非安定化型アゾメチンイリド—メタンイミニオアニリノ(メチルチオ)メチリド—の1,3-双極付加環化反応における配向選択性の理論的解析

乙彦 柘植, 泰三 八田, 朋子 大戸, 賢一 染川
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Abstract

非安定型ジ置換アゾメチンイリド1aと不飽和化合物(2–4)との1,3-双極付加環化反応は,各々唯一の付加配向の生成物を与える.その配向選択性はフロンティア分子軌道(FMO)法では説明できず,遷移状態(TS)解析を行いその活性化エネルギーの差からはじめて説明できた.FMO法では1aの置換サイトと2–4の電子不足サイトとの結合による配向が示唆されるが,そのTSでは二つの反応点間距離は等しく,一方実験結果に一致する配向のTSでは二つの反応点間距離は大きく異なり,反応が段階的で,非置換サイトの関与する距離は1.9から2.1 A程度と短く,したがってより小さい活性化エネルギーとなったと判断される.この現象は,1aにおいてかさ高い2個の置換基がお互いに同一平面に存在しえない立体的な効果に帰因するものと思われる.すなわち1,3-双極子の置換基の立体障害がTSを非対称にし,反応を二段階的に変化させ,活性化エネルギーが低くなったと推定される.
非稳定型偶氮偶胺-甲基硫代甲基胺- 1,3-双极加成环化反应中定向选择性的理论分析
非稳定型二取代偶氮偶蛋白铱1a与不饱和化合物(2 - 4)的1,3-双极加成环化反应分别提供唯一加成取向的生成物。其定向选择性无法用前沿分子轨道(FMO)法解释,必须通过过渡态(TS)分析,从其活化能的差异开始解释。FMO法通过1a的置换位点和2 - 4的缺电子位点的结合来实现定向,但TS中两个反应点间的距离相等,而定向与实验结果一致的TS中两个反应点间的距离却大不相同。反应是阶段性的,非置换位点参与的距离只有1.9 ~ 2.1 A左右,因此可以判断为活化能更小。这种现象被认为是由于在1a中较高的2个取代基彼此不存在于同一平面上的立体效果所致。也就是说,1,3-偶极取代基的立体故障导致TS不对称,反应分两步变化,活化能降低。
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