Tomomi Hasegawa, T. Sugimoto, Hiroyuki Okubo, Tomoyasu Komori
{"title":"22.2多声道家庭音响系统MPEG-4 AAC解码器库的开发","authors":"Tomomi Hasegawa, T. Sugimoto, Hiroyuki Okubo, Tomoyasu Komori","doi":"10.3169/itej.75.838","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"838 (148) 1.ま え が き 2018年12月1日から新4K8K衛星放送が始まり1),8K2) チャネルの中で22.2マルチチャンネル(22.2 ch)音響3)番組 が圧縮符号化方式MPEG-4 AAC4)で放送されている.8K はハイビジョン(2K)を超える高い臨場感を提供する究極の 2次元テレビを目指して開発されたもので,映像の画素数は ハイビジョンの16倍の7,680×4,320ピクセルである.8K映 像に相応しい音響システムとして22.2 ch音響が開発された. 22.2 ch音響は,5.1 chサラウンドを超える高品質な3次元音 響空間印象を再現できる先進的なマルチチャンネル音響シ ステムの要求条件を満たす音響システムであり5),3次元的 な音響空間の再現・画面上の映像と音像の一致・広い聴取 範囲を実現するために,聴取者を取り囲むように上層に9 チャネル,中層に10チャネル,下層に3チャネルと低域効 果(LFE)用の2チャネルで構成される.また,先進的な音 響システムに関する勧告ITU-R BS.2051-23)の中で最上位の フォーマットとして位置づけられている. 家庭で22.2 ch音響を楽しむためには,AVアンプから24 個のスピーカで再生する場合やサウンドバー等の家庭用音 響機器で再生する際に(1)22.2 ch音響対応のMPEG-4 AAC デコーダが実装されること,(2)22.2 ch音響のAACスト リームを機器間で伝送する必要がある.これまで,NHKで は技研公開20156)で映像と音声が一体となった形でエン コーダ,およびデコーダ7)を試作し,8K衛星放送実験を通 じて22.2 ch音響のMPEG-4 AACストリームがリアルタイ ムにデコードできることを確認した.しかし,これは放送 局が規格を検証するために試作したもので,大きさは480 mm(W)×545mm(D)×370mm(H)であり,家庭用音響 機器で一般的に求められる小型・軽量のシステムに流用で きるものではない.そこで本稿では家庭用音響機器で用い られる軽量な組込みシステム用の汎用のチップ上で,従来 の音響システムよりもチャネル数が多い22.2 ch音響をリア ルタイムにデコード可能か確認することを目的とする.ま た22.2 ch音響のAACストリームを機器間で伝送する際に は,放送受信機に備えつけられた端子:High-Definition Multimedia Interface(HDMI)を用いて伝送することが想 定されるが,音声のマルチチャンネル信号間の同期をとり HDMIケーブル1本で伝送するためには,伝送レートを通 常の倍にして伝送容量を増やす必要がある. 本稿では22.2 ch音響の普及に向けて小型・軽量のチップ で家庭用音響機器へ実装可能な22.2 ch音響対応MPEG-4 AACのデコーダライブラリの開発と,HDMIによる22.2 ch 音響のMPEG-4 AACストリームの倍速伝送に対応したデ コーダの開発について報告する.2章では22.2 ch音響に対応 したMPEG-4 AACの圧縮符号化について,3章ではHDMI によるMPEG-4 AACストリームの伝送について,4章では 22.2ch音響対応MPEG-4 AACデコーダの開発について,5章 では開発したデコーダの動作検証について述べ,6章でむ すびとする. あらまし 22.2マルチチャンネル(22.2 ch)音響の普及を目的として,家庭用音響機器へ実装可能な22.2 ch音響対応 MPEG-4 AACデコーダを開発した.新4K8K衛星放送の22.2 ch音響番組を家庭で楽しむためには,家庭用音響機器に も実装可能な汎用のチップで動作するMPEG-4 AAC音声符号化方式のデコーダライブラリとAACストリームを機器 間で伝送する必要がある.そこで汎用チップ上で動作する22.2 ch音響対応MPEG-4 AACデコーダライブラリを開発し, 通常の倍の速度でストリームをHDMI伝送し,受信したストリームをデコードするデコーダを試作した.