{"title":"Globalization of food and the crisis of the Japanese dietary habits","authors":"Akio Shibata","doi":"10.2740/jisdh.30.4_145","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"「食」という財には,1絶対的な必需品(不足すれば 飢餓問題に発展),2食品の飽和性(消費能力に限界), 3安全性,4生鮮性,5習慣性(幼少時代の味は忘れら れない)という 5つの特徴がある。食品の飽和性という 点では,民俗学者の宮本常一は,『食生活雑考』(未来社) の中で,われわれの食生活の変遷には,「変わる部分と 変わらぬ部分の 2つがある」と指摘。江戸時代,秋田県 男鹿半島の寒風山麓で百姓をしていた人物や喜界島の住 民の日誌から,彼らの食生活が一日2,200~2,700キロカ ロリーのところに止まっていたことに気づく。「その変 わらないものは,何がそれを変えないで今日までずっと 伝えさせて来たか。そういう力はどういうものか」と考 え,「風土が非常に大きな力をもっていた」とみる。 国際商品として食糧(穀物)をみる上では,1と2が 重要である。世界の食糧市場の安定のためには,「絶対 的な必需品」と「飽和性」としての食糧の間で,需給が バランスすることが重要だ。しかし,市場メカニズムの 下ではそのバランスは容易ではない。不足するとみれば 投機マネーによって価格は高騰し,供給過剰とみれば価 格は急落する。逆に,食糧はわずかな需給バランスの変 化でも価格が乱高下する。それ故,食糧は国際市況商品 (commodity)と称され,投機マネーの対象となるので ある。","PeriodicalId":14708,"journal":{"name":"Journal for The Integrated Study of Dietary Habits","volume":"145 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2020-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":null,"platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal for The Integrated Study of Dietary Habits","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2740/jisdh.30.4_145","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}