Y. Sunada
{"title":"承载双金属环骨架的新型过渡金属配合物的构建","authors":"Y. Sunada","doi":"10.4019/BJSCC.67.47","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"ケイ素化合物における“H-Si”もしくは“Si-Si”結合は、 特に低原子価遷移金属錯体種との酸化的付加反応を経る ことで、遷移金属―ケイ素結合を持つ錯体を与えること は古くから知られている。例えば、遷移金属触媒を用い た不飽和有機化合物とヒドロシラン (H-SiR3)とのヒド ロシリル化反応において、鍵段階の一つは “H-Si” 結合 の酸化的付加を経由した遷移金属―ヒドリドケイ素錯体 種 “M(H)(SiR3)” の形成であることが現在では広く受け 入れられている 。その他、ヒドロシリル化反応に限ら ず、遷移金属化合物を触媒として進行する、有機ケイ素 化合物が関連する多くの触媒的変換反応において、遷移 金属―ケイ素錯体は鍵を担う中間体であると提唱されて いる。 有機ケイ素化合物を遷移金属上の配位子として見た場 合、多くの興味深い性質が期待される。第一に、ケイ素 は遷移金属中心に対し強く電子供与することができ、そ の結果として電子豊富な錯体を与える。本稿で主に取り 扱う有機シリル配位子 (SiR3)の遷移金属への配位におけ る軌道相互作用について Figure 1に示す 。図 (a)に示 す s-供与と、図 (b)に示す p-逆供与の 2種の軌道相互 作用により結合を形成するが、一般にケイ素上の置換基 (R)として、水素原子やアルキル基などを持つ場合、特 に高い電子供与性を示す。対照的にハロゲンなどの電気 陰性な置換基を保つ場合は、(b)に示す p逆供与の寄与 が大きくなる。また、有機シリル配位子は強いトランス 影響を示すため、配位不飽和な錯体種を効果的に与える ことが可能である。すなわち、電子豊富で配位不飽和な 錯体の構築に対し有機ケイ素配位子の導入は非常に有効 であることが分かる。","PeriodicalId":72479,"journal":{"name":"Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry","volume":"67 1","pages":"47-61"},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2016-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"https://sci-hub-pdf.com/10.4019/BJSCC.67.47","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Construction of the Novel Transition Metal Complexes Bearing Disilametallacycle Skeleton\",\"authors\":\"Y. Sunada\",\"doi\":\"10.4019/BJSCC.67.47\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"ケイ素化合物における“H-Si”もしくは“Si-Si”結合は、 特に低原子価遷移金属錯体種との酸化的付加反応を経る ことで、遷移金属―ケイ素結合を持つ錯体を与えること は古くから知られている。例えば、遷移金属触媒を用い た不飽和有機化合物とヒドロシラン (H-SiR3)とのヒド ロシリル化反応において、鍵段階の一つは “H-Si” 結合 の酸化的付加を経由した遷移金属―ヒドリドケイ素錯体 種 “M(H)(SiR3)” の形成であることが現在では広く受け 入れられている 。その他、ヒドロシリル化反応に限ら ず、遷移金属化合物を触媒として進行する、有機ケイ素 化合物が関連する多くの触媒的変換反応において、遷移 金属―ケイ素錯体は鍵を担う中間体であると提唱されて いる。 有機ケイ素化合物を遷移金属上の配位子として見た場 合、多くの興味深い性質が期待される。第一に、ケイ素 は遷移金属中心に対し強く電子供与することができ、そ の結果として電子豊富な錯体を与える。本稿で主に取り 扱う有機シリル配位子 (SiR3)の遷移金属への配位におけ る軌道相互作用について Figure 1に示す 。図 (a)に示 す s-供与と、図 (b)に示す p-逆供与の 2種の軌道相互 作用により結合を形成するが、一般にケイ素上の置換基 (R)として、水素原子やアルキル基などを持つ場合、特 に高い電子供与性を示す。対照的にハロゲンなどの電気 陰性な置換基を保つ場合は、(b)に示す p逆供与の寄与 が大きくなる。また、有機シリル配位子は強いトランス 影響を示すため、配位不飽和な錯体種を効果的に与える ことが可能である。すなわち、電子豊富で配位不飽和な 錯体の構築に対し有機ケイ素配位子の導入は非常に有効 であることが分かる。\",\"PeriodicalId\":72479,\"journal\":{\"name\":\"Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry\",\"volume\":\"67 1\",\"pages\":\"47-61\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2016-01-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"https://sci-hub-pdf.com/10.4019/BJSCC.67.47\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.4019/BJSCC.67.47\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.4019/BJSCC.67.47","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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