{"title":"改性9Cr-1Mo钢在多轴应力下的蠕变断裂行为及其建模","authors":"Yukio Takahashi","doi":"10.2472/JSMS.58.115","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"1 緒 言 発電プラントなどに使用される高温機器の健全性を確 保する上でクリープ変形やこれによる破壊を精度良く予 測することが必須であるが,複雑な形状や負荷によって, 実機中の材料には様々な多軸応力状態が生じるため,ク リープ変形や破壊に対する応力多軸性の影響に関して多 くの研究が実施されてきている.良く知られている代表 的なものとしては,ボイドの成長に対する理論的検討に 基づいた多軸延性モデル 1), 2)や実験結果に基づいた相当 応力の式 3), 4)などがあり,一部の設計基準や健全性評価 ガイドでも採用されている 5), 6)が,単軸引張状態に比較 して試験が困難な上に試験条件のパラメータが増えるな どの理由で系統的なデータ取得が難しく,各種材料に対 するこれらの妥当性の確認は十分に行われていない.さ らに,対象を一材料に固定したとしても,温度,応力, 多軸度などの幅広い範囲にわたって多軸性の影響が検討 された例は見当たらない. ここでは,近年の火力発電プラントに多用されており, 高速炉等の原子力発電プラントでの使用も検討されてい る代表的な高温構造材料で,高精度評価法に対する要求 が強い改良 9Cr-1Mo鋼を対象に,多軸クリープ試験とし て多くの実績がある 7)環状切欠き付き丸棒試験片に対す るクリープ試験を行い,クリープ破断挙動に及ぼす温度, 応力の影響を調査した.さらに,別途実施された CT試 験片によるき裂進展試験 8)に対する数値シミュレーショ ンの結果と合わせて,クリープ破断延性に及ぼす応力多 軸性の影響を幅広く検討し,そのモデル化を試みた.最 後に切欠き材と CT試験片に対して,このモデルを組み 込んだ数値シミュレーションを実施し,多軸状態でのク リープ変形・破壊に対する数値シミュレーションの方法 の有効性を総合的に検討した.以下これらの結果を報告 する. 2 切欠き付き丸棒クリープ試験 2・1 試験材料および試験方法 試験には前報 9)と同様,板厚 50mmの改良 9Cr-1Mo 鋼平板を用いた.本材料の化学成分を Table 1に示す. 本材料については,すでに多数の単軸引張クリープ試 験が行われているが,本研究では Fig. 1に示す環状切欠 き付き丸棒試験片に対する一定荷重引張クリープ試験を 550°C,600°C,650°Cの 3温度で数本ずつ実施した.な お,本試験片において同一形状の切欠きが直列に 2個加 工されているのは,一方が破断した後,他方の損傷状態 を観察できるようにするためである.切欠き部の最終表 面仕上げは 800番のエミリー紙によった. 2・2 試験結果 切欠き材に対して得られた破断寿命を切欠き断面の平 均応力 σnet(荷重を切欠き部の最小断面積で除した値) の関数としてプロットした結果を Fig. 2に示す.同図に は平滑試験片に対する試験結果を合わせて示すが,これ より,いずれの温度でも同一の実断面応力では切欠き材 改良 9Cr-1Mo鋼の多軸応力下でのクリープ破壊挙動とそのモデル化 高 橋 由紀夫 Creep Rupture Behavior of Modified 9Cr-1Mo Steel under Multiaxial Stress and Its Modeling","PeriodicalId":17366,"journal":{"name":"journal of the Japan Society for Testing Materials","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2009-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"13","resultStr":"{\"title\":\"Creep Rupture Behavior of Modified 9Cr-1Mo Steel under Multiaxial Stress and Its Modeling\",\"authors\":\"Yukio Takahashi\",\"doi\":\"10.2472/JSMS.58.115\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"1 緒 言 発電プラントなどに使用される高温機器の健全性を確 保する上でクリープ変形やこれによる破壊を精度良く予 測することが必須であるが,複雑な形状や負荷によって, 実機中の材料には様々な多軸応力状態が生じるため,ク リープ変形や破壊に対する応力多軸性の影響に関して多 くの研究が実施されてきている.良く知られている代表 的なものとしては,ボイドの成長に対する理論的検討に 基づいた多軸延性モデル 1), 2)や実験結果に基づいた相当 応力の式 3), 4)などがあり,一部の設計基準や健全性評価 ガイドでも採用されている 5), 6)が,単軸引張状態に比較 して試験が困難な上に試験条件のパラメータが増えるな どの理由で系統的なデータ取得が難しく,各種材料に対 するこれらの妥当性の確認は十分に行われていない.さ らに,対象を一材料に固定したとしても,温度,応力, 多軸度などの幅広い範囲にわたって多軸性の影響が検討 された例は見当たらない. ここでは,近年の火力発電プラントに多用されており, 高速炉等の原子力発電プラントでの使用も検討されてい る代表的な高温構造材料で,高精度評価法に対する要求 が強い改良 9Cr-1Mo鋼を対象に,多軸クリープ試験とし て多くの実績がある 7)環状切欠き付き丸棒試験片に対す るクリープ試験を行い,クリープ破断挙動に及ぼす温度, 応力の影響を調査した.さらに,別途実施された CT試 験片によるき裂進展試験 8)に対する数値シミュレーショ ンの結果と合わせて,クリープ破断延性に及ぼす応力多 軸性の影響を幅広く検討し,そのモデル化を試みた.最 後に切欠き材と CT試験片に対して,このモデルを組み 込んだ数値シミュレーションを実施し,多軸状態でのク リープ変形・破壊に対する数値シミュレーションの方法 の有効性を総合的に検討した.