乳児感染性硬膜下血腫の1例(一例嬰兒感染性硬膜下血腫)

内田 旬, 小守林 靖一, 千葉 貴之, 柳原 普, 和田 司, 眞瀬 智彦, 小笠原 邦昭
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摘要

婴幼儿感染性硬膜下血肿非常罕见,关于开颅手术还是穿孔手术更佳,目前尚未得出结论。本病例是一名 6 个月大的男婴,疑似受到虐待。5 个月大时,CT 观察到双侧慢性硬膜下血肿,但未压迫脑实质;一个月后,患者突然意识丧失,CT 观察到右侧硬膜下血肿增大。由于患者严重贫血,开颅手术被判断为高风险手术,于是进行了骨结合穿刺抽吸血肿。对抽出的血肿进行了检查,发现其被革兰氏阳性球菌吞噬。在使用抗菌素的情况下,每天进行骨穿刺。病程第 14 天,患者全身情况好转,在全身麻醉下进行了内窥镜颅内血肿清除术。血肿腔内生长了肉芽组织隔壁。血肿被吸出的同时,隔膜被冲破,血肿腔为单细胞。术后情况良好,硬膜下血肿没有复发。感染性硬膜下血肿的血肿腔内可能存在室间隔壁形成,而这在影像学上并不明显,这表明在内窥镜辅助下清除血肿的同时单腔化血肿腔可能有助于控制感染。
本文章由计算机程序翻译,如有差异,请以英文原文为准。
乳児感染性硬膜下血腫の1例(A case of infantile infected subdural hematoma)
乳児の感染性硬膜下血腫は稀であり,開頭術と穿頭術のどちらが優れているのかについて結論は得られていない。症例は虐待が疑われる6か月の男児である。生後5か月時に両側慢性硬膜下血腫を認め,CT上脳実質への圧迫はなく経過観察としていた。1か月後に突然の意識障害が出現し,CT上右硬膜下血腫の増大を認めた。重度の貧血があったため開頭術はリスクが高いと判断し,大泉門穿刺による血腫吸引を施行した。吸引した血腫を検鏡したところ,グラム陽性球菌の貪食像を認めた。抗菌薬投与下に,連日大泉門穿刺を行った。全身状態が改善した発症14病日に全身麻酔による内視鏡下頭蓋内血腫除去術を施行した。血腫腔内部は肉芽組織の隔壁が増生していた。隔壁を破りつつ血腫を吸引し,血腫腔を単房化した。術後経過は良好で硬膜下血腫の再発は認めなかった。感染性硬膜下血腫では画像上明らかでない隔壁形成が血腫腔内に存在する可能性があり,内視鏡補助下に血腫腔内を単房化しつつ血腫を除去することで,感染をコントロールできる可能性が示唆された。
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