Masanao Orihara, Suminori Tanaka, Sigeo Kawakami, K. Nakagawa, Masahiro Kato, S. Sugiyama, T. Moriga, I. Nakabayashi
{"title":"Effects of Sulfate Ion on Crystal Structure and Activity for Methane Oxidation of Iron Oxide Prepared from Goethite.","authors":"Masanao Orihara, Suminori Tanaka, Sigeo Kawakami, K. Nakagawa, Masahiro Kato, S. Sugiyama, T. Moriga, I. Nakabayashi","doi":"10.1246/NIKKASHI.2002.11","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"ゲータイト(α-FeO(OH))を前駆物質として合成した酸化鉄を用いてメタン酸化活性試験を行った.ゲータイトは水酸化ナトリウム水溶液と硫酸鉄水溶液を混合した懸濁液の空気酸化により調製され,その熱分解により酸化鉄を得た.酸化鉄によるメタン酸化活性は硫酸イオンの存在で抑制されることがわかった.そこで,ゲータイトを硫酸に浸漬してその表面に硫酸イオン(SO42−)を存在させ,残存した硫酸イオンがゲータイトから調製された酸化鉄の結晶構造とメタン酸化活性に及ぼす影響について詳しく検討した.その結果,硫酸イオンは250 °C付近で起こるゲータイトからヘマタイト(α-Fe2O3)への相転移温度を約30 °C高温側へシフトさせることが明らかになった.また,この硫酸イオンは鉄原子に電子を供与して鉄の酸化力を減少させ,300 °Cから500 °Cの温度範囲においてメタン酸化活性を低下させ,かつメタンの部分酸化を引き起こす.さらに硫酸イオンによって,相転移して生成したヘマタイト中に多くの格子欠陥が存在し,(113l)(l : 0,1,2)面に代表される鉄原子の並びに関係する特定の面以外,すなわち酸素が関与する原子配列を乱すことがわかった.硫酸処理されたゲータイトから得られたヘマタイトを触媒として,550 °C以上でメタン酸化活性試験を行ったところ,硫酸処理なしのゲータイトから得られたヘマタイトよりも高活性であった.550 °C以上の温度においてヘマタイト表面の硫酸イオンは脱離するが,硫酸イオンによってもたらされたヘマタイトの格子欠陥は残り,この格子欠陥が高活性の要因であると考えられる.","PeriodicalId":19311,"journal":{"name":"Nippon Kagaku Kaishi","volume":"1 1","pages":"11-18"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2002-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"3","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nippon Kagaku Kaishi","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1246/NIKKASHI.2002.11","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}