T. Noguchi, H. Ueki, Shigeki Inukai, Niihara Kenichi, Masaei Ito, K. Takeuchi, M. Endo
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Various Advanced Properties and Applications of Carbon Nanotubes/Rubber Composites
1. 1. カーボンナノチューブ複合材料 最近,著者らが開発し商品化した超過酷環境下で使用さ れるシール材が二つの意味で世界的に注目されている. 一つは,カーボンナノチューブ(CNT)が多量に使用さ れる複合材料分野で初めての大きな成果であること,つま り,CNTがようやくその優れた特徴を発揮して本格的に 応用への道が開かれたこと.第二に,CNTで補強したフ ッ素ゴム(FKM)で作ったシール材が石油業界に革命的 な影響を及ぼす可能性が出てきたことである. 1976年に遠藤らが始めてCCVD法でCNTを合成し, 飯島が1991年にその構造を世に知らしめて以来,CNT はフラーレンとともに,ナノカーボンの中心的素材と して注目を集めてきた.その特殊な構造と優れた性質は, 多数の論文とともに前報に示したのでここでは省略す るが,数nmから数十nmと言う極めて細くて長いチュー ブ状の繊維であるCNTは,束状のバンドル,また互いに 複雑に絡み合った凝集体であるため,CNT1本1本の特性, さらにはCNTが形成するナノ空間構造を制御,利用する ことが極めて困難であるため,その固有の優れた特徴を複 合材料として発現することが出来なかった.さらに, 高コストも相乗要因であろう.この性能発現の問題は,エ ラストマー・ゴム類,および樹脂,金属,セラミッ クスの一部については著者らが,ほぼ克服し,CNT1 本1本が分離した後形成する立体構造をセルレーションと 名づけて報告してきた.ここでは,石油探査・生産で威力 を発揮した複合材料の開発を中心にCNTを用いたゴムシ ール材の革新について概説する. 1. 2. 複合材料の石油分野などへの応用 わが国でゴムシール材が石油業界に革命をもたらすかも しれないと言うのは誰も想像できないに違いない.何故な ら,日本は石油を輸入するだけで,生産していないため最 も重要な資源である石油の探査・生産について全くの素人 であるためと思われる.にもかかわらず,人類はエネルギ ー以外に,工業の原材料,農業の肥料・農薬なども石油に