Y. Kamagata
{"title":"未培养微生物的培养及微生物网络分析","authors":"Y. Kamagata","doi":"10.3118/JJSE.6.74","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"(1) はじめに 難培養性微生物という言葉が微生物学の世界で広 く使われるようになったのはここ 10 数年のことで ある。しかし微生物学に携わる研究者はそれ以前に 培養できない微生物が数多く存在していることを何 も知らなかった訳ではない。どんな環境試料を顕微 鏡で観察して見ても、実に多様な形態や運動性を有 する微生物がそこに存在していることがわかる。し かし、これらの試料を寒天培地上に接種して出現す るコロニーを、一つ一つ、つぶさに観察してみたと しても限られた姿の微生物しか生育しておらず、も との試料に存在していたはずの”多様な微生物”が寒 天培地の上では忽然と姿を消してしまっていること に誰しも気づいていた。少なくとも 20 年前までの微 生物学であればここで話が終わってしまっていただ ろう。実際、培養できない(できなかった)微生物 とは一体何なのかを想像するすべもなかったからで ある。 しかし 1990 年代前半から微生物学は革命的な変 貌をとげた。20 世紀の最後から今日までの 10 数年 間は端的にいえば微生物を培養することなくその存 在や機能・性質の一端を明らかにすることができる ようになった時代である。その結果、これまでに知 られている微生物の種類は実際に地球上に存在する であろう微生物種のほんの一握りであること、そし て我々が研究のために扱ってきた微生物はもっぱら たやすく培養できる“特別”な微生物だったことが明 らかになった。とりわけ 16S rRNA 遺伝子配列の情 報蓄積がこれまでまったく知られていなかった膨大 な微生物群の存在を初めて我々に知らしめたのであ る。","PeriodicalId":204480,"journal":{"name":"Journal of Japanese Society for Extremophiles","volume":"4 1","pages":"0"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1900-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Cultivation of uncultured microbes and microbial network analysis\",\"authors\":\"Y. Kamagata\",\"doi\":\"10.3118/JJSE.6.74\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"(1) はじめに 難培養性微生物という言葉が微生物学の世界で広 く使われるようになったのはここ 10 数年のことで ある。しかし微生物学に携わる研究者はそれ以前に 培養できない微生物が数多く存在していることを何 も知らなかった訳ではない。どんな環境試料を顕微 鏡で観察して見ても、実に多様な形態や運動性を有 する微生物がそこに存在していることがわかる。し かし、これらの試料を寒天培地上に接種して出現す るコロニーを、一つ一つ、つぶさに観察してみたと しても限られた姿の微生物しか生育しておらず、も との試料に存在していたはずの”多様な微生物”が寒 天培地の上では忽然と姿を消してしまっていること に誰しも気づいていた。少なくとも 20 年前までの微 生物学であればここで話が終わってしまっていただ ろう。実際、培養できない(できなかった)微生物 とは一体何なのかを想像するすべもなかったからで ある。 しかし 1990 年代前半から微生物学は革命的な変 貌をとげた。20 世紀の最後から今日までの 10 数年 間は端的にいえば微生物を培養することなくその存 在や機能・性質の一端を明らかにすることができる ようになった時代である。その結果、これまでに知 られている微生物の種類は実際に地球上に存在する であろう微生物種のほんの一握りであること、そし て我々が研究のために扱ってきた微生物はもっぱら たやすく培養できる“特別”な微生物だったことが明 らかになった。とりわけ 16S rRNA 遺伝子配列の情 報蓄積がこれまでまったく知られていなかった膨大 な微生物群の存在を初めて我々に知らしめたのであ る。\",\"PeriodicalId\":204480,\"journal\":{\"name\":\"Journal of Japanese Society for Extremophiles\",\"volume\":\"4 1\",\"pages\":\"0\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"1900-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Journal of Japanese Society for Extremophiles\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.3118/JJSE.6.74\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of Japanese Society for Extremophiles","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.3118/JJSE.6.74","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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