《火山喷发机制与火山喷发预报的挑战:最新进展与火山灾害预防》特刊前言

IF 0.2 Q4 GEOGRAPHY, PHYSICAL
K. Mannen, Y. Yukutake, R. Doke, D. Hirata
{"title":"《火山喷发机制与火山喷发预报的挑战:最新进展与火山灾害预防》特刊前言","authors":"K. Mannen, Y. Yukutake, R. Doke, D. Hirata","doi":"10.5026/jgeography.130.725","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"箱根火山 2015年噴火の噴出中心となった大涌 谷は,年間 300万人の観光客が訪れるとされる 国内有数の観光地であるが,この噴火で新たに生 じた火口は,観光客が散策する領域からわずか 200 mほどしか離れていない(例えば, Mannen et al., 2018)。また,大涌谷の近傍には,2015年 噴火よりもはるかに大規模な水蒸気噴火の給源と なったと考えられる火口地形が複数認められる (例えば, 山口ほか, 2021)。こうしたことから, 噴火前に立入規制などの防災行動をとることは人 命保護の観点からきわめて重要である。一方,箱 根火山では山体のわずかな膨張や地震活動の活発 化は必ずしも珍しい現象ではなく,2001年以降 は数年に 1度の頻度で発生している。したがっ て,活発化のたびに経済的な損失の大きい規制を 行うのは難しい。観光客や住民の生命を守りつ つ,経済的な損失を最小化する火山防災対応をと るためには,噴火にいたる過程を理解して,噴火 の切迫度を評価することは重要である。箱根火山 の研究に長年従事している神奈川県温泉地学研究 所では 2015年噴火の解析を行うことと並行して, 上のような問題意識に基づいて,英文誌 Earth, Planets and Spaceでの特集号編集や(Mannen et al., 2019),研究集会の実施を通じて,今後の 研究や火山監視の方向性を検討するために必要な 知見の集約に努めている(安部, 2019; 萬年・加藤, 2020)。本特集号は,地元企業・団体,箱根町お よび東京地学協会の助成を受けて,2020年 1月 に神奈川県立生命の星・地球博物館と共催で実施 した「水蒸気噴火のメカニズムに関する国際ワー クショップ」で行われた講演や,その後の研究を 基にした論文を収録する。 行竹・萬年(2021)が,水蒸気噴火の発生に 大きく関わる熱水系に関する知見を整理した総説 では,熱水系に発達する難透水層に着目し,浅部 では変質粘土鉱物の発達による,深部ではシリカ の晶出による難透水層が形成されるとし,それぞ れの難透水層に関する観測事例を列挙している。 浅部の難透水層は熱水変質で生じる粘土鉱物によ り形成され,低比抵抗体として電磁探査で検知で 特集号「水蒸気噴火のメカニズムと噴火予知への課題 ─最新の知見と火山防災─」巻頭言","PeriodicalId":45817,"journal":{"name":"Journal of Geography-Chigaku Zasshi","volume":" ","pages":""},"PeriodicalIF":0.2000,"publicationDate":"2021-12-25","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"Preface for the Special Issue “Mechanism of Phreatic Eruptions and Challenges for Eruption Forecasting: Latest Advances and Volcanic Disaster Prevention”\",\"authors\":\"K. Mannen, Y. Yukutake, R. Doke, D. Hirata\",\"doi\":\"10.5026/jgeography.130.725\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"箱根火山 2015年噴火の噴出中心となった大涌 谷は,年間 300万人の観光客が訪れるとされる 国内有数の観光地であるが,この噴火で新たに生 じた火口は,観光客が散策する領域からわずか 200 mほどしか離れていない(例えば, Mannen et al., 2018)。また,大涌谷の近傍には,2015年 噴火よりもはるかに大規模な水蒸気噴火の給源と なったと考えられる火口地形が複数認められる (例えば, 山口ほか, 2021)。