Tomotaka Hayashi, K. Matsuo, Mitsuhiro Yoshida, M. Zhang, H. Fukuyama, O. Nakanishi
{"title":". beta的影响。胸腺肽在舌伤愈合过程中的作用","authors":"Tomotaka Hayashi, K. Matsuo, Mitsuhiro Yoshida, M. Zhang, H. Fukuyama, O. Nakanishi","doi":"10.2504/KDS.63.87","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"β-thymosin(TBs)は様々な脊椎,無脊椎動物より抽出された高度に保存された5kDaの極性ペプチドである.Thymosin β4(TB4)は,哺乳類の組織において,TBs総量約70~80%に相当する最も豊富なペプチドである.一方,Thymosin β10(TB10)はTBsの少数派としてヒト,ラット,マウスに存在する.最近の研究で,TBsは細胞遊走,血管新生,創傷治癒,炎症,形態形成および腫瘍の転移に関与する多機能ペプチドであることが明らかとなった.それにもかかわらず,歯学研究,歯科臨床の領域に直接関連のあるTBsの研究報告は殆どない.本研究で,我々は舌の創傷治癒過程に及ぼすTB4やTB10の効果について,これらTBsの27アミノ酸から成る部分合成ペプチドを用いて検討した.パンチバイオプシーの器具を用いてラット舌を貫通させ,合成ペプチドを穿孔時およびその後毎日4日間腹腔内投与した.対照として等量のリン酸緩衝生理食塩水を同様に投与した.2,3,4日目例の組織切片を作成し,Hematoxylin-eosin(H-E)染色およびPhosphotungstic acid hematoxylin (PTAH)染色を施した.H-EおよびPTAH染色を参照しながら我々の定義に従って創傷部(W)領域を組織学的に組織欠損(D)部と肉芽組織(G)部に細分した.それぞれの面積はコンピュータ解析によって計測した.D部面積を切片の総面積(T)で割ったD/T値(%)は,TB4およびTB10投与群において,対照群より常に有意に小さい値を示した.一方,G/T値は,2日目例についてのみ実験群は対照群より有意に高い値をしめした.これらの結果は,TBsはおそらく創傷初期における壊死あるいはアポトーシスを抑制することにより組織損傷を最小限におさえることを示唆した.","PeriodicalId":23086,"journal":{"name":"The Journal of The Kyushu Dental Society","volume":"39 1","pages":"87-96"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2009-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Effects of .BETA.-thymosins on the Healing Process of Tongue Wounds\",\"authors\":\"Tomotaka Hayashi, K. Matsuo, Mitsuhiro Yoshida, M. Zhang, H. Fukuyama, O. Nakanishi\",\"doi\":\"10.2504/KDS.63.87\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"β-thymosin(TBs)は様々な脊椎,無脊椎動物より抽出された高度に保存された5kDaの極性ペプチドである.Thymosin β4(TB4)は,哺乳類の組織において,TBs総量約70~80%に相当する最も豊富なペプチドである.一方,Thymosin β10(TB10)はTBsの少数派としてヒト,ラット,マウスに存在する.最近の研究で,TBsは細胞遊走,血管新生,創傷治癒,炎症,形態形成および腫瘍の転移に関与する多機能ペプチドであることが明らかとなった.それにもかかわらず,歯学研究,歯科臨床の領域に直接関連のあるTBsの研究報告は殆どない.本研究で,我々は舌の創傷治癒過程に及ぼすTB4やTB10の効果について,これらTBsの27アミノ酸から成る部分合成ペプチドを用いて検討した.パンチバイオプシーの器具を用いてラット舌を貫通させ,合成ペプチドを穿孔時およびその後毎日4日間腹腔内投与した.対照として等量のリン酸緩衝生理食塩水を同様に投与した.2,3,4日目例の組織切片を作成し,Hematoxylin-eosin(H-E)染色およびPhosphotungstic acid hematoxylin (PTAH)染色を施した.H-EおよびPTAH染色を参照しながら我々の定義に従って創傷部(W)領域を組織学的に組織欠損(D)部と肉芽組織(G)部に細分した.それぞれの面積はコンピュータ解析によって計測した.D部面積を切片の総面積(T)で割ったD/T値(%)は,TB4およびTB10投与群において,対照群より常に有意に小さい値を示した.一方,G/T値は,2日目例についてのみ実験群は対照群より有意に高い値をしめした.これらの結果は,TBsはおそらく創傷初期における壊死あるいはアポトーシスを抑制することにより組織損傷を最小限におさえることを示唆した.\",\"PeriodicalId\":23086,\"journal\":{\"name\":\"The Journal of The Kyushu Dental Society\",\"volume\":\"39 1\",\"pages\":\"87-96\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2009-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"The Journal of The Kyushu Dental Society\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2504/KDS.63.87\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"The Journal of The Kyushu Dental Society","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2504/KDS.63.87","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}