Attempt to set the reference value for the clinical stabilometry with a sampling frequency of 100Hz

Abstract

わが国の重心動揺計検査は,一般的にフォースプ レートの出力を 20 Hzでサンプリングするのが暗黙 の前提になっている。しかし 100 Hzサンプリング に比べて,外周面積の精度低下などいくつかの問題 がある。また諸外国で使用されるような解析を 加えようとすると,50 Hz~100 Hzサンプリングデ ータが必要になる。われわれは 100 Hzサンプリン グの検査を行いたく環境整備,解析ソフトの作成を 行ってきた。しかし 20 Hzサンプリングのように 基準値として参照できる報告がないので,実際 の診療では利用しにくかった。以上の理由により健 常成人365名の 100 Hzサンプリングデータの収集を 行った。これをもとに重心動揺検査の基本的な検査 項目の基準値案を提示する。 対象と方法 本研究は,ヘルシンキ宣言ならびに文部科学省・ 厚生労働省が定める「人を対象とする医学系研究に 関する倫理指針」などの倫理指針を遵守するととも に,研究内容を被験者に充分説明し内容に応じて書 面で同意を得た。また研究名称「重心動揺検査の精 度向上のための研究」として臨床・疫学研究に関す る富山大学倫理審査委員会の承認(臨29―155)のも とに行った。 重心動揺計はユニメック社(東京都府中市府中町 3―3―9)の UM-HSTBを使用した。データ解析 用ソフトウェアについては本学会誌で報告したよ うに,Microsoft Excelのブック形式で自作した。 フォースプレートの出力電圧を 100 Hzでコンピュ ータに取り込んだのちに,テキスト形式でエクセル シートに貼り付け,その後は自動で解析が行われ る。解析項目は,外周面積,実効値面積,矩形面 In order to set a draft reference value for clinical stabilometry by 100 Hz sampling, we collected and reported the data of 365 healthy subjects. The subjects were divided into 7 ten-year age groups, from the 20 s to the 70 s, and a group of over 80. As a draft reference value, we thought that it might be reasonable to use the mean ±2×standard deviation and the 95 th percentile/5 th percentile together. In this analysis, mixed gender data were used, as, based on the results of statistical analysis, we considered that the reference value could be used as a standard value for both men and women. 原 著