Akinori Shirota, Hitoo Tokunaga, K. Fujita, Y. Yokoyama, T. Yamasaki, A. Inoue
{"title":"应变速率对Zr70Ni16Cu6Al8大块金属玻璃拉伸和压缩塑性变形的影响","authors":"Akinori Shirota, Hitoo Tokunaga, K. Fujita, Y. Yokoyama, T. Yamasaki, A. Inoue","doi":"10.2472/JSMS.59.118","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"1 緒 言 バルク金属ガラス (BMG) は高強度,高じん性,高耐 食性を有し,また曲げ 1)や圧縮 2), 3)負荷の下で大きな塑 性変形を示すものも開発されており,機械・構造部材と して注目されている.しかし,引張負荷の下ではほとん どの BMGは塑性変形を示さず,脆性的に破壊するため 信頼性に欠けると見られ,このことが BMGの機械・構 造部材への実用化の妨げとなっている.引張塑性変形が 生じない原因として,BMGの変形は転位によるすべり ではなく,せん断帯の発生・伝ぱによっており,このせ ん断帯内部においては弾性ひずみエネルギーの解放によ る急速な局所発熱 4)で BMGが過冷却液体あるいは溶融 状態となり,その粘度が著しく低下して不安定破壊を生 じることが挙げられる.これまでに報告されている BMG の引張塑性変形のほとんどは BMGをマトリックスとす る複合材料 5)~ 7)に関するものであり,単相 BMGの引張 塑性変形に関する報告例は極めて少ない.8), 9)例えば A.V. Sergueevaら 8)はひずみ速度が速い (5.0 × 10−2 s−1) 場合 に Zr41.2Ti13.8Cu12.5Ni10Be22.5 BMGにおいて破面に平行 な複数のせん断帯の形成により,引張塑性変形が発現す ることを報告している.また,最近我々のグループは低 ヤング率,高ポアソン比を示す亜共晶 Zr-Ni-Cu-Al BMG を用いて,ひずみ速度が速い (1.6 × 10−1 s−1) 場合に明確 な引張塑性変形が発現することを報告した.10)一方,ひず み速度が BMGの塑性変形挙動やせん断帯の形成に及ぼ す影響についてはこれまでに多くの関心が寄せられてお り,引張 11)~ 14)・圧縮試験 13)~ 15)やナノインデンテーショ ン試験 16), 17)など様々な手法によって検討されている. 例えば J. Zhangら 15)は Ti45Zr16Ni9Cu10Be20 BMGに対 してひずみ速度を変化させた圧縮試験を行い,ひずみ速 度が遅いほど多数のせん断帯が形成され,塑性変形量が 増大することを報告している.また,T. Mukaiら 12), 13)は Pd40Ni40P20 BMGに対してひずみ速度を変化させた引 張・圧縮試験を行い,引張ではいずれのひずみ速度下で も塑性変形は生じず,圧縮ではひずみ速度が遅いほど塑 性変形量が増大することを報告している.これらの結果 は BMGの塑性変形やせん断帯の形成がひずみ速度に強 く依存することを示唆している. Zr70Ni16Cu6Al8バルク金属ガラスの 引張・圧縮塑性変形に及ぼすひずみ速度の影響 城 田 明 典 永 仁 夫 藤 田 和 孝 横 山 嘉 彦 山 崎 徹 井 上 明 久 Effect of Strain Rate on Tensile and Compressive Plastic Deformation of Zr70Ni16Cu6Al8 Bulk Metallic Glass","PeriodicalId":17366,"journal":{"name":"journal of the Japan Society for Testing Materials","volume":"1 1","pages":"118-123"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2010-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"4","resultStr":"{\"title\":\"Effect of Strain Rate on Tensile and Compressive Plastic Deformation of Zr70Ni16Cu6Al8 Bulk Metallic Glass\",\"authors\":\"Akinori Shirota, Hitoo Tokunaga, K. Fujita, Y. Yokoyama, T. Yamasaki, A. Inoue\",\"doi\":\"10.2472/JSMS.59.118\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"1 緒 言 バルク金属ガラス (BMG) は高強度,高じん性,高耐 食性を有し,また曲げ 1)や圧縮 2), 3)負荷の下で大きな塑 性変形を示すものも開発されており,機械・構造部材と して注目されている.しかし,引張負荷の下ではほとん どの BMGは塑性変形を示さず,脆性的に破壊するため 信頼性に欠けると見られ,このことが BMGの機械・構 造部材への実用化の妨げとなっている.引張塑性変形が 生じない原因として,BMGの変形は転位によるすべり ではなく,せん断帯の発生・伝ぱによっており,このせ ん断帯内部においては弾性ひずみエネルギーの解放によ る急速な局所発熱 4)で BMGが過冷却液体あるいは溶融 状態となり,その粘度が著しく低下して不安定破壊を生 じることが挙げられる.これまでに報告されている BMG の引張塑性変形のほとんどは BMGをマトリックスとす る複合材料 5)~ 7)に関するものであり,単相 BMGの引張 塑性変形に関する報告例は極めて少ない.8), 9)例えば A.V. Sergueevaら 8)はひずみ速度が速い (5.0 × 10−2 s−1) 場合 に Zr41.2Ti13.8Cu12.5Ni10Be22.5 BMGにおいて破面に平行 な複数のせん断帯の形成により,引張塑性変形が発現す ることを報告している.