M. Taniguchi, M. Motomura, Yuki Nagai, T. Sueishi, I. Watanabe, T. Niitsu, O. Saito, N. Shimizu
{"title":"小儿胫性脚气病例,临床表现为感染性休克","authors":"M. Taniguchi, M. Motomura, Yuki Nagai, T. Sueishi, I. Watanabe, T. Niitsu, O. Saito, N. Shimizu","doi":"10.3918/JSICM.25_215","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"8ヶ月,女児。身長64 cm(-2.7 SD),体重4.96 kg (-3.6 SD)。 既往歴:蛋白漏出性胃腸症。 現病歴:生後5ヶ月時に人工乳開始とともに下痢, 下腿浮腫,低アルブミン血症(1.8 g/dl)を認めたため 当院に紹介され,ミルクアレルギーに伴う蛋白漏出性 胃腸症と診断された。中心静脈栄養,ステロイドで加 療され全身状態は改善傾向であった。入院60日目に 誘因なく多呼吸,著明な陥没呼吸,頻脈を認めたため PICUに入室した。 現症:呼吸数50 /min,SpO2 100% (酸素10 l/ min),血圧100/45 mmHg,心拍数180 /min(洞性頻 脈),意識レベルE3V4M4(GCS 11),明らかな神経学 的異常所見を認めず,体温36.0°C,四肢末梢冷感は著 明であった。 検査所見:血液凝固系検査で白血球数が12,900 /μl と軽度上昇,CRPは0.29 mg/dlと低値であり,動脈血 液ガス分析ではpH 7.279,PaCO2 16.3 Torr,PaO2 182 Torr,HCO37.4 mmol/l,BE-18.3 mmol/l,乳 酸19.0 mmol/l,glucose 376 mg/dlと著明な乳酸アシ ドーシスと高血糖を認めた。胸腹部X線,心電図,心 臓超音波検査で有意な異常所見を認めなかった。 ICU入院後経過(Fig. 1):気管挿管を行い人工呼吸 管理を開始した。末梢血管抵抗上昇を伴うショックを 考える中で,輸液負荷が脈拍数低下に寄与せず,心臓 超音波検査結果から心原性ショックも考え難かったた め,敗血症性ショックに伴うcold shockを考えた。末 梢血管を開存させつつ血圧を維持するため,ミルリノ ン0.5μg/kg/minとアドレナリン0.02μg/kg/minを 開始し,抗菌薬(ピペラシリンナトリウム200 mg/kg/ day,バンコマイシン40 mg/kg/day)も投与した。入 室2時間でヒドロコルチゾン100 mg/m2/day,入室6 時間でγグロブリン150 mg/kg/doseも投与したが, ショックは遷延し高度頻脈および乳酸アシドーシスは 改善に乏しかった。 遷延するcold shockの原因として衝心脚気を考え, 入室後13時間でビタミンB1を2 mg/kg投与したとこ ろ,数時間の経過でバイタルサインと乳酸アシドーシ スの改善を認めた。ビタミンB1投与前の血中濃度は 18 ng/ml (正常値24〜66 ng/ml)と低値であり、入室 前の中心静脈栄養にビタミンB1が含有されていな かったことが判明した。入室翌日に抜管し,5日目に 一般病棟へ転棟した。 敗血症性ショック様の臨床像を呈した小児衝心脚気の一例","PeriodicalId":22583,"journal":{"name":"The Japanese Society of Intensive Care Medicine","volume":"27 1 1","pages":"215-216"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2018-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"A pediatric case of shoshin beriberi with clinical presentations like septic shock\",\"authors\":\"M. Taniguchi, M. Motomura, Yuki Nagai, T. Sueishi, I. Watanabe, T. Niitsu, O. Saito, N. Shimizu\",\"doi\":\"10.3918/JSICM.25_215\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"8ヶ月,女児。身長64 cm(-2.7 SD),体重4.96 kg (-3.6 SD)。 既往歴:蛋白漏出性胃腸症。 現病歴:生後5ヶ月時に人工乳開始とともに下痢, 下腿浮腫,低アルブミン血症(1.8 g/dl)を認めたため 当院に紹介され,ミルクアレルギーに伴う蛋白漏出性 胃腸症と診断された。中心静脈栄養,ステロイドで加 療され全身状態は改善傾向であった。入院60日目に 誘因なく多呼吸,著明な陥没呼吸,頻脈を認めたため PICUに入室した。 現症:呼吸数50 /min,SpO2 100% (酸素10 l/ min),血圧100/45 mmHg,心拍数180 /min(洞性頻 脈),意識レベルE3V4M4(GCS 11),明らかな神経学 的異常所見を認めず,体温36.0°C,四肢末梢冷感は著 明であった。 検査所見:血液凝固系検査で白血球数が12,900 /μl と軽度上昇,CRPは0.29 mg/dlと低値であり,動脈血 液ガス分析ではpH 7.279,PaCO2 16.3 Torr,PaO2 182 Torr,HCO37.4 mmol/l,BE-18.3 mmol/l,乳 酸19.0 mmol/l,glucose 376 mg/dlと著明な乳酸アシ ドーシスと高血糖を認めた。