分子电子结构和电子激发动力学的x射线和电子散射研究

Noboru Watanabe
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摘要

【序】分子的性质大多受到存在于其中的电子的运动的强烈支配。HOMO(最高被占据轨道)和LUMO(最低空轨道)等个别分子轨道的形状决定了分子的反应性,这是前沿轨道理论明确指出的,另外,由库仑斥力引起的电子间的运动相关(电子相关)经常显著地影响各种物性的表现。由于电子运动在论述分子的性质上的重要性,对其详细的理解成为分子科学的中心课题。特别是基于光谱学方法的电子状态研究十分活跃,报告了许多研究成果。但是,关于分子的能级,虽然通过光谱研究积累了庞大的知识,但是关于各个分子轨道的形状,电子相关的起源——电子之间的相互排斥,要想通过实验观测到这些情况,不仅需要激发能和离子化能等“能量”,还需要追加一些实验参数。因为仅凭状态的能量值,无法得知电子的分布及其运动相关性。在此,我们考虑一下X射线和高速电子因与分子碰撞而散射的过程。这样就会发现,随着从入射X射线(电子线)向目标分子的能量转移,还会发生散射前后的动量变化,因此不仅是“能量”,连“动量”也是规定现象的参数。也就是说,根据X射线和电子线的散射实验,从散射截面积的动量依赖性这一观点也可以讨论目标电子结构。在本发表中,关于利用动量依赖性的分子电子状态研究,从我们目前的研究成果[1]中主要选取以下三个话题进行介绍。【使用X射线散射的电子相关研究】如何充分采用电子相关效果的问题,是现代量子化学中最重要的课题之一。为此,提出了CI法、多体摄动论、集群展开法等多种理论方法。但是,这种理论计算的评估并不容易。因为大部分实验值都是对电子相关不敏感的单电子算符的期望值,所以很难通过实验进行检验。作为敏感地反映电子相关的物理量,可以举出表示距离r12的电子对的存在概率的电子二体分布函数P(r12)。在实际的体系中,由于电子间的排斥,近距离的电子对的比例会减少,在r12的小区域中,P(r12)小于Hartree Fock近似计算值。已知X射线的弹性散射和非弹性散射之和即全散射强度σee(K)通过傅立叶变换与P(r12)建立一元关系,所以适用于实验电子相关目的的物理3a06
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X-ray and Electron Scattering Studies on Electronic Structures and Electronic Excitation Dynamics of Molecules
【序】分子の性質の多くは,その内に存在する電子の運動によって強く支配されている。HOMO(最 高被占有軌道)や LUMO(最低空軌道)といった個々の分子軌道の形が分子の反応性を決定づけ ることは,フロンティア軌道理論が端的に示すところであるし,また,クーロン斥力に起因した電子間 の運動相関(電子相関)が様々な物性の発現にしばしば顕著な影響を与えることも知られている。分 子の性質を論ずる上での電子運動の重要性から,その詳細な理解は分子科学における中心的課題 となってきた。特に分光学的な手法に基づく電子状態研究は活発であり,数多の研究成果が報告さ れてきている。しかしながら,分子のエネルギー準位に関しては分光研究により膨大な知見が蓄積さ れてきたものの,個々の分子軌道の形状であるとか,電子相関の起源である電子同士の斥け合いと いったことまで実験的に観測しようと思うと,励起エネルギーやイオン化エネルギーなどの“エネルギ ー”だけではなく何らかの実験パラメータの追加が必要となる。状態のエネルギー値だけでは,電子 の分布やその運動相関までは分らないからである。ここで,分子との衝突によって X 線や高速電子 が散乱される過程を考えてみる。すると,入射X線(電子線)から標的分子へのエネルギー移行に加 えて散乱前後の運動量変化も生じるため,“エネルギー”だけでなく“運動量”までもが現象を規定す るパラメータとなっていることに気づく。つまり,X 線や電子線の散乱実験によれば散乱断面積の運 動量依存性という観点からも標的電子構造を論じることが可能になる。本発表では,運動量依存性 を利用した分子の電子状態研究について,我々のこれまでの研究成果[1]の中から主に以下の三つ のトピックスを取り上げ,紹介したい。 【X線散乱を用いた電子相関の研究】 如何に電子相関の効果を十分に取り入れるかという問題は, 現代の量子化学において最も重要な課題の一つとなっている。この目的のため,CI 法や多体摂動 論,クラスター展開法といった多様な理論的手法が提案されてきた。しかし,そうした理論計算の評 価は容易ではない。実験値の殆どは電子相関に鋭敏とはい えない一電子演算子の期待値であることから,実験による検 証が難しいためである。電子相関を敏感に反映する物理量 として,距離 r12離れた電子ペアの存在確率を表す電子二体 分布関数 P(r12) があげられる。実際の系では,電子間反発 により近距離での電子ペアの割合が減少するのであるから, r12の小さな領域でP(r12)がHartree Fock近似による計算値に 比べ小さくなるという形で電子相関の効果が表れるだろう。X 線の弾性散乱と非弾性散乱の和である全散乱強度σee(K)は, P(r12)とフーリエ変換により一義的関係づけられることが知ら れており,電子相関を実験的にみるという目的に適した物理 3A06
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