{"title":"保守疗法治疗蛋白 C 缺乏症引起的肠系膜上静脉血栓:一例报告报告)","authors":"室谷 知孝, 福島 雅郁, 東出 靖弘, 是永 章, 是枝 大輔, 久保 真佑, 中尾 大輔","doi":"10.1002/jja2.12899","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"今回我々は,プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症という希少な1例を経験したので報告する。症例は58歳の男性で,既往症に下肢深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症があったためリバロキサバンを服用していた。ところが白内障の手術時に休薬し,その後も5か月間にわたり中止されたままであった。当院受診の2日前より上腹部痛および背部痛を自覚し,その後増悪したため前医を受診した。その結果,腹部造影CT検査にて門脈血栓症を認めたため当院救急搬送となった。腹部は左側を中心に全体的な自発痛と圧痛,また一部には筋性防御も認めた。腹部造影CT検査では,小腸の広範に渡る浮腫性壁肥厚と,上腸間膜静脈に血栓を示唆するcentral lucent signを認めた。緊急手術も考慮したが,術後の短腸症候群が懸念された。またCTにて門脈の完全閉塞はなく,側副血行路も形成されていた。浮腫腸管についても造影効果はあると判断した。これらの理由から,まずはヘパリンによる保存的治療を選択したが,結果的に治療完遂できた。その後の遺伝子解析にて先天性プロテインC欠損症と診断した。我々はこの希少な1例に対し,手術は行わず保存的治療のみで治療できた。先天性の血栓傾向が背景にあり,また腹膜刺激兆候を伴っており腸管壊死の可能性の示唆されるような上腸間膜静脈血栓症であっても,抗凝固薬による保存的加療のみで改善する場合もあることが示唆された。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"5 2","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2024-05-01","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"先天性プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症に対し保存的治療をした1例(Superior mesenteric venous thrombosis due to protein C deficiency treated by conservative therapy: A case report)\",\"authors\":\"室谷 知孝, 福島 雅郁, 東出 靖弘, 是永 章, 是枝 大輔, 久保 真佑, 中尾 大輔\",\"doi\":\"10.1002/jja2.12899\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"今回我々は,プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症という希少な1例を経験したので報告する。症例は58歳の男性で,既往症に下肢深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症があったためリバロキサバンを服用していた。ところが白内障の手術時に休薬し,その後も5か月間にわたり中止されたままであった。当院受診の2日前より上腹部痛および背部痛を自覚し,その後増悪したため前医を受診した。その結果,腹部造影CT検査にて門脈血栓症を認めたため当院救急搬送となった。腹部は左側を中心に全体的な自発痛と圧痛,また一部には筋性防御も認めた。腹部造影CT検査では,小腸の広範に渡る浮腫性壁肥厚と,上腸間膜静脈に血栓を示唆するcentral lucent signを認めた。緊急手術も考慮したが,術後の短腸症候群が懸念された。またCTにて門脈の完全閉塞はなく,側副血行路も形成されていた。浮腫腸管についても造影効果はあると判断した。これらの理由から,まずはヘパリンによる保存的治療を選択したが,結果的に治療完遂できた。その後の遺伝子解析にて先天性プロテインC欠損症と診断した。我々はこの希少な1例に対し,手術は行わず保存的治療のみで治療できた。先天性の血栓傾向が背景にあり,また腹膜刺激兆候を伴っており腸管壊死の可能性の示唆されるような上腸間膜静脈血栓症であっても,抗凝固薬による保存的加療のみで改善する場合もあることが示唆された。\",\"PeriodicalId\":19346,\"journal\":{\"name\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine\",\"volume\":\"5 2\",\"pages\":\"\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2024-05-01\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.1002/jja2.12899\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12899","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
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摘要
我们在此报告一例罕见的肠系膜上静脉血栓形成伴有蛋白 C 缺乏症的病例。患者是一名 58 岁的男性,因之前患有下肢深静脉血栓和肺血栓栓塞症而服用利伐沙班。然而,他在接受白内障手术时停用了利伐沙班,之后又停药五个月。在来我院就诊的前两天,他感到上腹部疼痛和背部疼痛,随后疼痛加剧,于是他去看了之前的医生。腹部对比增强 CT 扫描显示门静脉血栓形成,患者被送往我院接受紧急治疗。腹部显示全身自发性疼痛和压痛,主要在左侧,还有一些肌肉防御。腹部对比增强 CT 扫描显示,小肠壁广泛水肿增厚,中央有通明征,提示肠系膜上静脉内有血栓。考虑进行急诊手术,但担心会出现术后短肠综合征。CT 显示门静脉没有完全闭塞,侧支血管已经形成。结论是水肿的肠道也存在造影剂效应。由于这些原因,首先选择了肝素保守治疗,结果治疗顺利完成。随后进行的基因分析确诊为先天性蛋白 C 缺乏症。对这一罕见病例,我们只采取了保守治疗,没有进行手术。我们的研究结果表明,即使肠系膜上静脉血栓病例具有先天性血栓形成倾向和腹膜刺激征,提示可能出现肠坏死,使用抗凝剂进行保守治疗也足以改善病情。
先天性プロテインC欠損症に伴う上腸間膜静脈血栓症に対し保存的治療をした1例(Superior mesenteric venous thrombosis due to protein C deficiency treated by conservative therapy: A case report)