Shiori Ino, T. Komuro, Kayo Ogawa
{"title":"交互式数字标牌中图像效果对广告效果的影响研究","authors":"Shiori Ino, T. Komuro, Kayo Ogawa","doi":"10.3169/itej.76.297","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"デジタルサイネージとは屋外・店頭・公共空間・交通機 関などさまざまな場所で,ディスプレイなどの電子的な表 示機器を使って情報を発信するシステムである.デジタル サイネージのメリットとして,貼り換えや印刷の手間・コ ストがかからないことや,表現力の高さや情報量の多さに 加えて,曜日や時間,ターゲット属性に合わせて表示内容 を変更できることがあげられる. デジタルサイネージには,ユーザに対して一方的に情報 を発信するブロードキャスト型と双方向でのやり取りが可 能なインタラクティブ型の2種類が存在する.ブロード キャスト型のような,案内や広告を表示するだけの一方向 方式では注目率が低い傾向にある.デジタルサイネージを 設置するだけでは人々の注目を継続的に集めることは難し く,display blindness1)と呼ばれる現象のように,かえっ て無視されてしまうこともある. 一方,コンテンツとインタラクションを行うことが可能 なインタラクティブデジタルサイネージは,人々を惹き付 けることに有効である2)3).特に大画面のインタラクティ ブデジタルサイネージは,ユーザが利用している様子を他 の通行人が見ることで興味を抱き,利用しようとする人が 増えるhoney-pot effect4)が期待できる.また,Altらの実 験によると一般的なデジタルサイネージよりもインタラク ティブデジタルサイネージで提示された情報の方が印象に 残りやすいことが明らかになっている5). インタラクティブデジタルサイネージの中で最も一般的 なのが,ユーザのタッチ操作に対応して情報が表示される タッチパネル形式のものである.しかし,大画面のデジタ ルサイネージではユーザの手が届かない場所があること や,同時に使用できる人数が限られるという問題がある. さらに,昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により手 でものに触れることに対する忌避感が強くなっている.そ こで非接触型のインタラクションに対するニーズが高まっ ている. それに対してSugiuraらは,カメラ画像から検出した複 数のユーザの骨格を画面に表示し,手を動かして画面をス クラッチすることで広告の隠れている情報が現れるインタ ラクティブデジタルサイネージを実装し,ユーザのコンテ ンツ記憶に関する調査を行った.その結果,インタラク ティブ要素を追加したデジタルサイネージの方がそうでな いものよりユーザの滞在時間が長くなり,コンテンツに関 する記憶が残りやすいことが確認された6).しかしながら, この研究では4種類のコンテンツを使用していたが,風景 の写真やイラストなど,どれも広告性のないものが用いら れていた.また,コンテンツの内容や隠し方(エフェクト) はさまざまで,どのようなコンテンツにおいてどのような エフェクトが有効であるかといった評価は行っていない. そこで本研究では,広告性のあるデザインのコンテンツ を使用して,エフェクトの違いがユーザに与える影響を調 査した.口紅,旅行,ファッションを題材とした3種類の コンテンツを作成し,それぞれ“白黒”,“ぼかし”,“塗り あらまし 本稿ではユーザが隠れている広告情報を自発的に取り除いて見ることができるインタラクティブデジタ ルサイネージにおいて,広告の隠し方(エフェクト)の違いがユーザに与える効果を検証する.作成したコンテンツ にそれぞれ“白黒”,“ぼかし”,“塗りつぶし”の3種類のエフェクトをかけたものを被験者に操作してもらい,広告内 容に関する質問とアンケートを実施して比較を行った.質問の正答率をもとに分析を行った結果,エフェクトと質問 内容の組み合わせで効果の現れ方が違うことが確認された.さらにアンケートの結果から,操作が楽しいと感じるコ ンテンツほど購買意欲が高まる傾向にあり,コンテンツごとに評価が異なることがわかった.","PeriodicalId":39325,"journal":{"name":"Kyokai Joho Imeji Zasshi/Journal of the Institute of Image Information and Television Engineers","volume":"1 1","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2022-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Investigation of Advertising Performance by Image Effects in Interactive Digital Signage\",\"authors\":\"Shiori Ino, T. 