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Distribution and Molecular Characterization of Porphyromonas gingivalis Carrying a New Type of fimA Gene
主たる口腔疾患の1つ である歯周病は,病 原性細菌に より引き起 こされる感染症的色彩の強い疾患であり,歯 周病患者 プラークか ら高頻度で分離 され る約10種 の細 菌による複合感染 と考えられている。しか し,こ の数年 間の研究手法の画期的な進歩により細菌種の高感度検出 法や宿主要因の解析が可能 となった結果,い くつかの細 菌種はその病原性が疑問視 されてきており,歯 周病性菌 とされるメンバーは確定 した とはいまだいい難い1)。そ のなかで,グ ラム陰性の偏性嫌気性細菌であるPorphyromonas gingivalis(以 下,P. gingivalis)が,成 人性歯周 疾患の主たる病原性細菌であることは,世 界的にも多数 の研究者の支持する見解であり,本 菌はさまざまなタイ プの歯周疾 患に密接 に関与 してい ると考 え られてい る2-5)。 一般に感染症 は,病 原性細菌が特有の機構 を介 して粘 膜や皮膚等の表面に付着 し,増 殖を経て病巣形成部位に 定着 す るこ とによって発症 へ向 かって い く。P. gingivalisに おいても口腔内に侵入 し,付 着 ・定着すること が歯周病発症 の最初のステップであると考 えられてい る。P. gingivalisは 本菌の付着・定着に関与すると考えら れている多 くの病原因子 を産生するが,そ のなかでも特 に線毛は,特 定の ヒトタンパク,単 球・マクロファージ, 歯肉線維芽細胞や上皮細胞への特異的結合能 を有するこ とが数多 く報告されている。 また,線 毛は強い免疫誘導 能 を もつ こ とか ら,本 菌 の 最 も重 要 な病 原 因 子 の1つ で あ る と考 え られ て い る6-10)。