再生可能資源からの高分子量ポリ- L -乳酸の工業的製造法開発

仁実 小原, 久嗣 奥山, 誠治 澤, 康宏 藤井, 檜山 圭一郎
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Abstract

本開発は,植物が生産する糖質という再生可能な資源を用い,はん用プラスチックとして使用できる物性を持った高分子量のポリ-L-乳酸を工業的に製造する方法に関するものである.フィルムや繊維などで延伸配向の効果を出すためには結晶性の高いポリ-L-乳酸が必要である.そのためには光学純度の高いL-乳酸が原料として必要である.また,ポリ-L-乳酸を安価なはん用プラスチックとして普及させるためには原料も安価でなければならない.そこで栄養要求性の低いBacillus属を用い光学純度99.0%のL-乳酸を製造する技術を開発した.L-乳酸からポリ-L-乳酸を工業的に合成する工程として,脱水縮合によって合成したプレポリマーから分子内エステル交換反応によって中間原料であるLL-ジラクチドを合成する方法を開発した.まず,LL-ジラクチドの収率を向上させるため乳酸の直鎖1–3量体を全還流させながら脱水縮合を行い,さらにL-乳酸のラセミ化を防止するため反応器温度を135,150,160 °Cと三段階に上昇させる方法を開発した.検討したLL-ジラクチドを合成するための触媒の中では2-エチルヘキサン酸スズが最も活性が高く,かつ得られたLL-ジラクチドの光学純度も高かった.高分子量のポリ乳酸を製造するためには,LL-ジラクチドの純度を上げねばならない.LL-ジラクチドの精製法として環境への負荷を考慮して無溶剤の溶融晶析法を開発した.LL-ジラクチドの開環重合は無溶剤で連続的に行い,重量平均分子量18–20万のポリ-L-乳酸が得られた.また,本研究では得られたポリ乳酸の物性を明らかにするとともに,コンポスト中での分解挙動を調べた.
再生可能資源からの高分子量ポリ- L -乳酸の工業的製造法開発
本次开发涉及利用植物生产的糖类这种可再生资源,在工业上制造具有可作为反塑料使用物性的高分子量聚L-乳酸的方法。为了在胶片和纤维等中产生延伸定向的效果,结晶性高的聚L-乳酸是必要的。为此需要光学纯度高的L-乳酸作为原料。另外,为了使聚L-乳酸作为廉价的反塑料普及,原料也必须便宜。因此开发了利用营养要求低的Bacillus属制造光学纯度99.0%的L-乳酸的技术。作为工业上从L-乳酸合成聚L-乳酸的工程,开发了从脱水缩合合成的预聚合物通过分子内酯交换反应合成中间原料L-二乳糖的方法。首先,为了提高L-二乳糖的收率,使乳酸的直链1 - 3聚体全回流,同时进行脱水缩合,为了防止L-乳酸的外消旋化,将反应器温度提高到135,150,开发了将温度上升到160°C三个阶段的方法。在研究的用于合成LL-二乳糖的催化剂中,2-乙基己二酸锡的活性最高,而且得到的LL-二乳糖的光学纯度也很高。为了制造高分子量的聚乳酸,必须提高LL-二酸的纯度。考虑到对环境的负担,开发了无溶剂的熔融晶析法作为LL-二乳糖的提纯法。LL-二内酯的开环聚合在无溶剂的情况下连续进行,得到平均重量分子量为18 - 20万的聚L-乳酸。另外,本研究在阐明得到的聚乳酸的物性的同时,还调查了其在堆垛中的分解行为。
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