T. Okamoto, Y. Yamazaki
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Observation of Aqueous Resin Emulsion with Transmission Electron Microscope: Fixation of Core-Shell Type Epoxy Emulsion Particles with Gelatin
エポキシ基を含有する化合物は接着剤や塗料,コー ティング剤などの用途に使用されている.反応としては 硬化剤,硬化触媒と混合し熱硬化反応させることが多 い.これらの反応は硬化剤,硬化触媒などと混合するこ とにより進行するため,混合後の低温硬化性と保存安定 性は相反し,両立することが難しい.一液型では室温で 反応しない硬化剤とエポキシ基を含有する化合物とを混 合し保存安定性を付与しているが硬化反応させるには高 温に加熱して硬化剤を活性化させなければならず低温硬 化性が悪い.また,二液型では室温で硬化反応が進むた め低温硬化性に優れるが,硬化剤と混合後すぐに反応が 進むため使用する直前に混合しなくてはならず保存安定 性が悪い.そこでエポキシ基を含有する化合物をコア, 熱可塑性樹脂をシェルとしたコアシェル型粒子をエマル ションとし水溶性の硬化剤と混合することで低温硬化性 と保存安定性の両立を図ることができるものも実用化さ れている. 本コアシェル型エマルション粒子のコアシェル構造を 確認するにはエマルション粒子断面を TEM観察するこ とが必要である.エマルションを TEM観察する場合, 一般的にはネガティブ染色1)を行うことが多い.ネガ ティブ染色は観察する試料を染色するのではなく試料の 周りをモリブデン酸アンモニウムやリンタングステン酸 など,金属原子を有する染色剤で満たすことにより試料 とコントラスト差を付与することである.しかしこの方 法の場合,粒子径の確認は可能であるが粒子の内部構造 を観察することはできない. エマルション粒子の内部構造を観察するには水相に浮 遊しているエマルション粒子を物理的に固定し超薄切片 を作製することが必要である.固定するには凍結超薄切 片2)を作製する方法がある.水を含む試料の場合,氷晶 防止1)のためにショ糖を添加することが多いが,エマル ションにショ糖を添加するとエマルション粒子が凝集し 内部構造を観察できない可能性がある. そこでエマルションのままゲル化しエマルション粒子 を固定すれば超薄切片を作製できると考え,ゲル化剤と してゼラチンを使用する超薄切片作製方法について検討 した.