M. Yamashita
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Transition and Future Image of Washi
3. 1 製紙法の発明と伝来 紀元前 200年頃,前漢時代の中国で紙の製法が誕生し た。文字を記録する記録媒体の必要性が高まり,それま で使用されていた甲骨,木片,動物の皮などに変わって 紙が盛んに使われるようになったとされている。植物体 から不要な部分を取り除き,薄さ,軽さ,表面の平滑 性,保存性など記録媒体としての性能を引き出したもの が「紙」である。 3. 2 国家の成立と平安文学 2世紀から 7世紀頃,渡来人や遣隋使などによって大 陸との交流を進める中で紙と製紙法が日本に伝わったと される。飛鳥から奈良時代,国家体制が整いはじめ戸籍 の作成や国家的な仏教の振興により和紙の需要と生産量 は急激に伸びていった。 平安時代中期に書かれた随筆である枕草子に,作者清 少納言の言葉として「世の中の腹立たしう,むつかし う,片時あるべき心地もせで,ただ,いづちもいづちも 行きもしなばやと思ふに,ただの紙のいと白う清げなる に,よき筆,白き色紙,陸奥紙(みちのくがみ)など, 得つれば,こよなうなぐさみて,さはれ,・・・」とい う一節がある。「むしゃくしゃするときに,白い紙,た とえば陸奥紙(高級な懐紙であった檀紙の別名)などを 手にしただけでまあ本当に慰められるわ~」などという ことを語っているのだが,この一節から,当時の和紙は 表面科学 Vol. 38, No. 6, pp. 307-309, 2017 特集「伝統産業と表面科学」