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Investigation of Advertising Performance by Image Effects in Interactive Digital Signage
デジタルサイネージとは屋外・店頭・公共空間・交通機 関などさまざまな場所で,ディスプレイなどの電子的な表 示機器を使って情報を発信するシステムである.デジタル サイネージのメリットとして,貼り換えや印刷の手間・コ ストがかからないことや,表現力の高さや情報量の多さに 加えて,曜日や時間,ターゲット属性に合わせて表示内容 を変更できることがあげられる. デジタルサイネージには,ユーザに対して一方的に情報 を発信するブロードキャスト型と双方向でのやり取りが可 能なインタラクティブ型の2種類が存在する.ブロード キャスト型のような,案内や広告を表示するだけの一方向 方式では注目率が低い傾向にある.デジタルサイネージを 設置するだけでは人々の注目を継続的に集めることは難し く,display blindness1)と呼ばれる現象のように,かえっ て無視されてしまうこともある. 一方,コンテンツとインタラクションを行うことが可能 なインタラクティブデジタルサイネージは,人々を惹き付 けることに有効である2)3).特に大画面のインタラクティ ブデジタルサイネージは,ユーザが利用している様子を他 の通行人が見ることで興味を抱き,利用しようとする人が 増えるhoney-pot effect4)が期待できる.また,Altらの実 験によると一般的なデジタルサイネージよりもインタラク ティブデジタルサイネージで提示された情報の方が印象に 残りやすいことが明らかになっている5). インタラクティブデジタルサイネージの中で最も一般的 なのが,ユーザのタッチ操作に対応して情報が表示される タッチパネル形式のものである.しかし,大画面のデジタ ルサイネージではユーザの手が届かない場所があること や,同時に使用できる人数が限られるという問題がある. さらに,昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により手 でものに触れることに対する忌避感が強くなっている.そ こで非接触型のインタラクションに対するニーズが高まっ ている. それに対してSugiuraらは,カメラ画像から検出した複 数のユーザの骨格を画面に表示し,手を動かして画面をス クラッチすることで広告の隠れている情報が現れるインタ ラクティブデジタルサイネージを実装し,ユーザのコンテ ンツ記憶に関する調査を行った.その結果,インタラク ティブ要素を追加したデジタルサイネージの方がそうでな いものよりユーザの滞在時間が長くなり,コンテンツに関 する記憶が残りやすいことが確認された6).しかしながら, この研究では4種類のコンテンツを使用していたが,風景 の写真やイラストなど,どれも広告性のないものが用いら れていた.また,コンテンツの内容や隠し方(エフェクト) はさまざまで,どのようなコンテンツにおいてどのような エフェクトが有効であるかといった評価は行っていない. そこで本研究では,広告性のあるデザインのコンテンツ を使用して,エフェクトの違いがユーザに与える影響を調 査した.口紅,旅行,ファッションを題材とした3種類の コンテンツを作成し,それぞれ“白黒”,“ぼかし”,“塗り あらまし 本稿ではユーザが隠れている広告情報を自発的に取り除いて見ることができるインタラクティブデジタ ルサイネージにおいて,広告の隠し方(エフェクト)の違いがユーザに与える効果を検証する.作成したコンテンツ にそれぞれ“白黒”,“ぼかし”,“塗りつぶし”の3種類のエフェクトをかけたものを被験者に操作してもらい,広告内 容に関する質問とアンケートを実施して比較を行った.質問の正答率をもとに分析を行った結果,エフェクトと質問 内容の組み合わせで効果の現れ方が違うことが確認された.さらにアンケートの結果から,操作が楽しいと感じるコ ンテンツほど購買意欲が高まる傾向にあり,コンテンツごとに評価が異なることがわかった.