{"title":"在一名大面积烧伤患者身上使用血管内温度管理系统成功实现快速复温的案例。在大面积烧伤患者中使用血管内温度管理系统)。","authors":"廣瀬 智也, 塩崎 忠彦, 清水 健太郎, 福岡 大史, 酒井 智彦, 島崎 淳也, 織田 順","doi":"10.1002/jja2.12884","DOIUrl":null,"url":null,"abstract":"広範囲熱傷患者は容易に低体温に陥り,その時の熱産生能力が患者の生命予後と関与している。自力で熱産生することができない熱傷患者を復温させることは非常に困難である。しかし,近年,直接血液を加温する装置(中心静脈留置型経皮的体温調節システム)が軽量・簡易化されており,迅速に復温させることが可能となった。今回我々は,低体温に陥り復温困難であった重症熱傷症例に対して,この装置を用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命することができたので報告する。症例はburn index 33,prognostic burn index 95の広範囲熱傷患者(62歳の男性)が,第8病日に熱傷感染創が原因で敗血症性ショックに陥り,当院に転院となった。来院後,ガーゼ交換後に38.5℃から34.8℃まで急激に体温が低下した。通常の加温では復温困難であったため,予定していたデブリードマンを中止して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行った。来院から24時間後に37℃に復温したことを確認して感染創のデブリードマンを行い,その後数回の手術を経て救命することができた。低体温から速やかに復温することができない広範囲熱傷患者に対しては,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて直接血液を加温して復温させることが有効な治療手段となりうる。","PeriodicalId":19346,"journal":{"name":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","volume":"11 23","pages":""},"PeriodicalIF":0.0000,"publicationDate":"2024-02-29","publicationTypes":"Journal Article","fieldsOfStudy":null,"isOpenAccess":false,"openAccessPdf":"","citationCount":"0","resultStr":"{\"title\":\"復温困難であった広範囲熱傷患者に対して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命に成功した1例(A case of successful rapid rewarming using an intravascular temperature management system in a patient with extensive burns)\",\"authors\":\"廣瀬 智也, 塩崎 忠彦, 清水 健太郎, 福岡 大史, 酒井 智彦, 島崎 淳也, 織田 順\",\"doi\":\"10.1002/jja2.12884\",\"DOIUrl\":null,\"url\":null,\"abstract\":\"広範囲熱傷患者は容易に低体温に陥り,その時の熱産生能力が患者の生命予後と関与している。自力で熱産生することができない熱傷患者を復温させることは非常に困難である。しかし,近年,直接血液を加温する装置(中心静脈留置型経皮的体温調節システム)が軽量・簡易化されており,迅速に復温させることが可能となった。今回我々は,低体温に陥り復温困難であった重症熱傷症例に対して,この装置を用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命することができたので報告する。症例はburn index 33,prognostic burn index 95の広範囲熱傷患者(62歳の男性)が,第8病日に熱傷感染創が原因で敗血症性ショックに陥り,当院に転院となった。来院後,ガーゼ交換後に38.5℃から34.8℃まで急激に体温が低下した。通常の加温では復温困難であったため,予定していたデブリードマンを中止して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行った。来院から24時間後に37℃に復温したことを確認して感染創のデブリードマンを行い,その後数回の手術を経て救命することができた。低体温から速やかに復温することができない広範囲熱傷患者に対しては,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて直接血液を加温して復温させることが有効な治療手段となりうる。\",\"PeriodicalId\":19346,\"journal\":{\"name\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine\",\"volume\":\"11 23\",\"pages\":\"\"},\"PeriodicalIF\":0.0000,\"publicationDate\":\"2024-02-29\",\"publicationTypes\":\"Journal Article\",\"fieldsOfStudy\":null,\"isOpenAccess\":false,\"openAccessPdf\":\"\",\"citationCount\":\"0\",\"resultStr\":null,\"platform\":\"Semanticscholar\",\"paperid\":null,\"PeriodicalName\":\"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine\",\"FirstCategoryId\":\"1085\",\"ListUrlMain\":\"https://doi.org/10.1002/jja2.12884\",\"RegionNum\":0,\"RegionCategory\":null,\"ArticlePicture\":[],\"TitleCN\":null,\"AbstractTextCN\":null,\"PMCID\":null,\"EPubDate\":\"\",\"PubModel\":\"\",\"JCR\":\"\",\"JCRName\":\"\",\"Score\":null,\"Total\":0}","platform":"Semanticscholar","paperid":null,"PeriodicalName":"Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine","FirstCategoryId":"1085","ListUrlMain":"https://doi.org/10.1002/jja2.12884","RegionNum":0,"RegionCategory":null,"ArticlePicture":[],"TitleCN":null,"AbstractTextCN":null,"PMCID":null,"EPubDate":"","PubModel":"","JCR":"","JCRName":"","Score":null,"Total":0}
復温困難であった広範囲熱傷患者に対して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命に成功した1例(A case of successful rapid rewarming using an intravascular temperature management system in a patient with extensive burns)
広範囲熱傷患者は容易に低体温に陥り,その時の熱産生能力が患者の生命予後と関与している。自力で熱産生することができない熱傷患者を復温させることは非常に困難である。しかし,近年,直接血液を加温する装置(中心静脈留置型経皮的体温調節システム)が軽量・簡易化されており,迅速に復温させることが可能となった。今回我々は,低体温に陥り復温困難であった重症熱傷症例に対して,この装置を用いて迅速な復温と体温管理を行い,救命することができたので報告する。症例はburn index 33,prognostic burn index 95の広範囲熱傷患者(62歳の男性)が,第8病日に熱傷感染創が原因で敗血症性ショックに陥り,当院に転院となった。来院後,ガーゼ交換後に38.5℃から34.8℃まで急激に体温が低下した。通常の加温では復温困難であったため,予定していたデブリードマンを中止して,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて迅速な復温と体温管理を行った。来院から24時間後に37℃に復温したことを確認して感染創のデブリードマンを行い,その後数回の手術を経て救命することができた。低体温から速やかに復温することができない広範囲熱傷患者に対しては,中心静脈留置型経皮的体温調節システムを用いて直接血液を加温して復温させることが有効な治療手段となりうる。