{"title":"胃癌围手术期营养支持的重要性,减轻胃切除后的体重减轻,以提高生存率和患者满意度为目标。","authors":"博司 今村, 朋乃 川瀬, 喜智 柳本, 数基 小田切, 潤三 清水, 雅一 池永, 陽三 鈴木, 雅史 山下, 尚裕 冨田, 和宏 西川, 豊 木村","doi":"10.11638/jssmn.57.3_67","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"胃癌根治術後の体重減少は、術後合併症の発生のリスク因子になり、生存率を低下させる可能性が示されている。また、 II/III 期胃癌の標準治療は胃切除による根治手術+術後補助化学療法であるが、胃癌術後の体重減少は、術後補助療法の 治療継続性を阻害し、生存率を低下させる可能性が示されている。そこで、胃癌根治術後に栄養サポートを行うことで、 術後の体重減少を軽減することはできないか、また、術後補助化学療法の治療継続性を有意に向上させることができな いかについて、2 つの多施設共同の前向き臨床試験によって検討した。KSES-001 試験:【対象と方法】胃癌根治術の患者 100 例を通常栄養管理の対照群(47 例)と通常栄養管理に術後6~8 週間に300kcal/day の成分栄養剤を付加するED 群(53 例)にランダム割付した。主要評価項目は、術後6~8 週後の体重減少割合(%)とした。【結果】対照群、ED 群の体重減少割合は、それぞれ、6.60%、4.86% で、ED 群の方が有意に体重減少が軽減されていた(P=0.047)。OGSG- 1108 試験:【対象と方法】1 年間のS-1 による術後補助化学療法を予定されている胃癌術後患者に対して、少なくとも前 半の6 か月間は、300kcal/day の成分栄養剤を併用することで、S-1 の治療継続性が向上しないかについて、主要評価項 目をS-1 の治療完遂割合(S-1 が1 年間治療継続でき、かつ、RP 値が70% 以上であった患者の割合)として検討した。 1 年間のS-1 による術後補助化学療法の有効性を検証したACTS-GC 試験のS-1 投与群の治療完遂割合の56.6% を閾値 とした。【結果】S-1 の治療完遂割合は、69.0%(56.9%‐79.5% 95%CI)であり、成分栄養剤を併用することで、S-1 の治療継続性が向上する可能性が示唆された。【結語】胃癌周術期の栄養サポートによって、胃切除後の体重減少を軽減 し、術後補助化学療法の治療継続性が向上する可能性が示唆された。","PeriodicalId":472267,"journal":{"name":"Geka to taisha, eiyō","volume":"14 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2023-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"胃癌周術期における栄養サポートの重要性~胃切除後の 体重減少を軽減することで生存率と患者満足度向上を目指す~\",\"authors\":\"博司 今村, 朋乃 川瀬, 喜智 柳本, 数基 小田切, 潤三 清水, 雅一 池永, 陽三 鈴木, 雅史 山下, 尚裕 冨田, 和宏 西川, 豊 木村\",\"doi\":\"10.11638/jssmn.57.3_67\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"胃癌根治術後の体重減少は、術後合併症の発生のリスク因子になり、生存率を低下させる可能性が示されている。また、 II/III 期胃癌の標準治療は胃切除による根治手術+術後補助化学療法であるが、胃癌術後の体重減少は、術後補助療法の 治療継続性を阻害し、生存率を低下させる可能性が示されている。そこで、胃癌根治術後に栄養サポートを行うことで、 術後の体重減少を軽減することはできないか、また、術後補助化学療法の治療継続性を有意に向上させることができな いかについて、2 つの多施設共同の前向き臨床試験によって検討した。KSES-001 試験:【対象と方法】胃癌根治術の患者 100 例を通常栄養管理の対照群(47 例)と通常栄養管理に術後6~8 週間に300kcal/day の成分栄養剤を付加するED 群(53 例)にランダム割付した。主要評価項目は、術後6~8 週後の体重減少割合(%)とした。【結果】対照群、ED 群の体重減少割合は、それぞれ、6.60%、4.86% で、ED 群の方が有意に体重減少が軽減されていた(P=0.047)。OGSG- 1108 試験:【対象と方法】1 年間のS-1 による術後補助化学療法を予定されている胃癌術後患者に対して、少なくとも前 半の6 か月間は、300kcal/day の成分栄養剤を併用することで、S-1 の治療継続性が向上しないかについて、主要評価項 目をS-1 の治療完遂割合(S-1 が1 年間治療継続でき、かつ、RP 値が70% 以上であった患者の割合)として検討した。 1 年間のS-1 による術後補助化学療法の有効性を検証したACTS-GC 試験のS-1 投与群の治療完遂割合の56.6% を閾値 とした。【結果】S-1 の治療完遂割合は、69.0%(56.9%‐79.5% 95%CI)であり、成分栄養剤を併用することで、S-1 の治療継続性が向上する可能性が示唆された。【結語】胃癌周術期の栄養サポートによって、胃切除後の体重減少を軽減 し、術後補助化学療法の治療継続性が向上する可能性が示唆された。\",\"PeriodicalId\":472267,\"journal\":{\"name\":\"Geka to taisha, eiyō\",\"volume\":\"14 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2023-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Geka to taisha, eiyō\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11638/jssmn.57.3_67\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Geka to taisha, eiyō","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11638/jssmn.57.3_67","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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