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An Encouragement for Researching and Living Abroad
2. 1 きっかけ 筆者は学生の頃から海外で働きたいと漠然と考えてい たが,なかなか実行できずにいた。きっかけは突然やっ てきた。それは,NTT物性科学基礎研究所でポスドク をしていた 2003年,当研究所で行われた国際会議でポ スター発表をしていたときのことである。Wiesendanger グループのサブグループリーダーのMarkus Morgenstern 博士(現:アーヘン大学教授)が,筆者のポスターを訪 れ議論をした後,ハンブルグ大学のポスドクポジション に誘ってくれたのだ。ハンブルグでの研究テーマは,筆 者が当時研究していた量子ホール効果を,走査トンネル 顕微鏡(STM)を用いてナノスケールで解明するとい うものであった。博士課程で STMを使った研究をして いた筆者にとっては,願ってもない話であった。 2. 2 不安 vs.希望 渡航を決断する前に不安がなかったわけではない。ド イツのプロジェクト予算で雇われるポスドクのオファー であったため,家族を養うことができるのか,帰国後の 職はあるのかと不安は尽きなかった。しかし,海外で自 分の力を磨いてみたい,異なる文化・環境の中で生活し てみたいという以前からの希望が勝り,渡航を決断し た。蓋を開けてみれば,問題なく家族は養え(むしろ貯 金もできた!),運よく日本からの次のポジションの誘 いも舞い込むなど,意外にも何とかなるものだというこ とがわかった。