常范围以上,平均值偏高,功能低下例中BMR分布均在正常范围以下,平均值偏低,这与以往的知识5)非常一致。确认了BMR对甲状腺功能的诊断价值。只是被诊断为Euthyroidism的223例BMR的大半(70%)被认为是正常范围,剩下的30%显示高或低的事实,对于本症的发生病理、病理需要进一步搜索。(3)除了甲状腺功能亢进症以外,BMR平均值超出正常范围的高值疾病还有白血病和心力衰竭。DuBois5)也记载了白血病导致BMR亢进,Dameshek13)推论这是leukemic process自身的结果。在本统计中,除正常范围的14%以外的病例都被认定为超出正常范围的病例,这是极为特殊的。在心脏病中BMR高的情况下,DuBois5)的所有病例都有呼吸困难的症状。本报告的病例在检查中没有出现特别强烈的呼吸困难,但是BMR的分布与白血病的情况不同。根据这些成绩和文献,白血病和心脏病的BMR亢进的表现机制基本上是不同的。(4)除甲状腺功能低下外,类瘦显示BMR平均值低于正常范围。Plaut14)报道了低营养导致BMR降低,桂15)指出战后营养失调症导致BMR低,但是没有基础疾病的低营养,神经性厌食症等导致的消瘦也会导致基础代谢量降低,BMR也会降低。(5)其他大部分疾病的BMR平均值在正常范围内,其分布也有半数以上存在于正常区间,其上下区间的出现率大致相同。但在贫血、肾脏疾病、消化系统疾病方面,正常区分以下的出现率比正常区分以上的出现率略高,BMR平均值也在正常范围内相对较低。(6)在恶性增生性疾病中,期望取得与白血病相同的成绩,但BMR显示出高值的约为30%,大部分(约60%)属于正常级别,约10%显示出低于正常范围的低值。这也被认为是肿瘤的性状和分期各种各样的事情的由来,不过,推测了恶性增生性疾病的情况的基础代谢比局部的增生性过程更受全身的营养状态的影响。RQRQ在各疾病的算术平均值上虽有差异,但分布的偏差较大,无法像BMR那样指出各疾病都有一定的倾向。这是因为RQ表现为热源营养素燃烧比的profil,所以即使像本统计那样按疾病分类,各疾病也有不同的分期,同一疾病的代谢相也不同,所以才会出现这样的结果。
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