Y. Nishi, S. Uchiyama, Yuji Kobayashi
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Effect of Hydration on the Thermal Stability of the Collagen Triple Helical Structure
コラーゲンは動物界において最も多く含まれる蛋白質で あり,皮膚や骨などを構成する。コラーゲンは,三本のペ プチド鎖から構成され,各々のペプチド鎖は,左巻きのら せんを巻き,それらが綱のようによりあって右巻きらせん を形成する。この特異的な三本鎖構造はコラーゲントリプ ルヘリックスと呼ばれ,その熱安定性が生体組織の維持に 重要であると考えられている。コラーゲンには他の蛋白質 ではほとんど存在しないヒドロキシプロリンが構成アミノ 酸として含まれており,その含有量と生育温度との間には 比例関係が見られることから,ヒドロキシプロリンはコラ ーゲンの三本鎖構造の熱安定性に重要な役割を果たしてい ると考えられてきた。これまで過去40年間にわたって,コ ラーゲンの三本鎖構造の熱安定性を説明する試みが盛んに 行われたが,幾つかの仮説が提唱されたものの結論には至 っていない。そこで筆者らはヒドロキシプロリン及びヒド ロキシプロリンの水酸基をフッ素原子に置換したフルオロ プロリンを含むモデルペプチドを合成して熱測定を行い, 定量的にコラーゲンの三本鎖構造の熱安定性を解析した。 その結果,ヒドロキシプロリン,フルオロプロリンともに 熱安定性を増す働きがあるものの,両者の安定化機構は熱 力学的に大きく異なることを見出し,その要因はペプチド と溶媒との相互作用(水溶液中においては水和)の違いに Netsu Sokutei 34(4)152-158