半晶聚合物拉伸韧性断裂机理研究

K. Nitta, Chun-yao Li
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摘要

将日常常用的塑料材料在室温下延伸一个轴,就会显示出金属和混凝土所没有的高伸缩性。这些材料大多是结晶性高分子,晶体相和非晶相有规则地混合在一起,形成了几微米大小的巨大高阶结构等极其复杂的层次结构。从分层结构体中较大的结构体开始依次变形、崩溃,这一过程是高延伸性的来源。在变形初期,塑料材料表面上也像金属和无机材料一样,表现出遵循钩律的弹性响应。出现塑性变形引起的屈服行为,应力呈现最大值(屈服点),突然出现被称为颈的弯曲,该颈在应力恒定的情况下传播到整个试样,并且延伸继续下去应力再次增加(形变硬化),最终导致断裂。这种瓶颈表现是一种不连续的物理现象,可以作为结构的大型相变态现象来对待。伴随着上面所述的屈服和压紧,在钝化硬化区域发生破坏的现象被称为延性破坏,结果断裂前的结构状态形成了向延伸方向高度定向的纤维结构。玻璃状高分子和高度定向结晶的高强度纤维在室温下也不会表现出屈服现象,几乎不会扭曲地脆性地破坏。这种现象是由于某种原因应力的局部集中引起的主链的切断,构造单位的破碎和崩坏。坏等微观的破坏现象引起坑洞和裂缝等,在它们周围的应力集中作用下,逐渐发展为宏观的损坏(最弱环节说)。另一方面,被称为塑料的聚丙烯(PP)和聚乙烯(PE)为代表的结晶性高分子材料,在室温下,如上文所述,会经过屈服和固化而遭到破坏。与脆性破坏的表现机制大不相同。作者等3)以前通过改变PE的延伸速度和延伸温度,对PE的断裂行为进行了广泛的调查,结果发现,PE的破损包络曲线与Smith等发现的橡胶的断裂动作相同。可分为随着温度上升,断裂伸长增大,断裂强度减少的高热区和随着断裂伸长减少,强度增大的低温区。从断裂面的电子显微镜图像的角度来看,有以下两种情况:位移也会出现屈服应力和障碍,前者是延展性的,而后者是脆性的。另外,提高温度的效果和降低延伸速度的效果可以结合在一起。在能赛中,还可以通过WLF公式进行换算。无定形橡胶材料和结晶塑料PE都是同样的On Ductile Fracture Mechanism under Tension in Semicrystallinepolymers
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On Ductile Fracture Mechanism under Tension in Semicrystalline Polymers
日常よく利用されているプラスチック材料を室温におい て一軸延伸させると,金属やコンクリートにはない高い延 伸性を示す.これらの材料の多くは,結晶性高分子であり, 結晶相と非晶相の規則的な混在,数ミクロンサイズの巨大な 高次構造の形成といった極めて複雑な階層構造を形成して いる.そして,このような材料に応力が付加されると,この 階層構造体の中でより大きな構造体から順次変形・崩壊し て行くこととなり,この過程が高延伸性の源となっている. 変形初期では,プラスチック材料も,見掛け上金属や無 機材料のようにフック則に従う弾性的応答を示す.その後, 塑性変形による降伏挙動が発現して応力は最大値(降伏点) を示し,ネックとよばれるくびれが突然に発現する.この ネックが応力一定下で試験片全体に伝播し,さらに延伸が 進むと応力は再び増加し(ひずみ硬化),最終的に破断に至 る.このネック発現は,カタストロフィー的な不連続な物 理現象であり,構造の大掛かりな相変態現象として取り扱 うことができる.上で述べた降伏やネッキングを伴ってひず み硬化領域で破壊する現象が延性破壊と呼ばれ,結果とし て破断直前の構造状態は延伸方向へ高度に配向した繊維構 造を形成することになる. ガラス状高分子や高度に配向結晶化させた高強度繊維は, 室温においても降伏現象を示すこと無くほとんど歪まず脆 性的に破壊する.この現象は,何らかの原因で応力の局所 的な集中によって起こる主鎖の切断,構造単位の破砕や崩 壊などのミクロな破壊現象がクレーズやクラックなどを引 き起こし,それらの周りでの応力集中によって,マクロな 破損へと進展していく(最弱リンク説 ).一方,所謂プラ スチックと呼ばれるポリプロピレン (PP)やポリエチレン (PE) に代表される結晶性高分子材料は,室温においては,上述 したように降伏やネッキングを経て破壊にいたるもので, 脆性破壊とはその発現メカニズムが大きく異なる.著者ら 3) が以前に PEの破断挙動を幅広く延伸速度と延伸温度を変化 させて調べたところ,Smithら が発見したゴムの破断挙 動と同様の破損包絡曲線を示すことがわかった.そこでは, 温度上昇とともに破断伸びは増大し,破断強度が減少する 高温領域と,破断伸びの減少とともに強度が増大する低温 領域に分けられ,破断面の電子顕微鏡像の観点からは,い ずれも降伏応力やネックは発現するものの前者が延性的で あるのに対して後者は脆性的であった.また,温度を上げ る効果と延伸速度を下げる効果は,重ね合わせることが可 能で,WLF式によって換算できることも分かった.無定形 なゴム材料と結晶性プラスチックである PEはともに同様の On Ductile Fracture Mechanism under Tension in Semicrystalline Polymers
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