{"title":"酶处理大米淀粉颗粒特性的变化","authors":"Y. Fukai, E. Takaki, S. Kobayashi","doi":"10.5458/JAG1972.40.263","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"米澱粉粒の高度利用を目的として,各種品種の米澱粉に各種酵素を加え,分解状態を観察し,澱粉粒の特性変化との関連性について検討し,以下の知見を得た. 1) 5品種の米澱粉にα-アミラーゼ,グルコアミラーゼ,β-アミラーゼをそれぞれ,30℃ にて作用させ,酵素分解性をみた.α-アミラーゼの分解性は,糯種のモチヒカリは粳4品種より高く,粳種間においては酵素分解性とタンパク質およびアミロース含量との相関は認められなかった.グルコアミラーゼでは,品種別の酵素分解性の差異はほとんど認められず,β-アミラーゼは精製酵素の原液を多量に添加したが微弱な分解に留まった. 2) 酵素分解米澱粉粒についてのSEM観察では,α-アミラーゼおよびグルコアミラーゼ分解の澱粉粒は,両酵素とも分解率が上昇するにつれて穴の数と大きさが増した.両酵素分解澱粉粒の差異は,穴の大きさはα-アミラーゼの方が大きく,高分解の比較においては澱粉粒の破壊が起こるのに対して,グルコアミラーゼでは澱粉粒の形態は維持されており,粒表面に微細で深い空洞を形成した.β-アミラーゼでは分解が微弱であり穴の数および大きさともごく小さかった. 3) 微量ビスコグラフを用いた物性の測定では,米澱粉粒をα-アミラーゼにより,酵素分解率で0.5~3.0%程度になるように処理したところ,酵素吸着量は0.1~1U/g程度であり,著しい粘度低下が認められ,品種にかかわらず物性改変の程度は一定していた.グルコアミラーゼおよびβ-アミラーゼ分解では,顕著な物性の変化は認められなかった.終わりに,本研究を遂行するにあたり機器についての借用およびご指導をいただいた,農林水産省食品総合研究所今井徹氏ならびに松倉潮氏,門間充氏,乙部和紀氏に厚く感謝致します.また,米試料の提供をいただいた全国農業協同組合連合会ならびに長野県経済事業農業協同組合連合会に御礼申し上げます.本研究の一部は,日本農芸化学会1992年度大会において口頭発表した.","PeriodicalId":17372,"journal":{"name":"Journal of the Japanese Society of Starch Science","volume":"160 1","pages":"263-269"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1993-08-31","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"3","resultStr":"{\"title\":\"Characteristic Change of Rice Starch Granules by Enzymatic Treatment\",\"authors\":\"Y. Fukai, E. Takaki, S. Kobayashi\",\"doi\":\"10.5458/JAG1972.40.263\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"米澱粉粒の高度利用を目的として,各種品種の米澱粉に各種酵素を加え,分解状態を観察し,澱粉粒の特性変化との関連性について検討し,以下の知見を得た. 1) 5品種の米澱粉にα-アミラーゼ,グルコアミラーゼ,β-アミラーゼをそれぞれ,30℃ にて作用させ,酵素分解性をみた.α-アミラーゼの分解性は,糯種のモチヒカリは粳4品種より高く,粳種間においては酵素分解性とタンパク質およびアミロース含量との相関は認められなかった.グルコアミラーゼでは,品種別の酵素分解性の差異はほとんど認められず,β-アミラーゼは精製酵素の原液を多量に添加したが微弱な分解に留まった. 2) 酵素分解米澱粉粒についてのSEM観察では,α-アミラーゼおよびグルコアミラーゼ分解の澱粉粒は,両酵素とも分解率が上昇するにつれて穴の数と大きさが増した.両酵素分解澱粉粒の差異は,穴の大きさはα-アミラーゼの方が大きく,高分解の比較においては澱粉粒の破壊が起こるのに対して,グルコアミラーゼでは澱粉粒の形態は維持されており,粒表面に微細で深い空洞を形成した.β-アミラーゼでは分解が微弱であり穴の数および大きさともごく小さかった. 3) 微量ビスコグラフを用いた物性の測定では,米澱粉粒をα-アミラーゼにより,酵素分解率で0.5~3.0%程度になるように処理したところ,酵素吸着量は0.1~1U/g程度であり,著しい粘度低下が認められ,品種にかかわらず物性改変の程度は一定していた.グルコアミラーゼおよびβ-アミラーゼ分解では,顕著な物性の変化は認められなかった.終わりに,本研究を遂行するにあたり機器についての借用およびご指導をいただいた,農林水産省食品総合研究所今井徹氏ならびに松倉潮氏,門間充氏,乙部和紀氏に厚く感謝致します.また,米試料の提供をいただいた全国農業協同組合連合会ならびに長野県経済事業農業協同組合連合会に御礼申し上げます.本研究の一部は,日本農芸化学会1992年度大会において口頭発表した.\",\"PeriodicalId\":17372,\"journal\":{\"name\":\"Journal of the Japanese Society of Starch Science\",\"volume\":\"160 1\",\"pages\":\"263-269\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1993-08-31\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"3\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Journal of the Japanese Society of Starch Science\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.5458/JAG1972.40.263\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of the Japanese Society of Starch Science","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5458/JAG1972.40.263","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}