Hasegawa Takefumi, K. Akiyama, Hidetoshi Kambe, Yasushi Sugama, M. Abukawa
{"title":"车载立体摄像机对落体物体的图像检测","authors":"Hasegawa Takefumi, K. Akiyama, Hidetoshi Kambe, Yasushi Sugama, M. 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Image Detection of Falling Object by Vehicle Mounted Stereo-Camera
道路上の落下物は数多く存在し,国土交通省の調査によ ると直轄国道道路の落下物の集計数は年間約50万件1)にな る.この件数を平均化すると1日あたりに約1350件以上の 落下物が発生している.落下物の種類として多いのはビ ニールシートや紙類であるが,タイヤや建材,冷蔵庫など の大型落下物もある.自動車と大型落下物との衝突は重大 な事故につながるため,自動車前方にある落下物を即時に 検出し,落下物との衝突を避けることが重要になる. 近年,自動車には衝突被害軽減ブレーキやアダプティブ クルーズコントロールなど,車載センサの認識結果を用い た先進ドライバアシスタントシステム(ADAS)が搭載され 始めており,これらの機能を用いて落下物との衝突を回避 するADAS機能付き車両が期待されている. 車載カメラの画像認識によって,自車両前方の先行車両 や歩行者を画像識別する技術2)3)が開発されているが,路 面上の落下物は多種多様なものが想定されるため,画像情 報からあらゆる物体を画像識別して落下物を検知するのは 困難である. このため,本稿の検知手法では車載ステレオカメラを使 用し,車両前方の3次元形状を計測することで物体を画像 識別することなく落下物を検知した.車載ステレオカメラ は検知対象物までの距離計測が可能なため,衝突被害軽減 ブレーキ機能付き車両等に多く搭載されており,さまざま な障害物検知用アルゴリズム4)~7)が提案されている.ステ レオマッチング手法には,ステレオ画像の局所的なマッチ ング手法8)9)と大域的なマッチング手法10)~12)があり,こ のステレオマッチングと移動ベクトルの算出を組み合わせ た手法13)14)が提案されている. これらの障害物検知用アルゴリズムは,荷物落下後の障 害物を検知対象とするため,車両前方を走行する先行車両 の荷台に積まれた荷物が突然に落下した場合には落下物を 即時に検知することが困難となり,前方車両と自車両との 車間距離が短いと,衝突回避用の走行指示が間に合わずに 荷物と衝突する危険性が高くなる. ステレオカメラを用いて物体の移動ベクトルから移動物 体を検知する手法15)やパーティクルフィルタを用いた移動 物体の分離検知手法16)があり,静止物体と移動物体の区別 による移動物体検知や複数人の歩行者の群れから分離する 歩行者検知に使用されている. 車載ステレオカメラのデプス画像を3次元点群に変換し, 深層学習の点群処理用ネットワークモデル17)を適用して同 一物体を検出する手法18)があり,前方車両検知に使用され ている. 本稿では,車両前方を走行する先行車両の荷台に積まれた 荷物が突然に落下した場合でも,落下物との衝突を回避する ために,実験車両へ搭載した車載ステレオカメラで即時に荷 物落下を検知する手法を開発した.本手法では車載ステレオ カメラで判別した同一物体の撮影画像範囲内の移動ベクトル あらまし 本稿では車両前方の落下物を車載ステレオカメラで検知する手法を提案する.本検知手法は車載ステレ オカメラで計測した撮影画像から車両前方のデプス画像を算出し,そのデプス画像から走行路面上にある立体物を検 出する.検出した複数の立体物が同一物体か別物体かを判別し,同一物体の撮影画像範囲内の移動ベクトルを解析す ることで車両前方を走行する先行車両の荷台から荷物が落下したことを即時に検知する.この落下物を追跡すること で移動軌跡を算出し,車両と落下物との衝突を避ける.本検知手法の評価として,車載ステレオカメラを搭載した実 験車両にて車速約60 km/hで走行し,車両前方約30m先に走行する先行車両の荷台から荷物を落下させ,その落下物 の検知状況を確認した.本評価により,先行車両から急に荷物が落下した場合でも衝突回避のために落下物を即時に 検知可能なことを確認した.