{"title":"On the Hematogenous Spread of Candida albicans from the Lung","authors":"J. Cui, Rui Zhao, M. Hotchi","doi":"10.3314/JJMM.36.223","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"播種性カンジダ症における肺からの血行性伝播の機序を明らかにするため,各種処置を施したマウスに経気道的にCandida albicansを接種して病理組織学的に検討した.ICR及びBALB/cマウスを用い,抗癌剤と副腎皮質ホルモンを腹腔内に4日間投与して,末梢白血球数を4,000/mm3以下とした.C.albicansの生菌2×106個を気管より肺内に接種した.対照動物では全身播種は起こらなかったが,薬物処理マウスでは2日目より血行性播種が観察された.肺では径50μm以下の血管内に侵入した菌体は線維素性血栓で包まれ,血行性播種には至らなかったが,径50μm以上の静脈内に侵入した菌体は全身播種を生じ,マウスの感染死をもたらした.真菌の血管内侵入は肺胞壁と血管壁を直接貫通して行われた.また,I型肺胞上皮が積極的に細胞質突起を出して,真菌を取り囲む像も観察された.上述の薬物処理マウスに生菌を接種した後,ヘパリンを静注すると,真菌の全身播種と感染死の頻度が増加した.予め同種マウスで作られた抗カンジダ抗体を連日静注しておくと,末梢白血球数の上昇が観察され,肺における白血球の浸潤も顕著となり,真菌の全身播種と感染死の頻度が減少した,以上の結果から,C.albicansの肺からの血行性播種には,肺に予め特別な処置をしない場合,ある程度の全身的な生体防御能の低下,特に白血球の減少が必要であり,肺内のやや太い静脈内に真菌が侵入すると血行性播種が起こることが明らかになった.また,血液凝固能やカンジダに対する抗体の存在などが血行性播種に深く関わっていることが示唆された.","PeriodicalId":19301,"journal":{"name":"Nippon Ishinkin Gakkai Zasshi","volume":"23 1","pages":"223-228"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"1995-07-31","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nippon Ishinkin Gakkai Zasshi","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.3314/JJMM.36.223","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}