Long-Term Fluctuation of Populations of Kanzawa Spider Mite, Tetranychus kanzawai Kishida, in Commercial Tea Fields for Last Thirty Years in Shizuoka Prefecture, Japan

Abstract

カンザ ワハ ダニTetranychuskanzawai Kishidaは,古 くか らチャを加害する重要害 虫で,茶 農家か らは俗に 「赤ダニ」 と呼ばれ 恐れ られている難防除害虫である1)。静岡県 では,年 間の防除体系の中でカンザワハダニ を対象とした薬剤散布が3月 上中旬,4月 の 一番茶芽生育期 ,5月 中旬の一番摘採後に実 施されることが多い。カンザワハダニに対す る殺 ダニ剤の年間散布回数は,1986年 から 1995年 における静岡県中部病害虫防除所の調 査 によると延べ3.4~4.6回 であ り,年 間散布 回数の最 も多い害虫の一つであった2bカ ン ザワハダニの年間発生パ ターンは,静 岡県で は4~5月 の春 と秋の二山型,あ るいは6~ 7月 の一山型の発生消長を示すとされていた が,近 年は5月 下旬の一山型を示すパター ン が多 くなっている3川。 また,'最 近10年 ほど はカンザワハダニによる一番茶や二番茶の被 害の発生事例は少な く,か つてはチャ栽培 に おける第一級の害虫として農家か ら警戒 され ていた本害虫 も,近 年,難 防除害虫 となって 問題化 しているクワシロカイガラムシやハマ キムシに比べて害虫としての重要度がやや低 下しつつあった。 ところが,2004年 と2005年 は,静 岡県内の各地で近年では珍 しいほどの 多発生とな り,一 番茶あるいは二番茶で本虫