{"title":"刀具的历史和刀具工业的发展","authors":"Kota Hosono","doi":"10.1380/jsssj.38.526","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"日本国内の刃物産業としては,新潟県,兵庫県,大阪 府,福井県,島根県,高知県など,各地に伝統を継承す る特色ある産地が存在する。その中にあって,岐阜県も 刃物産業が大きく発展している産地の一つである。岐 阜県関市の刃物の起源は,鎌倉時代に元重により作られ た「日本刀」であり,多くの「刀匠」と呼ばれる方々 の切磋琢磨によって刀の産地となったのが土台である。 現在も関市に「刀匠」が存在し,総勢 68名からなる関 伝日本刀鍛錬技術保存会により作刀技術が伝承されてい る。また,当岐阜県工業技術研究所において実際に室町 時代に作刀されたと考えられる日本刀を分析してみる と,刃先表面側は刃先中心部よりも炭素量が多くて硬 く,刃先と反対側の棟側に近づくほど炭素量が少なく柔 らかい構造をしており,「折れず,曲がらず,よく切れ る」と評判であった古来の作刀技術並びに英知を垣間見 ることができた。この作刀工程で得られた技術は,時代 変化とともに包丁,はさみ,ナイフ,カミソリ刃,爪切 りなどの家庭用刃物の生産に応用展開され,岐阜県(関 市)刃物産業が発展した。1984年(昭和 59年)には 4 人以上の事業所が 235社存在し,一大刃物産業都市とな り,2013年(平成 25年)においても 98社が存続して いる。現在は,高品質化・高級化・高機能化による刃物 ブランドの強化,医療等の先端分野への参入,海外展開 の強化等が刃物産業における課題となっている。 2.刃物のブランド強化に向けて","PeriodicalId":13075,"journal":{"name":"Hyomen Kagaku","volume":"9 1","pages":"526-527"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2017-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"1","resultStr":"{\"title\":\"The History of the Edged Tool and Development of the Edged Tool Industry\",\"authors\":\"Kota Hosono\",\"doi\":\"10.1380/jsssj.38.526\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"日本国内の刃物産業としては,新潟県,兵庫県,大阪 府,福井県,島根県,高知県など,各地に伝統を継承す る特色ある産地が存在する。その中にあって,岐阜県も 刃物産業が大きく発展している産地の一つである。岐 阜県関市の刃物の起源は,鎌倉時代に元重により作られ た「日本刀」であり,多くの「刀匠」と呼ばれる方々 の切磋琢磨によって刀の産地となったのが土台である。 現在も関市に「刀匠」が存在し,総勢 68名からなる関 伝日本刀鍛錬技術保存会により作刀技術が伝承されてい る。また,当岐阜県工業技術研究所において実際に室町 時代に作刀されたと考えられる日本刀を分析してみる と,刃先表面側は刃先中心部よりも炭素量が多くて硬 く,刃先と反対側の棟側に近づくほど炭素量が少なく柔 らかい構造をしており,「折れず,曲がらず,よく切れ る」と評判であった古来の作刀技術並びに英知を垣間見 ることができた。この作刀工程で得られた技術は,時代 変化とともに包丁,はさみ,ナイフ,カミソリ刃,爪切 りなどの家庭用刃物の生産に応用展開され,岐阜県(関 市)刃物産業が発展した。1984年(昭和 59年)には 4 人以上の事業所が 235社存在し,一大刃物産業都市とな り,2013年(平成 25年)においても 98社が存続して いる。現在は,高品質化・高級化・高機能化による刃物 ブランドの強化,医療等の先端分野への参入,海外展開 の強化等が刃物産業における課題となっている。 2.刃物のブランド強化に向けて\",\"PeriodicalId\":13075,\"journal\":{\"name\":\"Hyomen Kagaku\",\"volume\":\"9 1\",\"pages\":\"526-527\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2017-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"1\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Hyomen Kagaku\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.1380/jsssj.38.526\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Hyomen Kagaku","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1380/jsssj.38.526","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
引用次数: 1
The History of the Edged Tool and Development of the Edged Tool Industry
日本国内の刃物産業としては,新潟県,兵庫県,大阪 府,福井県,島根県,高知県など,各地に伝統を継承す る特色ある産地が存在する。その中にあって,岐阜県も 刃物産業が大きく発展している産地の一つである。岐 阜県関市の刃物の起源は,鎌倉時代に元重により作られ た「日本刀」であり,多くの「刀匠」と呼ばれる方々 の切磋琢磨によって刀の産地となったのが土台である。 現在も関市に「刀匠」が存在し,総勢 68名からなる関 伝日本刀鍛錬技術保存会により作刀技術が伝承されてい る。また,当岐阜県工業技術研究所において実際に室町 時代に作刀されたと考えられる日本刀を分析してみる と,刃先表面側は刃先中心部よりも炭素量が多くて硬 く,刃先と反対側の棟側に近づくほど炭素量が少なく柔 らかい構造をしており,「折れず,曲がらず,よく切れ る」と評判であった古来の作刀技術並びに英知を垣間見 ることができた。この作刀工程で得られた技術は,時代 変化とともに包丁,はさみ,ナイフ,カミソリ刃,爪切 りなどの家庭用刃物の生産に応用展開され,岐阜県(関 市)刃物産業が発展した。1984年(昭和 59年)には 4 人以上の事業所が 235社存在し,一大刃物産業都市とな り,2013年(平成 25年)においても 98社が存続して いる。現在は,高品質化・高級化・高機能化による刃物 ブランドの強化,医療等の先端分野への参入,海外展開 の強化等が刃物産業における課題となっている。 2.刃物のブランド強化に向けて