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Calorimetric Evaluation of Antimicrobial and Antifungal Activity
抗菌評価におけるバクテリアの増減を観測する手段とし ては,これまでに直接的にバクテリアを計測する方法およ び阻止円や濁度,電気伝導度1,2)などから間接的に計測する 方法が用いられてきた。また,抗菌対象のバクテリアとし ては,大腸菌や黄色ブドウ球菌などがよく知られている。 しかし,これまでの方法では,難溶性抗菌剤への適用に問 題があると同時に,抗菌剤がバクテリアに対してそれぞれ 抗菌特性が異なるため,大腸菌や黄色ブドウ球菌を含めた 何種類ものバクテリアを用いてテストする必要があり,そ のための煩雑さがあった。 そこで,これらの問題をクリアーする方法として,バク テリアの増減を熱量計でバクテリアの増殖代謝熱として測 定し,それらの発熱特性から,抗菌力を解析する手法と, 抗菌対象として土壌微生物を用いる組み合わせによる新た な抗菌評価法が提案されている。3-8) この評価法では,特に 土壌を用いることから,その取り扱いが簡便であるだけで なく,バクテリアの培養,維持管理にかかわる設備も不要 で,しかも日常環境で遭遇する土壌中の無数のバクテリア を抗菌対象とすることができる。それゆえ,本法は総合的 な抗菌評価法として期待でき,抗菌剤開発における薬剤の スクリーニング法としても有効な方法と考えられている。 筆者らは本法を用い,これまでに焼成ドロマイトの抗菌 力を提案してきた。8) 天然無機系鉱物であるドロマイトを焼 成することにより,抗菌活性が発現し,その活性はCaOお よびMgOの生成7)にあることを明らかにした.また,天然 ホウ素系鉱物として,コレマナイト(Ca2B6O11・5H2O)を 焼成することにより,抗菌・抗かび効果を有することを明 らかにした。9) さらに,有機系として,植物精油,香辛料および茶カテ キンなどについても抗菌活性があることを明らかにしてき た。特に植物精油に,沈静,抗鬱,強壮,解熱,消炎,抗 菌,抗かび等の様々な作用が知られてきており,家庭用, 美容・健康用,医薬用等の利用に用いられてきている。香辛 料や茶カテキンにおいても,その様々な効能がうたわれ, 効能成分を医薬品,化粧品などに応用させる例も多い。 そこで今回,熱量計を用いて上記の無機および有機系の