消化管代謝から見た食餌グルタミン酸の栄養素としての役割

英寛 中村
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Abstract

タンパク質を構成するアミノ酸は、体内で合成ができない不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)と体内で合成可能な可欠ア ミノ酸(非必須アミノ酸)に大きく分けられる。不可欠アミノ酸は体内で必要量の合成ができないため、外界からの摂 取が必須であり、実際に不可欠アミノ酸を一つでも除いた食餌を摂取すると、その血中濃度は顕著に低下し成長が抑制 される。そのため、人においても食餌から摂取すべき必要量が設定されており、摂取することが必須な栄養素であると いう認識が確立されている。では、一方の不可欠アミノ酸は外界からの摂取が「必須に非ず」の栄養素なのだろうか。 我々は、食餌や母乳中に最も多く含まれるアミノ酸の一つであるグルタミン酸に着目し、Caco-2 細胞を用いた消化管単 層上皮細胞モデル等の評価系を用い、グルタミン酸の消化管における代謝を定量的に解析した。その結果、食餌として 摂取したグルタミン酸は速やかに消化管に吸収されるが、門脈側に放出される割合は少なく、大部分の炭素骨格がエネ ルギー源として用いられることを定量的に明らかにした。また、消化管はアラニンやシトルリン、オルニチン、プロリ ンといったアミノ酸の産生臓器として重要であるが、食餌グルタミン酸窒素がそれらアミノ酸産生に対する窒素供給源 としても重要な役割を果たしていることを示した。これらの結果は、栄養素としてグルタミン酸を摂取する意義を示唆 するものである。また、過去の報告から、体内で産生され、血中濃度が最も高いアミノ酸の一つであるグルタミンの経 腸投与が、重症患者の予後に有益である可能性も知られている。本発表では、消化管代謝の観点からグルタミン酸とグ ルタミンを比較する形でも考察を深める予定である。
从消化管代谢来看,食物中谷氨酸作为营养素的作用
构成蛋白质的氨基酸可以分为两种,一种是体内不能合成的不可缺少的氨基酸(必需氨基酸),另一种是体内可以合成的不可缺少的氨基酸(非必需氨基酸)。由于不可缺少的氨基酸在体内不能合成需要量,所以必须从外界摄取。实际上,即使摄取了一种不可缺少的氨基酸,在血液中的浓度也会显著降低,抑制生长。因此,人类也设定了从食物中摄取的需要量,确立了摄取是必须的营养素的认识。那么,不可缺少的氨基酸是从外界摄取的“非必需”营养素吗?我们着眼于食物和母乳中含量最多的氨基酸之一谷氨酸,使用Caco-2细胞的消化管单利用上皮细胞模型等评价系统,定量分析了谷氨酸在消化管内的代谢。结果表明,作为食物摄取的谷氨酸迅速被消化管吸收,但是向门静脉释放的比率很少,大部分的碳骨架被用作能源。另外,消化管作为产生丙氨酸、瓜氨酸、鸟氨酸、丙氨酸等氨基酸的器官非常重要,而食物中的谷氨酸氮是产生这些氨基酸的氮供给源。也起到了重要的作用。这些结果提示了摄取谷氨酸作为营养素的意义。另外,从过去的报告来看,在体内产生的、血液中浓度最高的氨基酸之一谷氨酰胺的经肠注射,可能对重症患者的预后有益。在本发表中,从消化管代谢的观点比较谷氨酸和谷胺的形式也将深入考察。
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