O. Ikenoya, Kaori Sato, Y. Soeno, T. Aoba
{"title":"碳酸钙磷灰石对牛血清白蛋白和猪搪瓷蛋白的吸附:吸附剂组成和溶液中镁离子的影响","authors":"O. Ikenoya, Kaori Sato, Y. Soeno, T. Aoba","doi":"10.2330/JORALBIOSCI1965.44.210","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"エナメル質は炭酸含有アパタイトで構成されている. 結晶・基質タンパクの相互作用によるエナメル質石灰化の制御機構を解明する目的で, 吸着質としてアルブミンとブタエナメルタンパク, 吸着材として組成・性状が判明している24種類の炭酸含有アパタイトを使用して, 結晶・タンパクの吸着反応を調べた. 吸着材は炭酸イオンの置換タイプによって2つのグループに大別できる. ひとつは中性溶液中で合成され, 水酸基 (Aタイプ) とリン酸基 (Bタイプ) の両サイトに炭酸イオンが置換した結晶試料であり, ほかのグループはアルカリ領域 (OH-とCO32-との競合) あるいはフッ素イオンの共存下 (F-とCO32-との合) で合成され, リン酸基への置換のみが検知された結晶試料である. 結晶・タンパクの吸着平衡の分析結果では, いずれのタンパク試料についても, 吸着反応は結晶組成 (CO3, F, Mg) と反応溶液のMgイオンの存在によって影響を受けることが判明した. これらの実験結果から, 形成期エナメル結晶の組成変化は結晶・タンパクの相互作用を不断に変動させることにつながり, 溶液相に含まれるMgイオンは, 結晶表面への吸着と結晶格子への置換によって結晶・タンパク相互作用を可変しうることが示唆された.","PeriodicalId":14631,"journal":{"name":"Japanese Journal of Oral Biology","volume":"28 1","pages":"210-224"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2002-06-20","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"Adsorption of Bovine Serum Albumin and Porcine Enamel Proteins onto Carbonatoapatites: Effects of Adsorbent Composition and Magnesium Ion in Solution\",\"authors\":\"O. Ikenoya, Kaori Sato, Y. Soeno, T. Aoba\",\"doi\":\"10.2330/JORALBIOSCI1965.44.210\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"エナメル質は炭酸含有アパタイトで構成されている. 結晶・基質タンパクの相互作用によるエナメル質石灰化の制御機構を解明する目的で, 吸着質としてアルブミンとブタエナメルタンパク, 吸着材として組成・性状が判明している24種類の炭酸含有アパタイトを使用して, 結晶・タンパクの吸着反応を調べた. 吸着材は炭酸イオンの置換タイプによって2つのグループに大別できる. ひとつは中性溶液中で合成され, 水酸基 (Aタイプ) とリン酸基 (Bタイプ) の両サイトに炭酸イオンが置換した結晶試料であり, ほかのグループはアルカリ領域 (OH-とCO32-との競合) あるいはフッ素イオンの共存下 (F-とCO32-との合) で合成され, リン酸基への置換のみが検知された結晶試料である. 結晶・タンパクの吸着平衡の分析結果では, いずれのタンパク試料についても, 吸着反応は結晶組成 (CO3, F, Mg) と反応溶液のMgイオンの存在によって影響を受けることが判明した. これらの実験結果から, 形成期エナメル結晶の組成変化は結晶・タンパクの相互作用を不断に変動させることにつながり, 溶液相に含まれるMgイオンは, 結晶表面への吸着と結晶格子への置換によって結晶・タンパク相互作用を可変しうることが示唆された.\",\"PeriodicalId\":14631,\"journal\":{\"name\":\"Japanese Journal of Oral Biology\",\"volume\":\"28 1\",\"pages\":\"210-224\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2002-06-20\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Japanese Journal of Oral Biology\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2330/JORALBIOSCI1965.44.210\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Japanese Journal of Oral Biology","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2330/JORALBIOSCI1965.44.210","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Adsorption of Bovine Serum Albumin and Porcine Enamel Proteins onto Carbonatoapatites: Effects of Adsorbent Composition and Magnesium Ion in Solution
エナメル質は炭酸含有アパタイトで構成されている. 結晶・基質タンパクの相互作用によるエナメル質石灰化の制御機構を解明する目的で, 吸着質としてアルブミンとブタエナメルタンパク, 吸着材として組成・性状が判明している24種類の炭酸含有アパタイトを使用して, 結晶・タンパクの吸着反応を調べた. 吸着材は炭酸イオンの置換タイプによって2つのグループに大別できる. ひとつは中性溶液中で合成され, 水酸基 (Aタイプ) とリン酸基 (Bタイプ) の両サイトに炭酸イオンが置換した結晶試料であり, ほかのグループはアルカリ領域 (OH-とCO32-との競合) あるいはフッ素イオンの共存下 (F-とCO32-との合) で合成され, リン酸基への置換のみが検知された結晶試料である. 結晶・タンパクの吸着平衡の分析結果では, いずれのタンパク試料についても, 吸着反応は結晶組成 (CO3, F, Mg) と反応溶液のMgイオンの存在によって影響を受けることが判明した. これらの実験結果から, 形成期エナメル結晶の組成変化は結晶・タンパクの相互作用を不断に変動させることにつながり, 溶液相に含まれるMgイオンは, 結晶表面への吸着と結晶格子への置換によって結晶・タンパク相互作用を可変しうることが示唆された.