Macroscopic analysis on stock management through control system theory

Abstract

社会基盤ストックの維持管理においては，合理的かつ効率的なストックマネジメントが求められる．しかし，検査・補修の長期時系列データが完備された形では整備されておらず，維持管理による効果の評価は，仮定に基づく予測に大きく依存せざるを得ない．そこで，本研究では，システム理論を用いて，劣化ストックを低減するためのフィードバック制御としてストックマネジメントを捉えてマクロ的にモデル化し，断片的ながら存在する既存統計にも適用可能なモデルを構築した．次いで，既存統計を利用してシステムパラメータを同定し，維持管理費と劣化ストックの全体ストックに対する比の関係を明らかにした．さらに，これらの結果に基づいて，維持管理水準のマクロ的推定・評価や，維持管理投資効果，投資水準設定に関する考察を行い，有用な知見を得た．