H. Uyama
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Current Status and Future Perspective of Research and Development on Bio-based Polymers
2011年3月11日の東日本大震災とその後の原発事故に より,エネルギー問題が社会的に大きくクローズアップさ れている.太陽電池,風力発電をはじめとする再生可能エ ネルギーの利用へのシフトは加速することは間違いない. また,この未曾有の出来事以前より地球温暖化問題が社会 的にクローズアップされるにつれ,循環型社会構築に向け た取組みとして,バイオマスを利用したエネルギーやプラ スチックの生産が注目されるようになった.これはバ イオマスが二酸化炭素を固定化したものであり,バイオマ スから作ったエネルギーや製品を使用・燃焼して二酸化炭 素を排出したとしても,地球上の二酸化炭素濃度が上昇し ないためである.これらのバイオマス由来のエネルギーや プラスチックはカーボンニュートラルと捉えられ,これら の利用は化石資源の枯渇対策としても重要である.バイオ マスプラスチックの開発においては,C2ベースであるオ イルリファイナリーと異なりC3~C6ベースの製品体系を 含んでおり,新しい基盤技術の構築が必要である. 環境に優しいプラスチックとして位置づけられるバイオ プラスチックは,再生が可能な有機資源を原料に社会的に 有用なプラスチックを持続的に作ることにより枯渇性の化 石資源の使用縮減に貢献するバイオマスプラスチック(入 口原料の有意性)と,微生物により分解するという機能の 特長から主には廃棄時の環境負荷低減が期待される生分解 性プラスチック(出口機能が鍵)に大別される. 現時点ではプラスチックの大半が石油由来であり,非生 分解性である(表1).わが国では1970年頃からの廃棄プ ラスチックの環境への悪影響の問題から,生分解性プラス チックの開発研究がスタートした.当時は炭素循環という 考えが一般的で無かったため,開発・上市された生分解性 プラスチックは石油由来のものと植物由来(バイオベース) のものに分かれる.バイオマスプラスチックは樹脂原料に 関わる分類であり,樹脂の物性・機能は問われない.ポリ 乳酸をはじめとしてバイオマスプラスチックの多くは生分 解性を示すが,後述するバイオポリエチレン(PE)やバ イオポリトリメチレンテレフタレート(PTT)のように 非生分解性のものもある.一方,生分解性は樹脂の機能に 関するものであり,生分解性プラスチックではその構成成 分が全て生分解性であることが必要である. 本稿ではバイオマスプラスチック(バイオベースポリマ ー)に関する研究開発の動向と筆者が検討してきた油脂ベ ースのポリマーに関する研究を紹介する.