胸腹部X線,心電図,心 臓超音波検査で有意な異常所見を認めなかった。 ICU入院後経過(Fig. 1):気管挿管を行い人工呼吸 管理を開始した。末梢血管抵抗上昇を伴うショックを 考える中で,輸液負荷が脈拍数低下に寄与せず,心臓 超音波検査結果から心原性ショックも考え難かったた め,敗血症性ショックに伴うcold shockを考えた。末 梢血管を開存させつつ血圧を維持するため,ミルリノ ン0.5μg/kg/minとアドレナリン0.02μg/kg/minを 開始し,抗菌薬(ピペラシリンナトリウム200 mg/kg/ day,バンコマイシン40 mg/kg/day)も投与した。入 室2時間でヒドロコルチゾン100 mg/m2/day,入室6 時間でγグロブリン150 mg/kg/doseも投与したが, ショックは遷延し高度頻脈および乳酸アシドーシスは 改善に乏しかった。 遷延するcold shockの原因として衝心脚気を考え, 入室後13時間でビタミンB1を2 mg/kg投与したとこ ろ,数時間の経過でバイタルサインと乳酸アシドーシ スの改善を認めた。ビタミンB1投与前の血中濃度は 18 ng/ml (正常値24〜66 ng/ml)と低値であり、入室 前の中心静脈栄養にビタミンB1が含有されていな かったことが判明した。入室翌日に抜管し,5日目に 一般病棟へ転棟した。 敗血症性ショック様の臨床像を呈した小児衝心脚気の一例\",\"PeriodicalId\":22583,\"journal\":{\"name\":\"The Japanese Society of Intensive Care Medicine\",\"volume\":\"27 1 1\",\"pages\":\"215-216\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2018-05-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"The Japanese Society of Intensive Care Medicine\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.3918/JSICM.25_215\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Japanese Society of Intensive Care Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.3918/JSICM.25_215","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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A pediatric case of shoshin beriberi with clinical presentations like septic shock
8ヶ月,女児。身長64 cm(-2.7 SD),体重4.96 kg (-3.6 SD)。 既往歴:蛋白漏出性胃腸症。 現病歴:生後5ヶ月時に人工乳開始とともに下痢, 下腿浮腫,低アルブミン血症(1.8 g/dl)を認めたため 当院に紹介され,ミルクアレルギーに伴う蛋白漏出性 胃腸症と診断された。中心静脈栄養,ステロイドで加 療され全身状態は改善傾向であった。入院60日目に 誘因なく多呼吸,著明な陥没呼吸,頻脈を認めたため PICUに入室した。 現症:呼吸数50 /min,SpO2 100% (酸素10 l/ min),血圧100/45 mmHg,心拍数180 /min(洞性頻 脈),意識レベルE3V4M4(GCS 11),明らかな神経学 的異常所見を認めず,体温36.0°C,四肢末梢冷感は著 明であった。 検査所見:血液凝固系検査で白血球数が12,900 /μl と軽度上昇,CRPは0.29 mg/dlと低値であり,動脈血 液ガス分析ではpH 7.279,PaCO2 16.3 Torr,PaO2 182 Torr,HCO37.4 mmol/l,BE-18.3 mmol/l,乳 酸19.0 mmol/l,glucose 376 mg/dlと著明な乳酸アシ ドーシスと高血糖を認めた。胸腹部X線,心電図,心 臓超音波検査で有意な異常所見を認めなかった。 ICU入院後経過(Fig. 1):気管挿管を行い人工呼吸 管理を開始した。末梢血管抵抗上昇を伴うショックを 考える中で,輸液負荷が脈拍数低下に寄与せず,心臓 超音波検査結果から心原性ショックも考え難かったた め,敗血症性ショックに伴うcold shockを考えた。末 梢血管を開存させつつ血圧を維持するため,ミルリノ ン0.5μg/kg/minとアドレナリン0.02μg/kg/minを 開始し,抗菌薬(ピペラシリンナトリウム200 mg/kg/ day,バンコマイシン40 mg/kg/day)も投与した。入 室2時間でヒドロコルチゾン100 mg/m2/day,入室6 時間でγグロブリン150 mg/kg/doseも投与したが, ショックは遷延し高度頻脈および乳酸アシドーシスは 改善に乏しかった。 遷延するcold shockの原因として衝心脚気を考え, 入室後13時間でビタミンB1を2 mg/kg投与したとこ ろ,数時間の経過でバイタルサインと乳酸アシドーシ スの改善を認めた。ビタミンB1投与前の血中濃度は 18 ng/ml (正常値24〜66 ng/ml)と低値であり、入室 前の中心静脈栄養にビタミンB1が含有されていな かったことが判明した。入室翌日に抜管し,5日目に 一般病棟へ転棟した。 敗血症性ショック様の臨床像を呈した小児衝心脚気の一例