信号発生器 からテストストリームをHDMIで伝送し,試作したデコーダで動作することを確認するとともに,MPEG規格で定め られたデコーダの仕様を満たすことと,主観評価実験によりデコード音声品質に問題がないことを確認した.","PeriodicalId":39325,"journal":{"name":"Kyokai Joho Imeji Zasshi/Journal of the Institute of Image Information and Television Engineers","volume":null,"pages":null},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2021-01-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Development of MPEG-4 AAC Decoder Library of 22.2 Multichannel Sound for Home Audio Systems\",\"authors\":\"Tomomi Hasegawa, T. 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Development of MPEG-4 AAC Decoder Library of 22.2 Multichannel Sound for Home Audio Systems
838 (148) 1.ま え が き 2018年12月1日から新4K8K衛星放送が始まり1),8K2) チャネルの中で22.2マルチチャンネル(22.2 ch)音響3)番組 が圧縮符号化方式MPEG-4 AAC4)で放送されている.8K はハイビジョン(2K)を超える高い臨場感を提供する究極の 2次元テレビを目指して開発されたもので,映像の画素数は ハイビジョンの16倍の7,680×4,320ピクセルである.8K映 像に相応しい音響システムとして22.2 ch音響が開発された. 22.2 ch音響は,5.1 chサラウンドを超える高品質な3次元音 響空間印象を再現できる先進的なマルチチャンネル音響シ ステムの要求条件を満たす音響システムであり5),3次元的 な音響空間の再現・画面上の映像と音像の一致・広い聴取 範囲を実現するために,聴取者を取り囲むように上層に9 チャネル,中層に10チャネル,下層に3チャネルと低域効 果(LFE)用の2チャネルで構成される.また,先進的な音 響システムに関する勧告ITU-R BS.2051-23)の中で最上位の フォーマットとして位置づけられている. 家庭で22.2 ch音響を楽しむためには,AVアンプから24 個のスピーカで再生する場合やサウンドバー等の家庭用音 響機器で再生する際に(1)22.2 ch音響対応のMPEG-4 AAC デコーダが実装されること,(2)22.2 ch音響のAACスト リームを機器間で伝送する必要がある.これまで,NHKで は技研公開20156)で映像と音声が一体となった形でエン コーダ,およびデコーダ7)を試作し,8K衛星放送実験を通 じて22.2 ch音響のMPEG-4 AACストリームがリアルタイ ムにデコードできることを確認した.しかし,これは放送 局が規格を検証するために試作したもので,大きさは480 mm(W)×545mm(D)×370mm(H)であり,家庭用音響 機器で一般的に求められる小型・軽量のシステムに流用で きるものではない.そこで本稿では家庭用音響機器で用い られる軽量な組込みシステム用の汎用のチップ上で,従来 の音響システムよりもチャネル数が多い22.2 ch音響をリア ルタイムにデコード可能か確認することを目的とする.ま た22.2 ch音響のAACストリームを機器間で伝送する際に は,放送受信機に備えつけられた端子:High-Definition Multimedia Interface(HDMI)を用いて伝送することが想 定されるが,音声のマルチチャンネル信号間の同期をとり HDMIケーブル1本で伝送するためには,伝送レートを通 常の倍にして伝送容量を増やす必要がある. 本稿では22.2 ch音響の普及に向けて小型・軽量のチップ で家庭用音響機器へ実装可能な22.2 ch音響対応MPEG-4 AACのデコーダライブラリの開発と,HDMIによる22.2 ch 音響のMPEG-4 AACストリームの倍速伝送に対応したデ コーダの開発について報告する.2章では22.2 ch音響に対応 したMPEG-4 AACの圧縮符号化について,3章ではHDMI によるMPEG-4 AACストリームの伝送について,4章では 22.2ch音響対応MPEG-4 AACデコーダの開発について,5章 では開発したデコーダの動作検証について述べ,6章でむ すびとする. あらまし 22.2マルチチャンネル(22.2 ch)音響の普及を目的として,家庭用音響機器へ実装可能な22.2 ch音響対応 MPEG-4 AACデコーダを開発した.新4K8K衛星放送の22.2 ch音響番組を家庭で楽しむためには,家庭用音響機器に も実装可能な汎用のチップで動作するMPEG-4 AAC音声符号化方式のデコーダライブラリとAACストリームを機器 間で伝送する必要がある.そこで汎用チップ上で動作する22.2 ch音響対応MPEG-4 AACデコーダライブラリを開発し, 通常の倍の速度でストリームをHDMI伝送し,受信したストリームをデコードするデコーダを試作した.信号発生器 からテストストリームをHDMIで伝送し,試作したデコーダで動作することを確認するとともに,MPEG規格で定め られたデコーダの仕様を満たすことと,主観評価実験によりデコード音声品質に問題がないことを確認した.