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Change in Network Structures of Filled Rubbers in Mixing and Kneading Processes: —Discussion from the Viewpoint of Three Network Model—@@@-3網目モデルからの考察-
成形加工と言うと,よく引き合いに出されるのはプラス チックであろう.プラスチックとの対比でゴムを考えるこ とから始めてみよう.プラスチックもゴムも高分子物質で あり,たまたま,プラスチックはガラス転移温度が室温以 上にあり,ゴムは室温以下にあるという点が異なるだけで ある.しかし,これが決定的な差を生み出す.プラスチッ クはガラス状態あるいは結晶-ガラス混合状態で使われる ため,自己補強性があるので,簡単に言えば,高温の流動 状態で流し込んで成形し,室温付近まで冷やして,固くな ったところで取り出せばよいだけである.だから,プラス チックの成形加工シミュレーションは緩和時間を無視した 粘性体近似による流動シミュレーションでこと足りると思 われる.しかし,ゴム材料では,弾性可逆回復を持たせる ための加硫と,弾性率を高めるための補強性フィラー充塡 が欠かせない.架橋は成形後に導入すればよいので,ゴム 材料の成形加工を考える際には,先ずフィラーのことを考 えれば良いと思われる.フィラーの一次粒径は30 ~ 80 nm程度,カーボンブラックならさらに凝集して100 ~ 300 nm程度の二次粒子になっている.これを原料ゴムの 中に分散させることはかなり困難である.したがって,ゴ ムと補強性フィラーを混ぜるだけではだめで,フィラーを ゴム中に練り込む必要がある.この混練工程がゴム材料の 成形加工の第1ステップである.練り上がったフィラー充 塡ゴムは非常に高粘度で流動性が低く,加工しようと思え ば,加硫前なら押出しあるいはカレンダー操作になると思 われる. 混練後のゴムを見ると,実にシットリして黒光りしてお り,フィラーが均一分散しているように見える.しかし, 後に述べるように,非線形粘弾性と電気抵抗の同時測定 1) あるいは3D-TEM観察 によりフィラー接触網目が形成 されることが分かる.フィラー充塡ゴムは決して均一では