T. Kondo
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引用次数: 5
Preparation of Single Cellulose Nanofibers Dispersed in Water Using Aqueous Counter Collision Method
ナノマテリアルは,基礎から応用に至るまで幅広い分野 で広く注目を集めている.特に,その比表面積の大きさに 起因する高い吸着力や強い相互作用力の発現が期待されて おり,この点に着目した材料創製が盛んに試みられている. 最近では,ナノマテリアルの応用分野は医療,環境,エレ クトロニクスなど多岐にわたっている. 一方,自然界においては,ナノサイズの物質を緻密に組 み上げることにより,生物の営みに必要な物性を有する構 造体が構築されている.代表的なナノサイズの物質(ビル ディングブロック)として,ナノファイバーが挙げられる. 例えば,植物細胞壁には,ミクロフィブリルと呼ばれる幅 約3 nmのセルロースナノファイバーが集合体となり,配 向しながら堆積しており,植物の幹や茎に高い強度を与え ている.また,甲殻類の外皮に多く存在するキチンは,カ ニの外皮の場合,幅約3 nmのキチンナノファイバーが集 積し,幅約60 nmのナノファイバーを形成する.さらに, このナノファイバーが集積し,約1 μmのファイバーとな り,このファイバーがさらに堆積することにより,外皮が 構築される.このように自然界では,ナノファイバーをビ ルディングブロックとして,水素結合やファンデルワール ス力による物理化学的な相互作用を介してファイバー同士 が集積し,構造構築されている例が多数見られる. これまでセルロース研究においては,ナノサイズのファ イバーとして,微結晶セルロース(最近では“セルロース ナノクリスタル”と呼ばれる)がよく用いられてきた.こ れは,マイクロサイズのセルロース繊維を硫酸で30°Cあ るいは40°Cで24時間処理することにより,非結晶部分を 加水分解して除いたものであり,重合度はほぼ一定で 200-250程度である.最近では,セルロースナノロッド やナノウィスカーと呼ぶこともある.1959年にMarches-