こうしたことから, 噴火前に立入規制などの防災行動をとることは人 命保護の観点からきわめて重要である。一方,箱 根火山では山体のわずかな膨張や地震活動の活発 化は必ずしも珍しい現象ではなく,2001年以降 は数年に 1度の頻度で発生している。したがっ て,活発化のたびに経済的な損失の大きい規制を 行うのは難しい。観光客や住民の生命を守りつ つ,経済的な損失を最小化する火山防災対応をと るためには,噴火にいたる過程を理解して,噴火 の切迫度を評価することは重要である。箱根火山 の研究に長年従事している神奈川県温泉地学研究 所では 2015年噴火の解析を行うことと並行して, 上のような問題意識に基づいて,英文誌 Earth, Planets and Spaceでの特集号編集や(Mannen et al., 2019),研究集会の実施を通じて,今後の 研究や火山監視の方向性を検討するために必要な 知見の集約に努めている(安部, 2019; 萬年・加藤, 2020)。本特集号は,地元企業・団体,箱根町お よび東京地学協会の助成を受けて,2020年 1月 に神奈川県立生命の星・地球博物館と共催で実施 した「水蒸気噴火のメカニズムに関する国際ワー クショップ」で行われた講演や,その後の研究を 基にした論文を収録する。 行竹・萬年(2021)が,水蒸気噴火の発生に 大きく関わる熱水系に関する知見を整理した総説 では,熱水系に発達する難透水層に着目し,浅部 では変質粘土鉱物の発達による,深部ではシリカ の晶出による難透水層が形成されるとし,それぞ れの難透水層に関する観測事例を列挙している。 浅部の難透水層は熱水変質で生じる粘土鉱物によ り形成され,低比抵抗体として電磁探査で検知で 特集号「水蒸気噴火のメカニズムと噴火予知への課題 ─最新の知見と火山防災─」巻頭言\",\"PeriodicalId\":45817,\"journal\":{\"name\":\"Journal of Geography-Chigaku Zasshi\",\"volume\":\" \",\"pages\":\"\"},\"PeriodicalIF\":0.2000,\"publicationDate\":\"2021-12-25\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Journal of Geography-Chigaku Zasshi\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.5026/jgeography.130.725\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"Q4\",\"JCRName\":\"GEOGRAPHY, PHYSICAL\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Journal of Geography-Chigaku Zasshi","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.5026/jgeography.130.725","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"Q4","JCRName":"GEOGRAPHY, PHYSICAL","Score":null,"Total":0}
引用次数: 0

摘要

箱根火山2015年喷发中心的大涌谷,是国内屈指可数的每年有300万游客到访的观光地,但由于这次喷发而新产生的火山口,距离游客散步的区域只有200米左右(例如,Mannen et al.,2018)。另外,在大涌谷附近,发现了多个火山口地形(例如山口等,2021),认为是比2015年喷发规模更大的水蒸气喷发的供给源。因此,在喷发前采取限制入内等防灾行动从保护人命的观点来看是极其重要的。另一方面,箱根火山山体的轻微膨胀和地震活动的活跃化并不一定是罕见的现象,2001年以后以几年一次的频率发生。因此,在每次活跃的时候进行经济损失大的限制是很难的。为了保护游客和居民的生命,采取最小化经济损失的火山防灾对策,理解喷发过程,评价喷发的紧迫度是很重要的。长年从事箱根火山研究的神奈川县温泉地学研究所,在分析2015年喷发的同时,根据上述问题意识,在英文杂志Earth、Planets and Space上编辑了特集号(Mannen et al.,2019),通过研究集会的实施,为了探讨今后的研究和火山监视的方向性,努力收集必要的知识(安部,2019;万年·加藤,2020)。