自宅浴槽で受傷した高齢者熱傷

Shoko FURUSHO, Yosuke KUBO, Yuichiro YOSHINO
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Abstract

現代の日本では,高齢化や核家族化で独居の高齢者や高齢者のみの家庭が増加している。今回,93 歳女性の浴槽での熱傷の症例を経験した。ADL が自立していた患者であったが,熱傷を契機に,全身状態が悪化し不幸な転帰をたどった。この症例より浴槽での熱傷の危険性を痛感し,当院での過去 5 年間の症例を検討した。当院で入院加療を行った 65 歳以上の浴槽での受傷例 10 例を対象とし,後ろ向きに検討した。ほとんどがⅡ度熱傷であったが,8 例で手術が必要であった。基礎疾患は数多く認めたが ADL は全例自立していた。転帰は死亡例が 2 例,残り 8 例はリハビリテーションや介護が必要な状態で転院となった。また,浴槽での熱傷は褥瘡の好発部位と類似するため治療経過で褥瘡を形成した 3 例についても検討した。10 例の検討により,浴槽での熱傷は治療に難渋することが多く,ADL の回復が極めて難しいことが分かった。浴槽での熱傷は本人からの聴取のみしか現場での詳細が不明なことが多く,時に高齢者では受傷起点がはっきりしないことが多い。如何に受傷を減らせるかについて検討した文献や報告は少ない。今回の検討では給湯器や水栓の誤操作が目立ったことから,高齢者の浴槽での事故を防ぐためには,浴室環境を整えること,「高齢者見守りツール」の活用や,行政や社会福祉施設を利用した環境調整が大事であると考えた。皮膚科医の視点から,浴槽での受傷を減らすための啓発について考察した。
在自家浴池受伤的高龄者灼伤
在现代日本,由于高龄化和小家庭化,独居的高龄者和只有高龄者的家庭正在增加。这次,经历了93岁女性的浴池灼伤的病例。ADL自立的患者,因受了灼伤,全身状况恶化,不幸转归。从这个病例深切地感受到了在浴池中灼伤的危险性,检讨了本院过去5年的病例。以在本院进行住院治疗的65岁以上的浴池中受伤害的10例为对象,进行了向后讨论。几乎有ii度烧伤,8例手术的需要。虽然承认了很多基础疾病,但ADL都是独立的。死亡者转归2例,其余8例在需要康复和护理的状态下转院。另外,由于在浴池中的热伤与褥疮的好发部位类似,所以对经过治疗形成褥疮的3例也进行了讨论。根据10例的讨论,在浴缸里的灼伤在治疗上有很多困难,ADL的恢复非常困难。在浴池里的灼伤,只从本人那里听来,现场的详细情况不明的情况很多,有时老年人受伤的起点不清楚的情况很多。关于如何减少受伤害的研究文献和报告很少。在此次讨论中,由于误操作热水器和水栓的问题比较突出,为了防止老年人在浴池发生事故,需要整理浴室环境,灵活使用“看护老人工具”;他认为利用行政和社会福利设施进行环境调整是非常重要的。从皮肤科医生的视点出发,考察了关于减少在浴池中受伤的启发。
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