用x射线荧光全息技术观察无铅压电材料中的原子位移

K. Kimura
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摘要

X射线荧光全息成像(XFH)是一种能够三维地可视化结晶内特定元素周围原子排列的方法,1)1996年首次进行实证实验以来,2)多巴胺一方面,通过近10年的研究,通过XFH测定得到的原子像的强度和形状,物质内的原子位移。也可以精密分析,作为4)、5)原子位移的新评价方法受到关注。特别是原子位移是物性表现的关键因素的压电体和铁电体的应用正在迅速普及。压电体是一种能够将机械能和电能相互转换的材料,被广泛应用于传感器、喷墨打印机等各种领域。目前,由于含有对环境负荷高、对人体有害的Pb的钛酸锆酸铅(PZT)得到广泛应用,因此开发能够替代该材料的非铅压电材料迫在眉睫。在非铅压电体中,以具有钙钛矿结构的BaTiO3为基础的材料近年来得到了广泛研究。特别是,(Ba,Ca)(Zr,Ti)O3(BCZT)因在约100°C以下的温度范围内显示出超过PZT的压电特性而广为人知。为了扩大可使用温度范围和开发新的非铅压电体,有必要从原子层面理解高压电特性的起源。在BCZT中,占有A位点的Ca2+离子的半径(1.34A)比替换原Ba2+离子的半径(1.61 A)小约17%,因此Ca2+离子周围的局部结构与母材BaTiO3的结构有很大不同。因此,作者将可通过元素选择性导出三维局部结构的XFH应用于仅掺杂Ca的TiO3上,在Ca和Ba周围占据相同A位点通过对局部结构进行区分分析,发现两者存在很大的差异。7)本文将对其结果进行介绍。图1a、图b示出了在大型放射光设施SPring-8的BL13XU上实施的XFH测定得到的Ca和Ba之间的原子像。这里如图1c所示,中心再生含有元素Ca或Ba的一面。图1a和图b中的〇对应于根据BaTiO3的结晶结构预测的a细胞和胱胺的理想位置。四,Ca周围原子像向中央位移,这表明Ca周围的晶格局部收缩,这是Ca离子的半与直径比Ba离子小的事实相符。图2a、b放大显示了图1a、b中箭头所示的原子像。Ca和Ba周围不仅原子像的位置不同,而且形状也有很大差异。
本文章由计算机程序翻译,如有差异,请以英文原文为准。
Atomic Displacement in Pb-Free Piezo-Electric Material Visualized by X-ray Fluorescence Holography
蛍光X線ホログラフィー(XFH)は,結晶内の特定元 素まわりの原子配列を三次元的に可視化できる手法であ り,1)1996年に初めて実証実験が行われて以来,2)ドーパ ントのサイトやクラスター構造の解析手法として発展を 遂げてきた.3)一方,ここ10年ほどの研究で,XFH 測定 で得られる原子像の強度や形状から物質内の原子変位 も精密に解析できることが明らかになり,4),5)原子変位の 新しい評価手法として注目されている.特に,原子変位 が物性発現のキーファクターとなる圧電体や強誘電体 への応用が急速に広まりつつある. 圧電体は,機械エネルギーと電気エネルギーを相互に 変換できる材料で,センサーやインクジェットプリン ターなどさまざまな用途で使用されている.現在,環境 負荷が高く人体に有害なPbを含むチタン酸ジルコン酸 鉛(PZT)が広く用いられていることから,これを代替 できる非鉛圧電材料の開発が急務とされている.非鉛圧 電体の中でも,ペロブスカイト構造を有するBaTiO3を ベースとした材料が近年盛んに研究されている.特に, (Ba,Ca)(Zr,Ti)O3(BCZT)は,約100°C以下の温度域 ではPZTを凌駕する圧電特性を示すことが知られてお り,6)現在,最も注目されている材料の1つである.BCZT の使用可能温度域の拡大や新たな非鉛圧電体の開発の ためには,高い圧電特性の起源を原子レベルで理解する 必要がある. BCZTにおいて,Aサイトを占有するCa2+イオンの半 径(1.34 Å)は,置換元のBa2+イオンの半径(1.61 Å)より も約17%も小さいため,Ca2+イオン周囲の局所構造は母 材のBaTiO3の構造とは大きく異なっていると考えられ る.そこで,著者らは元素選択的に三次元局所構造を導 出可能なXFHを,Caのみをドープした(Ba0.9Ca0.1)TiO3 に適用し,同じAサイトを占めるCaおよびBaまわりの 局所構造を区別して解析することで,両者に大きな違い があることを見出した.7)本稿では,その結果について紹 介する. 図1a,bに,大型放射光施設SPring-8のBL13XUにお いて実施したXFH測定によって得られたCaおよびBaま わりの原子像を示す.ここでは,図1cに示すように中心 元素であるCaもしくはBaを含む<001>面を再生して いる.図1a,bにある〇は,BaTiO3の結晶構造から予測 されるAサイトカチオンの理想位置に対応している.Ba まわりの原子像は,〇の位置の中央に観測されるのに対 し,Caまわりでは原子像が中央に向かって変位している ことがわかる.このことは,Caまわりで格子が局所的に 収縮していることを示している.これは,Caイオンの半 径がBaイオンよりも小さいことと符合している. 図2a,bには,図1a,bにおいて矢印で示した原子像を 拡大して表示している.CaおよびBaまわりにおいて,原 子像の位置だけではなく形状にも大きな違いがあること
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