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{"title":"通过Interventional radiology和开腹手术的混合治疗得以救命的一例下腔静脉损伤(Hybrid therapy including Interventionalradiology and surgery for inferior vena cava injury: a case report)","authors":"河野 久美子, 中村 誠昌, 児玉 憲一, 白川 努, 村崎 岬, 増田 翔吾, 元濵 啓介","doi":"10.1002/jja2.12851","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"要旨 医療が発達した現代でも下大静脈の損傷は救命が難しい損傷の一つである。近年,下大静脈に血管閉塞バルーンを留置し血流量を減少させて修復術に臨む方法や,カバードステントを使用するなど,interventional radiology(IVR)を併用した静脈損傷修復術が報告されている。今回我々は,開腹術に大動脈遮断バルーンや塞栓術などのIVRを併用することで,良好な視野のもと出血量を最小限にとどめ,下大静脈損傷を直接修復できた症例について報告し,静脈損傷に対する治療方針について考察した。患者は50歳代の女性。軽自動車助手席乗車中に電柱に衝突し,当院救急外来へ搬送された。受診時の造影CTで右腎静脈の引き抜き損傷を疑う所見を認めた。第1病日にダメージコントロール目的で,モリソン窩および小腸腸間膜損傷部にガーゼパッキングを行った。第2病日,循環動態が不安定な状態が続いたため,血管造影を行ったところ下大静脈と右腎静脈が分岐する周辺の下大静脈損傷が疑われた。腹腔内にガーゼパッキングを追加したものの,循環維持が難しく,外科的止血術を行う方針とした。まず右腎動脈塞栓術と下大静脈の右腎静脈分岐部頭側および尾側に大動脈遮断バルーン,左腎動脈に動脈閉塞バルーンカテーテルを留置した。各バルーンを膨らませて下大静脈の血流を減少させ,良好な視野を確保したうえで下大静脈損傷部位を縫合した。その後は集中治療と外科的処置を要したが,第62病日軽快退院できた。","PeriodicalId":19447,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi","volume":"77 6","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2023-11-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Interventional radiologyと開腹手術のハイブリッド治療により救命し得た下大静脈損傷の1例(Hybrid therapy including interventional radiology and surgery for inferior vena cava injury: a case report)\",\"authors\":\"河野 久美子, 中村 誠昌, 児玉 憲一, 白川 努, 村崎 岬, 増田 翔吾, 元濵 啓介\",\"doi\":\"10.1002/jja2.12851\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"要旨 医療が発達した現代でも下大静脈の損傷は救命が難しい損傷の一つである。近年,下大静脈に血管閉塞バルーンを留置し血流量を減少させて修復術に臨む方法や,カバードステントを使用するなど,interventional radiology(IVR)を併用した静脈損傷修復術が報告されている。今回我々は,開腹術に大動脈遮断バルーンや塞栓術などのIVRを併用することで,良好な視野のもと出血量を最小限にとどめ,下大静脈損傷を直接修復できた症例について報告し,静脈損傷に対する治療方針について考察した。患者は50歳代の女性。軽自動車助手席乗車中に電柱に衝突し,当院救急外来へ搬送された。受診時の造影CTで右腎静脈の引き抜き損傷を疑う所見を認めた。第1病日にダメージコントロール目的で,モリソン窩および小腸腸間膜損傷部にガーゼパッキングを行った。第2病日,循環動態が不安定な状態が続いたため,血管造影を行ったところ下大静脈と右腎静脈が分岐する周辺の下大静脈損傷が疑われた。腹腔内にガーゼパッキングを追加したものの,循環維持が難しく,外科的止血術を行う方針とした。まず右腎動脈塞栓術と下大静脈の右腎静脈分岐部頭側および尾側に大動脈遮断バルーン,左腎動脈に動脈閉塞バルーンカテーテルを留置した。各バルーンを膨らませて下大静脈の血流を減少させ,良好な視野を確保したうえで下大静脈損傷部位を縫合した。その後は集中治療と外科的処置を要したが,第62病日軽快退院できた。\",\"PeriodicalId\":19447,\"journal\":{\"name\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi\",\"volume\":\"77 6\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2023-11-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.1002/jja2.12851\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12851","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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