H. Hara, D. Suetsugu, S. Hayashi, H. Matsuda
{"title":"海水作用下水泥处理有明黏土的劣化过程","authors":"H. Hara, D. Suetsugu, S. Hayashi, H. Matsuda","doi":"10.2472/JSMS.63.49","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"1 緒 言 粘土に石灰やセメントを混合して,変形・強度特性を 改善させる固化処理工法は,軟弱地盤対策や建設発生土 の改良に利用されており,軟弱地盤が広く分布するわが 国では主要な工法となっている.しかしながら,固化処 理土は使用環境次第では,その性質が劣化することが明 らかになってきており,1)~ 3)長期的な耐久性に関する検討 が望まれる.著者らは現在までに室内試験より海水の影 響による固化処理土の性質変化や劣化機構の解明に関す る研究を行ってきている.4)~ 6)今後,沿岸域ならびに河川 の感潮域において造成された固化処理地盤を長期に亘っ て供用していくためには,海水に対する耐久性を明らか にする必要がある. 本論文では,海水環境下におけるセメント処理土の劣 化の進行について実験的に検討する.劣化の進行には, 種々の要因が影響すると予想されるが,既往の研究成果 から劣化の主要な原因となる接触する海水の濃度,固化 材添加量をパラメータとして有明粘土を母材としたセメ ント処理土の劣化した範囲を実験的に調べた.得られた 結果から,海水濃度と固化材添加量の影響を考慮した海 水環境下におけるセメント処理土の劣化速度の実験式を 提案した. 2 実 験 概 要 著者らは現在までの研究成果から,処理土の劣化の進 行はセメントの種類にかかわらず,同程度であることを実 験的に確認している.7), 8)本論文における実験では,一般 的な固化材である普通ポルトランドセメント(以下単にセ メント)を使用した.試料土には,佐賀県小城市の感潮 河川の河口域に堆積した有明粘土を用いた.試料土の物 性を Table 1に示す.粘土と固化材を均質に混合するた めに試料土の含水比を液性限界の 1.5倍 (w = 237.2%) に調 整して使用した.固化材の添加量は 50, 70, 100kg/m3で ある.含水比を調整した試料土に固化材を添加し,ミキ サーで十分に混合したものを φ = 50mm,H = 100mmの プラスチック製円筒形モールドに空気が入らないように タッピングしながら充填した.その後,供試体表面の乾 燥および酸化を防ぐために余盛りしてラップで覆い,恒 温恒湿器にて温度 20°C,湿度 80%の条件で 28日間養生 した. 海水環境下におけるセメント処理した有明粘土の 劣化の進行に関する検討 原 弘 行 末 次 大 輔 林 重 徳 松 田 博 Deterioration Progress of Cement-Treated Ariake Clay under Seawater","PeriodicalId":17366,"journal":{"name":"journal of the Japan Society for Testing Materials","volume":"28 1","pages":"49-54"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2014-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"Deterioration Progress of Cement-Treated Ariake Clay under Seawater\",\"authors\":\"H. Hara, D. Suetsugu, S. Hayashi, H. Matsuda\",\"doi\":\"10.2472/JSMS.63.49\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"1 緒 言 粘土に石灰やセメントを混合して,変形・強度特性を 改善させる固化処理工法は,軟弱地盤対策や建設発生土 の改良に利用されており,軟弱地盤が広く分布するわが 国では主要な工法となっている.しかしながら,固化処 理土は使用環境次第では,その性質が劣化することが明 らかになってきており,1)~ 3)長期的な耐久性に関する検討 が望まれる.著者らは現在までに室内試験より海水の影 響による固化処理土の性質変化や劣化機構の解明に関す る研究を行ってきている.4)~ 6)今後,沿岸域ならびに河川 の感潮域において造成された固化処理地盤を長期に亘っ て供用していくためには,海水に対する耐久性を明らか にする必要がある. 本論文では,海水環境下におけるセメント処理土の劣 化の進行について実験的に検討する.劣化の進行には, 種々の要因が影響すると予想されるが,既往の研究成果 から劣化の主要な原因となる接触する海水の濃度,固化 材添加量をパラメータとして有明粘土を母材としたセメ ント処理土の劣化した範囲を実験的に調べた.