また,最近我々のグループは低 ヤング率,高ポアソン比を示す亜共晶 Zr-Ni-Cu-Al BMG を用いて,ひずみ速度が速い (1.6 × 10−1 s−1) 場合に明確 な引張塑性変形が発現することを報告した.10)一方,ひず み速度が BMGの塑性変形挙動やせん断帯の形成に及ぼ す影響についてはこれまでに多くの関心が寄せられてお り,引張 11)~ 14)・圧縮試験 13)~ 15)やナノインデンテーショ ン試験 16), 17)など様々な手法によって検討されている. 例えば J. Zhangら 15)は Ti45Zr16Ni9Cu10Be20 BMGに対 してひずみ速度を変化させた圧縮試験を行い,ひずみ速 度が遅いほど多数のせん断帯が形成され,塑性変形量が 増大することを報告している.また,T. Mukaiら 12), 13)は Pd40Ni40P20 BMGに対してひずみ速度を変化させた引 張・圧縮試験を行い,引張ではいずれのひずみ速度下で も塑性変形は生じず,圧縮ではひずみ速度が遅いほど塑 性変形量が増大することを報告している.これらの結果 は BMGの塑性変形やせん断帯の形成がひずみ速度に強 く依存することを示唆している. Zr70Ni16Cu6Al8バルク金属ガラスの 引張・圧縮塑性変形に及ぼすひずみ速度の影響 城 田 明 典 永 仁 夫 藤 田 和 孝 横 山 嘉 彦 山 崎 徹 井 上 明 久 Effect of Strain Rate on Tensile and Compressive Plastic Deformation of Zr70Ni16Cu6Al8 Bulk Metallic Glass\",\"PeriodicalId\":17366,\"journal\":{\"name\":\"journal of the Japan Society for Testing Materials\",\"volume\":\"1 1\",\"pages\":\"118-123\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2010-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"4\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"journal of the Japan Society for Testing Materials\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2472/JSMS.59.118\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"journal of the Japan Society for Testing Materials","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2472/JSMS.59.118","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 4
Effect of Strain Rate on Tensile and Compressive Plastic Deformation of Zr70Ni16Cu6Al8 Bulk Metallic Glass
1 緒 言 バルク金属ガラス (BMG) は高強度,高じん性,高耐 食性を有し,また曲げ 1)や圧縮 2), 3)負荷の下で大きな塑 性変形を示すものも開発されており,機械・構造部材と して注目されている.しかし,引張負荷の下ではほとん どの BMGは塑性変形を示さず,脆性的に破壊するため 信頼性に欠けると見られ,このことが BMGの機械・構 造部材への実用化の妨げとなっている.引張塑性変形が 生じない原因として,BMGの変形は転位によるすべり ではなく,せん断帯の発生・伝ぱによっており,このせ ん断帯内部においては弾性ひずみエネルギーの解放によ る急速な局所発熱 4)で BMGが過冷却液体あるいは溶融 状態となり,その粘度が著しく低下して不安定破壊を生 じることが挙げられる.これまでに報告されている BMG の引張塑性変形のほとんどは BMGをマトリックスとす る複合材料 5)~ 7)に関するものであり,単相 BMGの引張 塑性変形に関する報告例は極めて少ない.8), 9)例えば A.V. Sergueevaら 8)はひずみ速度が速い (5.0 × 10−2 s−1) 場合 に Zr41.2Ti13.8Cu12.5Ni10Be22.5 BMGにおいて破面に平行 な複数のせん断帯の形成により,引張塑性変形が発現す ることを報告している.また,最近我々のグループは低 ヤング率,高ポアソン比を示す亜共晶 Zr-Ni-Cu-Al BMG を用いて,ひずみ速度が速い (1.6 × 10−1 s−1) 場合に明確 な引張塑性変形が発現することを報告した.10)一方,ひず み速度が BMGの塑性変形挙動やせん断帯の形成に及ぼ す影響についてはこれまでに多くの関心が寄せられてお り,引張 11)~ 14)・圧縮試験 13)~ 15)やナノインデンテーショ ン試験 16), 17)など様々な手法によって検討されている. 例えば J. Zhangら 15)は Ti45Zr16Ni9Cu10Be20 BMGに対 してひずみ速度を変化させた圧縮試験を行い,ひずみ速 度が遅いほど多数のせん断帯が形成され,塑性変形量が 増大することを報告している.また,T. Mukaiら 12), 13)は Pd40Ni40P20 BMGに対してひずみ速度を変化させた引 張・圧縮試験を行い,引張ではいずれのひずみ速度下で も塑性変形は生じず,圧縮ではひずみ速度が遅いほど塑 性変形量が増大することを報告している.これらの結果 は BMGの塑性変形やせん断帯の形成がひずみ速度に強 く依存することを示唆している. Zr70Ni16Cu6Al8バルク金属ガラスの 引張・圧縮塑性変形に及ぼすひずみ速度の影響 城 田 明 典 永 仁 夫 藤 田 和 孝 横 山 嘉 彦 山 崎 徹 井 上 明 久 Effect of Strain Rate on Tensile and Compressive Plastic Deformation of Zr70Ni16Cu6Al8 Bulk Metallic Glass