Study on Cis-trans Isomerization in Diene Rubbers during Vulcanization
Koya Yoshimoto, Masayoshi Ito
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Abstract
天然ゴムやブタジエンゴムなど,分子中に多数の二重結 合を有するジエンゴムは,加硫反応によって高分子鎖間に 架橋構造を形成し,ゴム弾性体としての特性を高めること によって材料として使用される.この加硫反応は, Goodyearによる世紀の大発見に始まり,加硫促進剤,加 硫促進助剤の開発など,飛躍的な進歩を遂げてきた.しか し,加硫反応は複雑であり, その機構はまだ完全には理解 されていない. 加硫反応の解明を困難とする一因として,副反応の存在 を挙げることができる.ジエンゴムでは,加硫反応時 cis1,4構造の一部が trans-1,4構造に変化する,シス-トランス 異性化反応が認められる.そのため,副反応であるシストランス異性化反応を抑制することは,加硫反応を解明し ていく上で重要な課題であると考えられる. シス-トランス異性化反応はまた,ジエンゴムの物性に も影響を与える.ジエンゴム分子中のシス構造とトランス 構造の含有量は,ジエンゴムの性質を左右する重要な要素 である.Cis-1,4-イソプレン単位が繰り返し連なった構造 を有する天然ゴムは,エントロピー弾性体であるのに対し, trans-1,4-イソプレン単位が繰り返し連なった構造のガタパ ーチャは,エネルギー弾性体としての性質を有する熱可塑 性樹脂であり,シス構造とトランス構造の含有量により, 弾性体としての性質が大きく変化する.そのため,シストランス異性化反応の進行により,trans-1,4構造量が増加 することは,ジエンゴムの最大の特徴であるエントロピー 弾性という性質を消失させる可能性が高い.したがって, 加硫反応に並行して進行するシス-トランス異性化反応を 抑制することは,ジエンゴムの特質を保ちながら架橋構造 を形成させることを可能とし,ジエンゴムの更なる高性能 化につながると考えられる. Golubは,ジエンゴムのシス-トランス異性化反応が,ラ ジカルによる触媒反応によって引き起こされることを報告 している.Bishopは,加硫反応過程におけるシス-トラ ンス異性化反応が,硫黄によって引き起こされる反応であ ること,この反応が加硫温度や加硫時間に影響されること を報告している.しかし,実際の加硫反応には,加硫促 進剤や加硫促進助剤が併用されるため,これらの影響も考 慮に入れて議論する必要があるが,これについては十分な 検討がなされていない. 本研究は,加硫反応に併用される加硫促進剤及び加硫促 進助剤が,ジエンゴムのシス-トランス異性化反応に及ぼ す影響について検討することを目的とした.
硫化过程中二烯橡胶顺反异构化的研究
天然橡胶和丁二烯橡胶等分子中具有大量双结合的二烯橡胶,通过硫化反应在高分子链间形成架桥结构,从而提高橡胶弹性的特性。硫化反应始于Goodyear的世纪大发现,此后硫化促进剂、硫化促进助剂等的开发取得了飞跃性的进步。但是,硫化反应很复杂,那个机构还没有被完全理解。副反应的存在是硫化反应难以解释的原因之一。在二烯橡胶中,硫化反应时cis1,4结构的一部分转变为trans-1,4结构,顺式转式异构化反应被认可。因此,抑制副反应顺式异构化反应是阐明硫化反应的重要课题。顺式异构化反应还对双烯橡胶的物性产生影响。二烯橡胶分子中顺式结构和反式结构的含量是左右二烯橡胶性质的重要因素。Cis-1,4-异戊二烯单位重复连接的结构的天然橡胶是熵弹性体,trans-1,4-异戊二烯单位重复连接结构的型帕茶是具有能量弹性性质的热塑性树脂,根据顺式结构和转式结构的含量,作为弹性体的性质会发生很大的变化。因此,顺式异构化反应的进行会使trans-1,4结构量增加,这是二甲苯橡胶最大的特点,即熵使弹性这一性质消失的可能性很高,因此,抑制与硫化反应同时进行的顺转异构化反应,可以在保持双烯橡胶特性的同时形成交联结构,从而进一步提高双烯橡胶的性能。Golub报告说二烯橡胶的顺转异构化反应是由拉氏催化反应引起的。Bishop是硫化反应过程中的顺转反应报告指出,斯异构化反应是由硫引起的反应,该反应受硫化温度和硫化时间的影响。但是,实际的硫化反应中,硫化促由于同时使用进剂和硫化促进助剂,所以有必要考虑这些影响进行讨论,但对此还没有进行充分的讨论。本研究的目的是探讨在硫化反应中并用的硫化促进剂及硫化促进助剂对二烯橡胶的顺转异构化反应产生的影响。
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