得られた 結果から,海水濃度と固化材添加量の影響を考慮した海 水環境下におけるセメント処理土の劣化速度の実験式を 提案した. 2 実 験 概 要 著者らは現在までの研究成果から,処理土の劣化の進 行はセメントの種類にかかわらず,同程度であることを実 験的に確認している.7), 8)本論文における実験では,一般 的な固化材である普通ポルトランドセメント(以下単にセ メント)を使用した.試料土には,佐賀県小城市の感潮 河川の河口域に堆積した有明粘土を用いた.試料土の物 性を Table 1に示す.粘土と固化材を均質に混合するた めに試料土の含水比を液性限界の 1.5倍 (w = 237.2%) に調 整して使用した.固化材の添加量は 50, 70, 100kg/m3で ある.含水比を調整した試料土に固化材を添加し,ミキ サーで十分に混合したものを φ = 50mm,H = 100mmの プラスチック製円筒形モールドに空気が入らないように タッピングしながら充填した.その後,供試体表面の乾 燥および酸化を防ぐために余盛りしてラップで覆い,恒 温恒湿器にて温度 20°C,湿度 80%の条件で 28日間養生 した. 海水環境下におけるセメント処理した有明粘土の 劣化の進行に関する検討 原 弘 行 末 次 大 輔 林 重 徳 松 田 博 Deterioration Progress of Cement-Treated Ariake Clay under Seawater\",\"PeriodicalId\":17366,\"journal\":{\"name\":\"journal of the Japan Society for Testing Materials\",\"volume\":\"28 1\",\"pages\":\"49-54\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2014-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"journal of the Japan Society for Testing Materials\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2472/JSMS.63.49\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"journal of the Japan Society for Testing Materials","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2472/JSMS.63.49","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Deterioration Progress of Cement-Treated Ariake Clay under Seawater
1 緒 言 粘土に石灰やセメントを混合して,変形・強度特性を 改善させる固化処理工法は,軟弱地盤対策や建設発生土 の改良に利用されており,軟弱地盤が広く分布するわが 国では主要な工法となっている.しかしながら,固化処 理土は使用環境次第では,その性質が劣化することが明 らかになってきており,1)~ 3)長期的な耐久性に関する検討 が望まれる.著者らは現在までに室内試験より海水の影 響による固化処理土の性質変化や劣化機構の解明に関す る研究を行ってきている.4)~ 6)今後,沿岸域ならびに河川 の感潮域において造成された固化処理地盤を長期に亘っ て供用していくためには,海水に対する耐久性を明らか にする必要がある. 本論文では,海水環境下におけるセメント処理土の劣 化の進行について実験的に検討する.劣化の進行には, 種々の要因が影響すると予想されるが,既往の研究成果 から劣化の主要な原因となる接触する海水の濃度,固化 材添加量をパラメータとして有明粘土を母材としたセメ ント処理土の劣化した範囲を実験的に調べた.得られた 結果から,海水濃度と固化材添加量の影響を考慮した海 水環境下におけるセメント処理土の劣化速度の実験式を 提案した. 2 実 験 概 要 著者らは現在までの研究成果から,処理土の劣化の進 行はセメントの種類にかかわらず,同程度であることを実 験的に確認している.7), 8)本論文における実験では,一般 的な固化材である普通ポルトランドセメント(以下単にセ メント)を使用した.試料土には,佐賀県小城市の感潮 河川の河口域に堆積した有明粘土を用いた.試料土の物 性を Table 1に示す.粘土と固化材を均質に混合するた めに試料土の含水比を液性限界の 1.5倍 (w = 237.2%) に調 整して使用した.固化材の添加量は 50, 70, 100kg/m3で ある.含水比を調整した試料土に固化材を添加し,ミキ サーで十分に混合したものを φ = 50mm,H = 100mmの プラスチック製円筒形モールドに空気が入らないように タッピングしながら充填した.その後,供試体表面の乾 燥および酸化を防ぐために余盛りしてラップで覆い,恒 温恒湿器にて温度 20°C,湿度 80%の条件で 28日間養生 した. 海水環境下におけるセメント処理した有明粘土の 劣化の進行に関する検討 原 弘 行 末 次 大 輔 林 重 徳 松 田 博 Deterioration Progress of Cement-Treated Ariake Clay under Seawater