{"title":"为了促进患者满意的术后恢复,食道癌围手术期的努力和成果","authors":"洋平 小澤, 宏史 岡本, 裕亮 谷山, 千晃 佐藤, 裕嵩 石田, 伸史 加藤, 純一 角掛, 亘 廣瀬, 康晴 篠崎, 忍 大沼, 倫明 海野, 尚 亀井","doi":"10.11638/jssmn.57.3_69","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"【はじめに】近年ERAS の普及に伴いほぼ全ての外科手術において術後回復の質が上昇している。一方食道癌では他の消 化器癌と比較し術前るい痩や嚥下機能の低下が著しい事が多く合併症のリスクも高いことから、長期入院が余儀なくさ れることも多いため術前から十分な説明を伴う事前の準備が重要である。【当院での取り組み】当院では食道癌患者に対 し術前化学療法(NAC)前からプレリハビリテーションとNST 介入を全例に施行している。また、入院時に嚥下機能の スクリーニングをおこない誤嚥のリスク評価をおこなっている。プレリハビリテーションでは術後の排痰指導や起き上 がり動作指導を通じて術後回復のイメージを促している。また、NAC 前後と術後にInBody を測定するほか、PMI 値で 骨格筋量を計測している。さらに栄養指標としてCONUT やプレアルブミンを用いて栄養状態をモニタリングしてい る。術後は全例に腸瘻を造設しICU からの早期離床と早期経腸栄養開始を意識した管理を行っているほか、退院までの 間に腸瘻使用の指導を行い徐々に患者主導の栄養管理へと切り替えるように心掛けている。【成果】2021 年1 月から 2022 年11 月の間に当科でNAC 後に胸腔鏡下食道切除・ロボット支援下食道切除を受けた食道癌患者39 名を対象と し術前治療中のPMI の推移を検討したところ、変化率は平均で+0.9% と僅かではあるが骨格筋量の増加を認めた。ま た、プレアルブミン値も平均13.8mg/dl の増加を認めた。術後肺炎の発生率は21% であったが、Grade IIIa 以上は1 例のみ(2.6%)であった。術後在院日数の中央値は18 日であり、全例が腸瘻の自己使用を覚えて退院していた。【考察・ 結語】NAC 期間中からのプレリハビリテーションと栄養評価による術後を見据えた取り組みは、NAC 期間中の骨格筋 量の減少を抑えるほか栄養状態の改善に寄与しており、ESSENSE が目指す患者満足度の高い術後回復と栄養摂取の早 期自立に寄与していると思われた。","PeriodicalId":472267,"journal":{"name":"Geka to taisha, eiyō","volume":"14 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2023-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"患者満足をともなった術後回復促進に向けて~食道癌周術 期の取り組みと成果~\",\"authors\":\"洋平 小澤, 宏史 岡本, 裕亮 谷山, 千晃 佐藤, 裕嵩 石田, 伸史 加藤, 純一 角掛, 亘 廣瀬, 康晴 篠崎, 忍 大沼, 倫明 海野, 尚 亀井\",\"doi\":\"10.11638/jssmn.57.3_69\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"【はじめに】近年ERAS の普及に伴いほぼ全ての外科手術において術後回復の質が上昇している。一方食道癌では他の消 化器癌と比較し術前るい痩や嚥下機能の低下が著しい事が多く合併症のリスクも高いことから、長期入院が余儀なくさ れることも多いため術前から十分な説明を伴う事前の準備が重要である。【当院での取り組み】当院では食道癌患者に対 し術前化学療法(NAC)前からプレリハビリテーションとNST 介入を全例に施行している。また、入院時に嚥下機能の スクリーニングをおこない誤嚥のリスク評価をおこなっている。プレリハビリテーションでは術後の排痰指導や起き上 がり動作指導を通じて術後回復のイメージを促している。また、NAC 前後と術後にInBody を測定するほか、PMI 値で 骨格筋量を計測している。さらに栄養指標としてCONUT やプレアルブミンを用いて栄養状態をモニタリングしてい る。術後は全例に腸瘻を造設しICU からの早期離床と早期経腸栄養開始を意識した管理を行っているほか、退院までの 間に腸瘻使用の指導を行い徐々に患者主導の栄養管理へと切り替えるように心掛けている。【成果】2021 年1 月から 2022 年11 月の間に当科でNAC 後に胸腔鏡下食道切除・ロボット支援下食道切除を受けた食道癌患者39 名を対象と し術前治療中のPMI の推移を検討したところ、変化率は平均で+0.9% と僅かではあるが骨格筋量の増加を認めた。ま た、プレアルブミン値も平均13.8mg/dl の増加を認めた。術後肺炎の発生率は21% であったが、Grade IIIa 以上は1 例のみ(2.6%)であった。術後在院日数の中央値は18 日であり、全例が腸瘻の自己使用を覚えて退院していた。【考察・ 結語】NAC 期間中からのプレリハビリテーションと栄養評価による術後を見据えた取り組みは、NAC 期間中の骨格筋 量の減少を抑えるほか栄養状態の改善に寄与しており、ESSENSE が目指す患者満足度の高い術後回復と栄養摂取の早 期自立に寄与していると思われた。\",\"PeriodicalId\":472267,\"journal\":{\"name\":\"Geka to taisha, eiyō\",\"volume\":\"14 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2023-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Geka to taisha, eiyō\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.11638/jssmn.57.3_69\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Geka to taisha, eiyō","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.11638/jssmn.57.3_69","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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