本特集号收录了在当地企业·团体、箱根町以及东京地学协会的资助下,于2020年1月与神奈川县立生命之星·地球博物馆共同举办的“关于水蒸气喷发机制的国际沃克商店”上进行的演讲,以及以之后的研究为基础的论文。行竹·万年(2021)整理了与水蒸气喷发的发生有很大关系的热水系统的见解的综述中,着眼于热水系统中发展的难透水层,在浅部由于变质粘土矿物的发展,在深部由于二氧化硅的结晶而形成难透水层,列举了关于各个难透水层的观测事例。浅部的难透水层由热水变质产生的粘土矿物形成,作为低比电阻体,通过电磁探测检测出特集号“水蒸气喷发的机理和火山喷发预知的课题—最新的见解和火山防灾—”卷头言
本文章由计算机程序翻译,如有差异,请以英文原文为准。
Preface for the Special Issue “Mechanism of Phreatic Eruptions and Challenges for Eruption Forecasting: Latest Advances and Volcanic Disaster Prevention”
箱根火山 2015年噴火の噴出中心となった大涌 谷は,年間 300万人の観光客が訪れるとされる 国内有数の観光地であるが,この噴火で新たに生 じた火口は,観光客が散策する領域からわずか 200 mほどしか離れていない(例えば, Mannen et al., 2018)。また,大涌谷の近傍には,2015年 噴火よりもはるかに大規模な水蒸気噴火の給源と なったと考えられる火口地形が複数認められる (例えば, 山口ほか, 2021)。こうしたことから, 噴火前に立入規制などの防災行動をとることは人 命保護の観点からきわめて重要である。一方,箱 根火山では山体のわずかな膨張や地震活動の活発 化は必ずしも珍しい現象ではなく,2001年以降 は数年に 1度の頻度で発生している。したがっ て,活発化のたびに経済的な損失の大きい規制を 行うのは難しい。観光客や住民の生命を守りつ つ,経済的な損失を最小化する火山防災対応をと るためには,噴火にいたる過程を理解して,噴火 の切迫度を評価することは重要である。箱根火山 の研究に長年従事している神奈川県温泉地学研究 所では 2015年噴火の解析を行うことと並行して, 上のような問題意識に基づいて,英文誌 Earth, Planets and Spaceでの特集号編集や(Mannen et al., 2019),研究集会の実施を通じて,今後の 研究や火山監視の方向性を検討するために必要な 知見の集約に努めている(安部, 2019; 萬年・加藤, 2020)。本特集号は,地元企業・団体,箱根町お よび東京地学協会の助成を受けて,2020年 1月 に神奈川県立生命の星・地球博物館と共催で実施 した「水蒸気噴火のメカニズムに関する国際ワー クショップ」で行われた講演や,その後の研究を 基にした論文を収録する。 行竹・萬年(2021)が,水蒸気噴火の発生に 大きく関わる熱水系に関する知見を整理した総説 では,熱水系に発達する難透水層に着目し,浅部 では変質粘土鉱物の発達による,深部ではシリカ の晶出による難透水層が形成されるとし,それぞ れの難透水層に関する観測事例を列挙している。 浅部の難透水層は熱水変質で生じる粘土鉱物によ り形成され,低比抵抗体として電磁探査で検知で 特集号「水蒸気噴火のメカニズムと噴火予知への課題 ─最新の知見と火山防災─」巻頭言
求助全文
通过发布文献求助,成功后即可免费获取论文全文。 去求助
来源期刊
CiteScore
1.50
自引率
33.30%
发文量
28
×
引用
GB/T 7714-2015
复制
MLA
复制
APA
复制
导出至
BibTeX EndNote RefMan NoteFirst NoteExpress
×
提示
您的信息不完整,为了账户安全,请先补充。
现在去补充
×
提示
您因"违规操作"
具体请查看互助需知
我知道了
×
提示
确定
请完成安全验证×
copy
已复制链接
快去分享给好友吧!
我知道了
右上角分享
点击右上角分享
0
联系我们:info@booksci.cn Book学术提供免费学术资源搜索服务,方便国内外学者检索中英文文献。致力于提供最便捷和优质的服务体验。 Copyright © 2023 布克学术 All rights reserved.
京ICP备2023020795号-1
ghs 京公网安备 11010802042870号
Book学术文献互助
Book学术文献互助群
群 号:481959085
Book学术官方微信