K. Uchida, H. Yamaguchi
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Preclinical Therapeutic Evaluation of Agents for Treating Dermatophytosis
新規抗真菌剤を開発する際に臨床試験の成績を予知する上できわめて重要な前臨床試験について,ここでは皮膚真菌症治療薬の薬効評価に関する試験法の実際と問題点について述べる.In vitro抗真菌活性の測定は,従来から寒天平板希釈法により行われてきた.しかし,酵母様真菌に関しては,1995年に本学会標準化委員会により深在性真菌症治療薬を対象としたミクロ液体希釈法による標準法が提案された.本法の有用性についての最終的評価は今後の課題であるが,近い将来前臨床試験においても本法が採用されると予想される.一方,糸状菌の感受性試験の標準化については,未だ多数の問題が残されている.ここではミクロ液体希釈法の終末点判定に関し,白癬菌の抗真菌剤感受性測定を例として発光による菌体ATP量の測定と比色法による酸化還元色素の還元能に基づく測定法について実験成績を示した.皮膚真菌症治療薬の薬効評価のためのin vivo抗菌試験は,一般にモルモットを用いて作製した感染モデルが繁用されている.ここではTrichophyton mentagrophytesをモルモットの足底部皮膚に感染させて作製した足白癬モデルの有用性を治療効果と再発防止効果の両面から評価した成績を示した.とくに後者は臨床試験における効果のfollow-upを検討するためのモデル実験としての重要性を持つものと認識される.治療効果に関連する皮膚角質層における薬剤の貯留性と薬効の持続性の検討は,皮膚真菌症治療薬の評価に不可欠である.その薬剤動態解析のための試験法としては,in vitroにおける薬剤とケラチン親和性と動物モデルを用いた発症防止効果およびアイソトープ標識薬剤の皮膚内分布の測定があげられる.この感染局所組織内における薬剤動態の成績と薬剤の抗真菌活性から皮膚における治療効果をある程度予測することが可能である.以上の前臨床試験で高い評価を得た薬剤の多くは,その後の臨床試験においても有効性が確認されている.