以下これらの結果を報告 する. 2 切欠き付き丸棒クリープ試験 2・1 試験材料および試験方法 試験には前報 9)と同様,板厚 50mmの改良 9Cr-1Mo 鋼平板を用いた.本材料の化学成分を Table 1に示す. 本材料については,すでに多数の単軸引張クリープ試 験が行われているが,本研究では Fig. 1に示す環状切欠 き付き丸棒試験片に対する一定荷重引張クリープ試験を 550°C,600°C,650°Cの 3温度で数本ずつ実施した.な お,本試験片において同一形状の切欠きが直列に 2個加 工されているのは,一方が破断した後,他方の損傷状態 を観察できるようにするためである.切欠き部の最終表 面仕上げは 800番のエミリー紙によった. 2・2 試験結果 切欠き材に対して得られた破断寿命を切欠き断面の平 均応力 σnet(荷重を切欠き部の最小断面積で除した値) の関数としてプロットした結果を Fig. 2に示す.同図に は平滑試験片に対する試験結果を合わせて示すが,これ より,いずれの温度でも同一の実断面応力では切欠き材 改良 9Cr-1Mo鋼の多軸応力下でのクリープ破壊挙動とそのモデル化 高 橋 由紀夫 Creep Rupture Behavior of Modified 9Cr-1Mo Steel under Multiaxial Stress and Its Modeling\",\"PeriodicalId\":17366,\"journal\":{\"name\":\"journal of the Japan Society for Testing Materials\",\"volume\":null,\"pages\":null},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2009-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"13\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"journal of the Japan Society for Testing Materials\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.2472/JSMS.58.115\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"journal of the Japan Society for Testing Materials","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.2472/JSMS.58.115","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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Creep Rupture Behavior of Modified 9Cr-1Mo Steel under Multiaxial Stress and Its Modeling
1 緒 言 発電プラントなどに使用される高温機器の健全性を確 保する上でクリープ変形やこれによる破壊を精度良く予 測することが必須であるが,複雑な形状や負荷によって, 実機中の材料には様々な多軸応力状態が生じるため,ク リープ変形や破壊に対する応力多軸性の影響に関して多 くの研究が実施されてきている.良く知られている代表 的なものとしては,ボイドの成長に対する理論的検討に 基づいた多軸延性モデル 1), 2)や実験結果に基づいた相当 応力の式 3), 4)などがあり,一部の設計基準や健全性評価 ガイドでも採用されている 5), 6)が,単軸引張状態に比較 して試験が困難な上に試験条件のパラメータが増えるな どの理由で系統的なデータ取得が難しく,各種材料に対 するこれらの妥当性の確認は十分に行われていない.さ らに,対象を一材料に固定したとしても,温度,応力, 多軸度などの幅広い範囲にわたって多軸性の影響が検討 された例は見当たらない. ここでは,近年の火力発電プラントに多用されており, 高速炉等の原子力発電プラントでの使用も検討されてい る代表的な高温構造材料で,高精度評価法に対する要求 が強い改良 9Cr-1Mo鋼を対象に,多軸クリープ試験とし て多くの実績がある 7)環状切欠き付き丸棒試験片に対す るクリープ試験を行い,クリープ破断挙動に及ぼす温度, 応力の影響を調査した.さらに,別途実施された CT試 験片によるき裂進展試験 8)に対する数値シミュレーショ ンの結果と合わせて,クリープ破断延性に及ぼす応力多 軸性の影響を幅広く検討し,そのモデル化を試みた.最 後に切欠き材と CT試験片に対して,このモデルを組み 込んだ数値シミュレーションを実施し,多軸状態でのク リープ変形・破壊に対する数値シミュレーションの方法 の有効性を総合的に検討した.以下これらの結果を報告 する. 2 切欠き付き丸棒クリープ試験 2・1 試験材料および試験方法 試験には前報 9)と同様,板厚 50mmの改良 9Cr-1Mo 鋼平板を用いた.本材料の化学成分を Table 1に示す. 本材料については,すでに多数の単軸引張クリープ試 験が行われているが,本研究では Fig. 1に示す環状切欠 き付き丸棒試験片に対する一定荷重引張クリープ試験を 550°C,600°C,650°Cの 3温度で数本ずつ実施した.な お,本試験片において同一形状の切欠きが直列に 2個加 工されているのは,一方が破断した後,他方の損傷状態 を観察できるようにするためである.切欠き部の最終表 面仕上げは 800番のエミリー紙によった. 2・2 試験結果 切欠き材に対して得られた破断寿命を切欠き断面の平 均応力 σnet(荷重を切欠き部の最小断面積で除した値) の関数としてプロットした結果を Fig. 2に示す.同図に は平滑試験片に対する試験結果を合わせて示すが,これ より,いずれの温度でも同一の実断面応力では切欠き材 改良 9Cr-1Mo鋼の多軸応力下でのクリープ破壊挙動とそのモデル化 高 橋 由紀夫 Creep Rupture Behavior of Modified 9Cr-1Mo Steel under Multiaxial Stress and Its Modeling