{"title":"基质囊泡介导的矿化与牙周再生","authors":"Tomoaki Iwayama, S. Murakami","doi":"10.2329/perio.63.31","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"石灰化(mineralization)は有機マトリックスへのリ ン酸カルシウム結晶の沈着であり,脊椎動物の生理的 及び病的な硬組織形成に普遍的な現象である。骨,軟 骨,象牙質,セメント質など間葉系組織由来の生体硬 組織の石灰化初期過程においては,硬組織形成細胞か ら細胞外マトリックスおよび 30-300 nmの基質小胞 (matrix vesicle)と呼ばれる膜性小器官が細胞外へと 分泌されることが必須である1‐3)。基質小胞にはカルシ ウムおよび無機リン酸のみならず,硬組織形成に必要 な酵素群や脂質が含まれ,硬組織が成熟していく過程 においては,細胞外マトリックスと基質小胞の相互作 用により,石灰化基質が形成され,硬組織の石灰化と 成熟が促進される。この一連の過程は基質小胞性石灰 化と呼ばれる。しかしながら,硬組織形成細胞中で基 質小胞がどのように形成され分泌されるかについて は,硬組織形成の基本的なメカニズムにも関わらず, 長年明確な結論が得られないままであった。ごく最近 になって,様々な新技術を用いた研究成果が次々と発 表され,基質小胞形成の過程が明らかになりつつある。 本稿では,これらの最新知見を紹介するとともに,歯 周組織において基質小胞性石灰化の果たす役割や,基 質小胞を用いた歯周組織再生療法の可能性について概 説したい。","PeriodicalId":19230,"journal":{"name":"Nihon Shishubyo Gakkai Kaishi (Journal of the Japanese Society of Periodontology)","volume":"91 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2021-06-30","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Matrix vesicle-mediated mineralization and periodontal regeneration\",\"authors\":\"Tomoaki Iwayama, S. Murakami\",\"doi\":\"10.2329/perio.63.31\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"石灰化(mineralization)は有機マトリックスへのリ ン酸カルシウム結晶の沈着であり,脊椎動物の生理的 及び病的な硬組織形成に普遍的な現象である。骨,軟 骨,象牙質,セメント質など間葉系組織由来の生体硬 組織の石灰化初期過程においては,硬組織形成細胞か ら細胞外マトリックスおよび 30-300 nmの基質小胞 (matrix vesicle)と呼ばれる膜性小器官が細胞外へと 分泌されることが必須である1‐3)。基質小胞にはカルシ ウムおよび無機リン酸のみならず,硬組織形成に必要 な酵素群や脂質が含まれ,硬組織が成熟していく過程 においては,細胞外マトリックスと基質小胞の相互作 用により,石灰化基質が形成され,硬組織の石灰化と 成熟が促進される。この一連の過程は基質小胞性石灰 化と呼ばれる。しかしながら,硬組織形成細胞中で基 質小胞がどのように形成され分泌されるかについて は,硬組織形成の基本的なメカニズムにも関わらず, 長年明確な結論が得られないままであった。ごく最近 になって,様々な新技術を用いた研究成果が次々と発 表され,基質小胞形成の過程が明らかになりつつある。 本稿では,これらの最新知見を紹介するとともに,歯 周組織において基質小胞性石灰化の果たす役割や,基 質小胞を用いた歯周組織再生療法の可能性について概 説したい。\",\"PeriodicalId\":19230,\"journal\":{\"name\":\"Nihon Shishubyo Gakkai Kaishi (Journal of the Japanese Society of Periodontology)\",\"volume\":\"91 1\",\"pages\":\"\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2021-06-30\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Nihon Shishubyo Gakkai Kaishi (Journal of the Japanese Society of Periodontology)\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2329/perio.63.31\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Shishubyo Gakkai Kaishi (Journal of the Japanese Society of Periodontology)","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2329/perio.63.31","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}