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Profiling Analysis of Silane Coupling Agents by High Mass Accuracy MS n and Multivariate Statistical Technique
ゴムを分析対象物とした場合,大きく分けて二つの異な る視点により評価・解析が行われる.一つはゴムを材料/ 製品として捉えたマクロな視点であり,もう一つは高分子 化合物として捉えたミクロな視点である.前者では強度, 疲労限界,耐久性などの性能評価を目的とした引張り試験 や熱分析などが,後者では高分子構造や添加剤等に関する 解析を目的とした質量分析,分光分析などが用いられる. 近年,高分子材料中の添加剤分析には,手法としての簡 便性から様々な種類の質量分析装置が用いられている.他 の分析手法と比較して高感度で対象化合物を検出すること が可能な質量分析法は,微量成分を検出できるという点で 非常に有効であるが,多成分試料の測定では混在するそれ ぞれの成分相互のイオン化抑制効果のために比較的高濃度 で含有される成分だけが検出され,添加剤のような微量成 分は全く検出されないという現象が起こる.これを避ける ためには,多成分試料を前もって各種クロマトグラフで成 分ごとに分離しておくことが必須となる.この目的と豊富 な添加剤データベースが存在することから,従来,高分子 用添加剤分析にはガスクロマトグラフ/質量分析計(gas chromatograph/mass spectrometer:GC/MS)が広く用 いられてきた.しかしながら,化合物の揮発性が低く,分 子量が比較的大きい添加剤の種類が増えてきたことから, 最近ではGC/MSと併用して液体クロマトグラフ/質量分 析計(liquid chromatograph/mass spectrometer: LC/MS)を利用するケースが多く見られるようになって きた.中でも,データベースに登録されていない新規添加 剤や添加剤そのものの変性体などの未知試料の分析には, 精密質量測定が可能な飛行時間型質量分離部(time of flight:TOF)と,より詳細な構造情報を得るために多段 のMS/MS分析(MS)が可能な四重極型イオントラップ 質量分離部(quadrupole ion trap:QIT)を併せもつ高 速液体クロマトグラフ/イオントラップ飛行時間型質量分 析計(LC-QIT-TOFMS)が有益なツールとなる. 本報では,ゴム製品の例としてタイヤを挙げ,そのゴム 製造過程で用いられるシランカップリング剤のメーカー毎 中 島 宏 樹 ●総説特集 ものづくりを支えるゴム分析技術の進歩